「成り行き」の意味と使い方とは?例文と株の「成り行き注文」も

「成り行き上仕方ない」「成り行きにまかせる」などビジネスでは時に「成り行き」に左右されることがあります。ここでは「成り行き」の詳しい意味とその使い方を解説します。また「成り行き」の類語・言い換え表現や株取引用語としての「成り行き注文」についてもあわせて紹介しましょう。

「成り行き」の意味とは

「成り行き」とは「物事の変化していく様子」

「成り行き(なりゆき)」とは「物事が次第に変化していく様子、過程、その結果」という意味です。自然に推移していく様、自然に移り変わっていく様を指して「成り行き」と言います。

株取引「成り行き注文」の略語でもある

「成り行き」は、株の取引において「成り行き注文」を意味します。「成り行き注文」とは顧客が銘柄と数量のみを指定し、その時の相場で取引する売買注文のことです。「成り行き」にまかせた値段で取引されるため、「成り行き注文」だととらえるとわかりやすいでしょう。

「成り行き」の使い方と例文

「成り行きで○○する」「成り行き上」と使う

「成り行き」は「成り行きで○○する」の形でよく用いられます。「成り行きで○○する」は「その場の流れで○○する、自然の流れで○○する」というニュアンスです。

また「成り行き上仕方なかった」は、「自然の流れでどうしようもなかった、その場の雰囲気などから避けられなかった」という意味になります。

例文
  • 成り行きで、食事に行くことになった
  • 成り行きでリーダーになったので、特別優秀なわけではない

「成り行きにまかせる」とは自然な流れにゆだねること

「成り行きにまかせる」とは「物事を自然な流れにゆだねること」という意味です。積極的にかかわったり、変えようとしたりせずに自由にさせることを表します。似た表現では「成り行きまかせ」と名詞的に使う例もあります。

例文
  • 成り行きにまかせることも時には必要だ
  • 仕事は成り行きまかせではなく、積極性が肝心だ

「成り行き注文」や株での使い方とは

「成り行き注文」とは銘柄と数量を指定した売買注文

「成り行き注文」とは、株取引用語のひとつです。顧客が銘柄と数量のみを指定した売買注文で、値段はその時の相場で取引するように出します。

「値段は、成り行きにまかせた売買注文」ととらえるとわかりやすいでしょう。

「成り行き注文」とは異なる「指値注文」

「成り行き注文」に対し、希望の値段を指定した売買注文は「指値注文」と呼ばれます。そもそも「指値」とは「顧客が売買を委託する際に希望の値段を指定すること、その値段」です。

「成り行き注文」のタイミングやデメリット

「成り行き注文」は「指値注文」よりも優先されるため、取引が成立しやすいのがメリットです。

一方で、相場での取引となると予想以上に高値で買うことになったり、想定以上に安く売れてしまったりというデメリットがあります。特に、相場が大きく変動したタイミングではデメリットが出やすいため注意が必要です。

「成り行き」の類語とは

「成り行き」の類語は「顛末」「経緯」

「成り行き」の類語は、「顛末(てんまつ)」や「経緯(けいい)」が挙げられます。「顛末」とは「物事のはじめから終わりまでの事情、いきさつ」という意味です。たとえば「事の顛末を説明する」などと使用します。

「経緯」とは「物事の筋道、いきさつ」といった意味で、「経緯を説明する」のような表現でよく使われます。

「雲行き」「風向き」も似た意味の表現

「成り行き」と似た意味の語では、「雲行き(くもゆき)」「風向き(かざむき)」もあります。いずれも「成り行き」という意味を含む語です。

「雲行き」は形勢、「風向き」は状況や立場というニュアンスも含みます。「雲行きが怪しい」や「風向きが良くない」といった言いまわしでよく耳にする言葉です。

「成り行き」の英語訳とは

「成り行きにまかせる」の英語訳は「go with the flow」

「成り行きにまかせる」の英語訳では、「go with the flow」という表現が使用できます。直訳すると「流れにしたがう、流れとともに行く」という意味で、転じて「成り行きにまかせる」という和訳が可能です。

例文

I’m going with the flow.
成り行きにまかせてみるよ。

「along with the situation」という英語表現も

「成り行きにまかせる」という意味では「状況に合わせる」と英訳し、「go along with the situation」という言い回しを使うこともあります。

たとえば、「Let’s go along with the situation.」で「状況に合わせよう=成り行きにまかせよう」という和訳が可能です。

まとめ

「成り行き」とは「物事が次第に変化していく様子、その過程」という意味です。「成り行きにまかせる」や「成り行き上仕方ない」という表現でよく用いられます。また、銘柄と数量のみを指定し値段は相場にまかせる株の売買注文「成り行き注文」の略称として「成り行き」と使うこともあります。

「成り行き」の類語には「顛末」や「風向き」「雲行き」などが、英語訳する際は「flow(流れ)」を使って意訳することが可能です。