ビジネスメールのやりとりでは「件名」を必ず記載するのがマナーですが、その「件名」はどう書くのが正しいのでしょう。ビジネスメールの「件名」の基本マナーをはじめ、相手の目に留まるような見せ方や【】の使い方を解説します。用途別や返信メールの件名の書き方についても紹介しています。
ビジネスメールの件名、基本マナー
ビジネスメールは件名で用件がわかるのが基本
ビジネスメールでは件名で何が書いてあるのかわかるように記載するのが基本です。「5月○日の会議詳細」「明日のA社訪問スケジュール」など、件名を見ただけで内容判別できるように書きます。
できる限り簡潔に、20文字以下がベター
件名を見て用件がわかるようにすることは大切ですが、長すぎる件名は煩わしく後回しにされがちです。
丁寧さを出すために「先日はありがとうございました」「〇〇に関するご回答です」などとです・ます調を使うこともありますが、長すぎるのはNGです。特にスマートフォンでメールを確認した場合、件名の最後が切れてしまう懸念があります。そのため、大体15〜20字程度が好ましいとされています。
期日・締め切りは件名にも明記
メールの本文に期日や締め切りが関係している場合は、件名にもその日時を記載します。締め切りが関係する内容であることが伝わると、相手にも早く開封してもらえます。
初めてのメールでは件名に名前を記載
初めてメールを送る相手には、件名に氏名や所属を記載するのが通例です。たとえば担当者変更の連絡では「担当者変更のお知らせ(株式会社〇〇 山田一郎)」などとします。
「はじめまして」と書く人もいますが、「はじめまして」という件名はシステム側がスパムメールと誤認する例があるため避けた方が無難です。
用件が複数の場合は件名にも併記
ビジネスメールでは、基本的にひとつのメールで複数の用件を記載することはしません。ただし、どうしても本文中に複数の用件を書く場合には、件名にも用件が複数あることがわかるように記載します。たとえば「5/13会議詳細/次回A社訪問の件」などとすると2つの用件があることが容易に判別できます。
ただし、囲み文字や略称、記号を使用するのは避けます。相手の環境によっては文字化けして読めない可能性があるからです。
ビジネスメール件名での【】の使い方とは
【】を使うと目に留まりやすい
メールの件名では()のほか【】を使った表記をしばしば見かけます。()よりも【】の方が目に留まりやすく、早く開封してもらうのに効果的です。
たとえば【お知らせ】【ご案内】と必ず確認してほしいという意味を込めて使う他、【要確認】【要返信】と相手にしてほしいアクションを示す意味、注意を促すニュアンスで使う例も多いです。
ビジネスメール件名の【】の付け方の例
- 【要返信】社内セミナーのご案内
- 【お知らせ】社内規定変更のご連絡
- 【ご挨拶】担当者変更のお知らせ
【緊急】【大至急】などの表記は慎重に
相手に急いで対応してほしい事柄、急いで確認してほしい内容のメールに【緊急】【大至急】と使う例もありますが、ビジネスシーンにおける「緊急」や「大至急」は本当に差し迫った内容以外では使用しないのがマナーです。特にメールはある程度のタイムラグが生じることを考慮して使うべきツールです。行き過ぎた表現とならないよう、十分に注意して使用しましょう。
ビジネスメールで使える表現・件名一覧
質問がある場合は「お伺い」「お問合せ」
質問に関するメールは「お伺い」「お問合せ」といったワードを使います。仮に返信してほしい場合でも取引先に対しては「〇〇についてのお伺い」「〇〇のお問合せ」といった表現を使うことが多いです。
- 【お伺い】6月1日のセミナー会場につきまして
- 〇〇に関するお問合せ(6/1までにご返信ください)
依頼については「お願い」「ご相談」
相手に〜してほしいと依頼するメールでは「〇〇のお願い」「〇〇のご相談」などのフレーズが使えます。打ち合わせの日程調整などでも使える表現です。
- お見積もりについて確認のお願い(株式会社〇〇)
- 日程調整のご相談(6月営業会議)
また、丁寧な言い回しにしたい場合は、「見積書の送付をお願いします」と一文で使用する例もあります。
「〇〇のお礼」と感謝を伝える例
感謝を伝えるメールでは件名に「セミナーへのご協力のお礼」のように書くとわかりやすいです。ちょっとしたことであれば「先日はありがとうございました」という件名を使うことも多いです。
採用活動へのご協力のお礼(人事 田中)
「送付」に関するメール件名の例
ビジネスシーンでは書類のやり取りをメールで行うことも少なくありません。その際は「資料送付のご連絡」と簡潔に記載するほか、「お見積書類送付のご連絡」と書類の内容をわかるように記載することもあります。
- 【資料のご送付】〇〇のお見積書につきまして
- 見積書送付のご案内【株式会社〇〇】
ビジネスメールの返信での件名マナー
件名の「RE」は失礼ではない
ビジネスメールでは相手のメールに返信する際、基本的に件名は変更しません。件名を変更しない方が、どの案件かわかりやすいためです。返信すると件名の頭に「RE」や「Re:」がつきますが、これは特段失礼にはあたりません。
ただし、「RE(Re:)」は1つまでとし、やりとりが続く場合には適宜調整します。件名に「RE」が連なることで末尾が切れてしまい、最初の件名が表示されなくなることがないよう配慮が必要です。
用件が変わったタイミングで件名も変える
メールのやり取りを続ける中で、話題が変わることがあります。その場合は、用件が変わったタイミングで件名も変更するのがベターです。内容に応じて変更することで、後から見返した際にお互いが何のやりとりだったのかを判別しやすくなるのがメリットです。
ビジネスメールの件名に使えるビジネス英語
英語でも簡潔に書くのが基本
メールの件名は英語でも簡潔に記載するのが基本です。メールの件名では「Inquiry(問い合わせ)」「Request for ~(〜の依頼)」「Notice/Notification(お知らせ)」などのワードをよく使用します。ただし、単語一語で件名を済ませるのはマナー違反です。失礼な印象を持たれやすいので避けましょう。
ビジネスメール件名の英訳例
- Inquiry regarding Your Services(サービスに関する問い合わせ)
- Thank you for 〇〇(〇〇へのお礼)
- Request for the catalogue 2022(カタログ送付のお願い)
- Notification of the Meeting(会議のお知らせ)
まとめ
ビジネスメールでは必ず「件名」を書いたうえで送信しますが、「件名」だけを見て内容が判別できるようにすることで相手に早くメールを開封してもらえるようになります。ただしダラダラと長く記載するのではなく、簡潔に15~20字程度にまとめます。【要確認】【要返信】など【】を使って相手にとってほしいアクションを明確にすることも有効です。ただし、「緊急」「重要」などの表現はよほどのことがない限り使用しません。