「オーバーワーク」の意味と使い方は?仕事・運動の例と診断基準

「最近オーバーワーク気味だ」とは仕事だけでなく、筋トレなど運動シーンでも用いられる表現です。この「オーバーワーク」とはどういった状況を表すのでしょう。「オーバーワーク」の意味と使い方をはじめ、その基準や「オーバーワーク症候群(オーバートレーニング症候群)」についても紹介します。

「オーバーワーク」の意味とは

「オーバーワーク」とは「過労、働きすぎ」

「オーバーワーク」とはわかりやすくいうと「過労、働きすぎ」な状態を意味します。たとえば、プライベートな時間が確保できない程の過度な残業が続く状態や休日も仕事漬けになっているような状態は「オーバーワーク」と呼べるでしょう。

一方、スポーツにおける「オーバーワーク」は「過度な運動量」を指します。適度な負荷をかけることは筋トレやスポーツでも良しとされることがありますが、度を超えた運動量は「オーバーワーク」と呼ばれます。

「オーバーワーク」は英語「overwork」に由来

「オーバーワーク」は英単語の「overwork」の読みをそのままカタカナにした語です。英語の「overwork」にも同様の意味があり、「過度に働かせる、(ある言葉などを)使いすぎる」という意味で用いられます。

英語では「He died from overwork.(彼は過労で亡くなった)」「overwork death(過労死)」などの使用例が挙げられます。

「オーバーワーク」の使い方と例文

ビジネスでは仕事量が多い様に使う

「オーバーワーク」は働きすぎな様や仕事量が多い様を指して使用します。残業時間が多い様など目に見えて働きすぎであることに加え、業務量が多く仕事が回らないなど多すぎる仕事量を指す場合もあります。

スポーツ、筋トレでは過度な運動量を指す

運動における「オーバーワーク」は過度な運動量を指します。わかりやすく言うと、走りすぎ・筋トレのしすぎ・負荷のかけすぎなどを指して「オーバーワーク」といいます。

「オーバーワーク」の例文

  • 最近オーバーワーク気味なのでそろそろリフレッシュしたい。
  • Aさんが抱える仕事が多すぎる、あれではオーバーワークだ。チーム内で業務量を調整しよう。
  • オーバーワークが原因で体を壊した。
  • ちょっとオーバーワークじゃないか?それでは体を痛めるよ?
  • 焦りからオーバーワークに陥るアスリートは少なくない。

「オーバーワーク」の診断基準は?

「オーバーワーク」に明確な基準はない

働きすぎを意味する「オーバーワーク」ですが、言葉の意味として明確な定義があるわけではありません。そのため「オーバーワーク」と「多忙・忙しい」には明確な線引きがあるわけでもないのです。

過労死ラインの残業時間がひとつの目安

「オーバーワーク」のひとつの目安とされるのが厚労省が定める「過労死ライン」と呼ばれる残業時間数です。月平均の残業時間で80時間が「過労死ライン」とされていて、これを超える残業時間は「オーバーワーク」と呼べるでしょう。なおこの80時間という基準を下げ、WHOが主張する65時間に合わせるべきだという意見もあり、80時間未満でも「オーバーワーク」の可能性は否定できません。

過度な残業は法律に触れる可能性も

日本では法定労働時間として、1日8時間かつ週40時間という労働時間の定めがあります。加えて、時間外労働時間の上限が月45時間(年360時間)と定められています。この残業時間は別途協定を結ぶことで拡大することもできますが、それでも月100時間未満(年720時間以内)が上限です。つまり「オーバーワーク」は単に”働きすぎ”であるだけでなく、法律に違反する可能性もあるのです。

職場の環境から「オーバーワーク」とならざるを得ない場合でも、法に触れる可能性を考慮すると改善したほうが望ましいということができます。

「オーバーワーク」がもたらす症状とは

慢性的な疲労感や不眠が代表的な症状、うつ症状も

「オーバーワーク」はプライベートに差し支えるというだけでなく、心身に様々な不調をきたすおそれがあります。よく言われるのが慢性的な疲労感や不眠の症状で、常に疲れているような気がする、疲れているはずなのに眠れないといった不調です。

ほかにも頭痛や腹痛、気分が落ち込むなどのうつ症状が出る例や過労が心疾患などにつながる恐れもあります。

スポーツでは「オーバートレーニング症候群」とも

スポーツによって蓄積した慢性的な疲労状態と「オーバーワーク」による成績やトレーニング効果の低下は「オーバートレーニング症候群」と呼ばれます。

そもそもスポーツでは適度な負荷をかけることで身体能力の向上を目指しますが、前提として十分な休息・十分な栄養がセットです。このいずれかが欠けてしまい、栄養や休息が不十分なまま「オーバーワーク」を続けているとトレーニングの効果も低下します。これが「オーバートレーニング症候群」です。

まとめ

「オーバーワーク」とは「働きすぎ、過労」という意味です。明確な基準があるわけではありませんが、一般には厚労省が定める過労死ラインとされる残業時間が「オーバーワーク」のひとつの目安とされることが多いです。また、残業時間数に限らず業務が集中する様を指して使用されることもあります。

仕事だけでなくスポーツや筋トレでも「オーバーワーク」という語は用いられます。この場合は「運動のしすぎ、負荷のかけすぎ」というニュアンスになり過度な運動量を指します。