「気宇壮大」とは「壮大」の意味に同じく、大きく立派な様を表す四字熟語のひとつです。この「気宇壮大」の詳しい意味とその由来について解説しましょう。
加えて「気宇壮大な計画」「気宇壮大な人」などの使い方、例文や似た意味を持つ四字熟語(類語表現)、英語訳についても触れています。
「気宇壮大」の意味とは
「気宇壮大」とは「度量の広いこと、発想が大きく立派な様」
「気宇壮大」とは「度量、心構えが広いこと」また「発想が大きく立派であること」という意味です。わかりやすく言うと、「心が広い様」と「考えのスケールが大きいこと」を表します。いずれも”大きく立派である”と評価するようなニュアンスが特徴的です。
「気宇」と「壮大」の意味に由来する四字熟語
「気宇壮大」という四字熟語は「気宇」と「壮大」という二つの熟語から成り立ちますが、その意味もこの二つの熟語の意味に由来します。
「気宇」は「心の持ち方、度量」という意味、「壮大」は「非常に大きく立派な様」という意味です。ここから「度量が広く立派である様」「発想が大きく立派な様」という「気宇壮大」の意味に繋がります。
「気宇壮大」の読み方は「きうそうだい」
「気宇壮大」は「きうそうだい」と読みます。「気宇」という熟語を「きう」と読むのがポイントで、「けう」などとは読まないと覚えておきましょう。
「気宇壮大」の使い方と例文
「気宇壮大な○○」とスケールの大きさを表す
「気宇壮大」は「気宇壮大な○○」の表現でよく用いられます。たとえば「気宇壮大な計画」のように、発想や考えが大きく立派であることを表す場合です。「気宇壮大な計画がスタートする」というと、何か大きな計画が動き始める様が伺えます。
- 気宇壮大な新事業のメンバーに選ばれた。
- 彼の気宇壮大なプロポーズは、見事成功に終わった。
「気宇壮大な人物」と人の性格に使う例
「気宇壮大」を度量の広さ・心の広さに対して使う場合、「気宇壮大な人物」「気宇壮大な人柄」などいった使用例が挙げられます。心が広く立派な人、度量が大きく寛容な人と褒めるニュアンスで用いられます。
- 気宇壮大な彼の呼びかけには、多くの人が集まった。
- 彼女の気宇壮大な人柄は、真似しようと思ってできるものではない。
悪いニュアンスで使うのは本来は誤り
「気宇壮大」は発想の大きさに言及する意味を持ちますが、ネガティブなニュアンスで使用するのは本来は誤りです。「気宇壮大」は「発想が大きく立派である」と褒めるニュアンスを含むため、「気宇壮大で呆れる」という使い方はできないのです。
ただし、実際には次のように「発想が大きすぎる」というニュアンスで使用される例も見受けられます。
- 気宇壮大な計画に思えるが、彼なら決して不可能ではないだろう。
- ビジネスでは時に気宇壮大な発想が、大きな利益をもたらすことがある。
「気宇壮大」の類語とは
似た四字熟語は「気宇雄大」「気宇雄豪」
「気宇壮大」と似た意味の四字熟語では「気宇雄大」や「気宇雄豪」が挙げられます。
「気宇雄大(きうゆうだい)」とは「心意気が広く、堂々としていて立派な様」という意味です。「雄大」が目に見えるものの規模の大きさや立派さを指すことが多いため、「気宇雄大」も目に見えるものに対して用いられることが多いかもしれません。
一方「気宇雄豪(きうゆうごう)」の「雄豪」は、「男らしく勇気がある様」という意味です。「気宇雄豪」の形で、「心構えや構想が雄々しく勇ましい様、強い様」というニュアンスになります。
「寛仁大度」「豪放磊落」という類語も
「気宇壮大」の持つ「度量が大きい」という意味を持つ四字熟語では「寛仁大度」や「豪放磊落」が挙げられます。
「寛仁大度(かんじんたいど)」とは「慈悲深く度量が大きいこと」という意味です。「寛仁」は寛大で慈悲深い様、「大度」は心が広く度量が大きい様を意味する熟語です。
一方、「豪放磊落(ごうほうらいらく)」には「気持ちが大きく豪快であること」という意味があります。「豪放」と「磊落」はどちらも「心が広く、小さい事にはこだわらない様」を表します。
両者はニュアンスが少し異なるものの、いずれも「度量が大きい様」を表すという点では「気宇壮大」の類語と言えるでしょう。
「気宇壮大」の英語訳とは
「気宇壮大」は英語では「grand」
「気宇壮大」のもつ「発想が大きい」という意味では「grand」を、「心が広い、寛大な」という意味では「magnanimous」を使った英語訳が可能です。また「広い心を持った」という意味では「big-hearted」や「broad-minded」といった英語訳もよく用いられます。
「気宇壮大」の英語例文
- He has a grand vision for his business.
彼は自分の仕事に気宇壮大なビジョンを持っている。 - She is broad-minded.
彼女は気宇壮大な人だ。
まとめ
「気宇壮大」とは、「度量、気構えが広いこと」や「発想が大きく立派である様」という意味を持つ四字熟語です。単に「広い・大きい」というだけでなく、「立派である」と褒めるニュアンスがあります。
本来は「彼の気宇壮大な考えにはあきれ果てた」というように、ネガティブなニュアンスで使うのは誤りです。また、「気宇壮大」は人柄を指して用いられることも多く、「気宇壮大な人」といった表現も可能です。