「フロー」の意味とは?ビジネスや心理学から図の書き方まで解説

「業務フロー」「キャッシュフロー」「フローチャート」など、ビジネスシーンにはあらゆる「フロー」があります。本記事ではこの「フロー」の意味と使い方について、経済・経営の分野、実際の業務、心理学など様々な観点から解説します。また「フロー図(フローチャート)」の書き方についても参考にしてみてください。

「フロー」の意味とは?

「フロー」とは「流れ」を意味する

「フロー」とは「流れ、流動」という意味の語です。たとえば「キャッシュフロー」はキャッシュつまりお金の流れを、「データフロー」はデータの流れを意味します。

英語「flow」に由来する言葉

「フロー」は英単語「flow」の読みをそのまま使った表現です。英語の「flow」には「流れる、流れ出る」という意味があり、「流れるように動く」「流れるように通る」「風になびく」など、滑らかに流れるというニュアンスがあります。

「フロー」の経済・経営用語としての使い方

「キャッシュフロー」は一定期間のお金の流れ

「キャッシュフロー」とは一定期間のお金の流れを示し、経営状態を査定するひとつの指標として用いられます。また、会社にお金が入ってくることは「キャッシュインフロー」、会社から出ていくお金は「キャッシュアウトフロー」とも呼ばれます。「キャッシュフロー」はこの「キャッシュイン」から「キャッシュアウト」を差し引いた収支のことで、会社のお金の流れを表すものです。

またより具体的な現金の増減を判別するための書類として「キャッシュフロー計算書」もあります。

「フロー」は損益計算書で、「ストック」は貸借対照表で明らかに

「キャッシュフロー」は企業の財務諸表のうち「損益計算書」に表れます。これに対し、一時点での蓄積量を表すのが「ストック」です。経営における「フロー」はしばしば「ストック」と共に話題に上ることが多く、「フロー」が増えると「ストック」も増えるという相関関係があります。この「ストック」は貸借対照表で確認することが可能です。

「フロー」のビジネスシーンでの使い方・使用例

「ワークフロー」「業務フロー」は業務の一連の流れのこと

「ワークフロー」「業務フロー」とは仕事の流れや作業の一連の流れのことです。業務のプロセスを目に見えるかたちにし、分かりやすく図示したものを指して「ワークフロー(業務フロー)」ということもあります。

「フロー図」「フローチャート」は記号や矢印で表したもの

「フロー図」「フローチャート」とは記号や矢印を使って、図に表したものを指します。「ワークフロー(業務フロー)」と同義として用いられることも多いですが、社内文書の閲覧順やシステムの工程など幅広い図を指して使える表現です。その「フロー図(フローチャート)」の内容に応じて「文書フローチャート」「システムフローチャート」などのネーミングが用いられることもあります。

ITの分野では命令・処理の流れを指す

ソフトウェアやプログラミングの分野では、プログラムに関する命令や処理の流れ、プロセスなどを指して「フロー」と使います。また通信の分野では伝送情報の流れを「データフロー」という語で表します。

心理学用語としての「フロー」とは

心理学の「フロー状態」は没頭できている状態

心理学における「フロー」は「今行っていることに完全に夢中になり、意識がない中でも自分をコントロールできている感覚がある状態」のことです。わかりやすく言うと、「時間を忘れるほど完全集中し、はいりこんでいる状態」「完全に没頭し、集中力が発揮できている状態」のことです。アメリカの心理学者である「ミハイ・チクセントミハイ」が提唱しました。

スポーツ界では「ゾーンに入る」と表現することも

心理学における「フロー状態」はスポーツに限らず芸術などあらゆる分野で起こりうる心理状態を指しますが、特にスポーツにおいては「ゾーン」や「ゾーンに入る」と表現されることがあります。

この「ゾーン(ゾーンに入る)」とは、通常ではありえない程の高いパフォーマンスができる究極の集中状態を指して用いられます。

「フロー図(フローチャート)」の書き方のポイント

上から下、左から右に流れるように配置する

「フロー図」は一般に、その流れを上から下、左から右に配置します。ひとつの「フロー」が複数ページにわたると流れや全容が見えにくくなるため、1ページに収まるように配置するのが通例です。

各記号の意味・用途を理解して使用する

「フロー図」は記号や矢印を使って表現しますが、この記号や矢印には意味と役割があります。たとえば開始と終了には角の取れた丸い四角形の「端子」と呼ばれる記号を使用するのが通例です。一般的な処理や作業には四角形の「処理」と呼ばれる記号を、判断が必要なもの・選択肢にはひし形の図形「条件分岐(判断)」を使用します。

なお、「フロー図」の記号はこの限りではありませんが、表記にずれがあると混乱を招くため注意が必要です。

まとめ

「フロー」とは英単語の「flow」に由来する語で、「流れ」という意味です。ビジネスシーンでは頻繁に耳にする語で、「キャッシュフロー」は経営の指標となるお金の流れを、「業務フロー」「ワークフロー」は仕事の流れを指します。

「業務フロー」をはじめとした作業工程などは、記号や矢印を使った「フロー図」「フローチャート」で図示することができます。一般に社内の慣習に従って作成することが多いですが、既存のものにあわせた記号・矢印を使った方が分かりやすいことも多いです。わかりやすさ、シンプルさに着目した作成もポイントになるでしょう。