「こどもの日」はいつ・何をする?飾りや「端午の節句」との違いも

「こどもの日」は5月5日の祝日で「こどもたちの幸せを願う日」です。男の子の成長を祝う日としても知られています。また「端午の節句」とはどのように違うのでしょうか。

この記事では「こどもの日」の意味や歴史を解説するほか、こどもの日の行事食や飾りなども紹介します。

「こどもの日」の意味と歴史とは?

こどもの日とは「こどもたちとお母さんの日」

国民の祝日になっている「こどもの日」は、「こどもたちの幸せを願い、母親に感謝する日」です。法律では次のような趣旨だと説明しています。

「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」

出典:国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)

こどもの日と聞くと、男の子に関する祝日だと思いがちです。しかし、こどもの日には性別に関係なく、すべてのこどもたちが幸せになるようにと願われます。また、こどもを産んだ母親に感謝する日でもあります。

「こどもの日」は5月5日、国民の祝日として制定

「こどもの日」を5月5日、祝日にすることを定めた祝日法が1948年7月20日に公布されました。

5月5日は端午の節句で男の子の成長を祝う伝統があったことから、こどもの日も同じ5月5日にして、男の子だけでなくこども全員を祝う日にすることになりました。

こどもの日の候補日には3月3日や11月15日なども挙げられていたのですが、端午の節句はちまきや草餅を食べる習慣のある祝祭日で、季節は春から初夏にかけての方がいいなどの意見も出されて、端午の節句の5月5日に決まりました。

「こどもの日」と「端午の節句」は違うの?

「端午の節句」は男の子の成長を祝う日

「こどもの日」と「端午の節句」では、それぞれお祝いする目的が違います。「こどもの日」はこどもの成長を祝う日なのに対して、「端午の節句」は男の子の成長を祝う日です。

「端午の節句」とは「男の子の誕生と成長、そして無病息災を祝う日」で「男の子の日」と呼ばれることもあります。

「こどもの日」と「端午の節句」は混合されやすい

「こどもの日」と「端午の節句」は同じ5月5日です。「端午の節句」は、古来の中国で季節の変わり目で病気に蔓延しやすいため、病気を予防し邪気を払うための行事が行われる日でした。邪気を払うために菖蒲湯に入る習慣も、端午の節句にはありました。

この端午の節句の文化が日本に伝わってきた奈良時代には、宮中では「5日の節会」と呼ばれる厄除け祈願も行われていました。ところが、端午の節句が武家社会に継承されると、厄除けだけでなく、男の子を限定して厄除けや立身出世を願う日として祝われるようになり、「端午の節句」は「男の子の日」になったのです。

どちらも5月5日に行われるこどものお祝いですが、それぞれの意味を覚えて混同しないようにしましょう。

「こどもの日」は何をする?

こどもの日の飾り「五月人形」を飾る

「五月人形」とはこどもの日に飾られる装飾品の総称で、武者人形や鎧飾りなどいろいろなものがあります。武将の身につける武具を飾り、こどもの守ってほしいという願いが込められています。

「兜」は無病息災と健康を祈る飾り

こどもの日の飾りのひとつ「兜(かぶと)」には、「無病息災と健康を祈るお守り」という意味があります。こどもの日に兜を飾るようになったのは戦後だと言われていて、江戸時代の武士が厄払いのために兜やのぼりなどの門や塀に飾る習慣が由来です。

「鯉のぼり」を立てて立身出世の願う

「鯉のぼり」は魚の鯉の形をしたのぼりで、立身出世の願いが込められています。鯉のぼりは端午の節句の習慣で飾られるようになったため、男の子の出世や健康を祈る印象が強いでしょう。

鯉のぼりを立てる習慣は、武士が「菖蒲」とかけて武道を重んじる「尚武(しょうぶ)」にまつわるものです。これに、中国の故事に伝わる立身出世を意味する鯉が掛け合わさり、鯉のぼりが生まれました。

「菖蒲湯」に入って邪気を払う

こどもの日には、菖蒲湯(しょうぶゆ)に入り邪気を払う習慣があります。菖蒲の葉は香りが強いため、病気や邪気を払えると信じられているからです。菖蒲湯に入る習慣は端午の節句の習慣ですが、こどもの日の習慣としても根付いています。

「こどもの日」の食べ物・行事食とは?

「柏餅」で縁起を稼いで健康を願う

「柏餅」は柏の葉で包んだ餅菓子です。主に、東日本でこどもの日に食べられています。

柏は、春になり新芽が出てから古い葉が落ちるという特徴があります。そのため、柏の葉には子孫繁栄や健康長寿という意味が込められるようになりました。祝い事の際に食べられる餅を柏の葉に包むことで、縁起を担ぎながら健康を願う食べ物として、こどもの日に食べられています。

「ちまき」で邪気を払う

「ちまき」は笹や茅の葉に包まれたもち米を使った餅菓子で、こどもの日には主に西日本で食べられています。

こどもの日にちまきが食べられるようになったのは、中国に伝わる故事が由来です。5月5日に身投げをした詩人の屈原(くつげん)のために、お供え物として煉樹(れんじゅ)の葉で包んだもち米をお供えしたとされています。

屈原が忠誠心の高い人物だったことから、ちまきを食べて忠誠心の高い人物になり、またもち米を包んだ葉の香りによって邪気を払ってほしいという願いが込められています。

まとめ

「こどもの日」は、こどもたちの成長を祝い幸福を願う日であり、母親に感謝する日でもあります。端午の節句と同じ5月5日のため混合しやすいです。端午の節句は男の子の成長を祝う日に対して、こどもの日は性別関係なくこどもたちの日だと覚えておきましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。