暑い時期になると「暑中見舞い」のやりとりが始まります。この「暑中見舞い」はいつ送るのが正しいのでしょう。「暑中見舞い」の時期について、暦とともに解説します。また「暑中見舞い」の時期を過ぎた場合の対応や仕事やプライベートで使える「暑中見舞い」の例文についても紹介します。
「暑中見舞い」の時期は
「暑中見舞い」は夏の土用の期間、立秋前日まで
「暑中見舞い」は夏の土用の期間に送る、夏のあいさつ状です。暦の上で秋が始まる「立秋」の前日までに送るもので、その直前である夏の土用の期間(7月19~20日頃から8月6~7日頃)が「暑中見舞い」の時期となります。中でも梅雨明け以降、本格的な夏を感じる時期から送られることが多いです。
一方で、「暑中見舞い」の時期については二十四節気の「小暑(7月7日頃)」から「立秋」の前日までとされることもありますが、この場合でもやはり梅雨明け後に送ることが多く、実際には上記の夏の土用の期間と大差ありません。
なお、小暑や立秋、夏の土用は毎年数日前後します。そのためその年によって「暑中見舞い」の時期も変わってきます。
2022年の「暑中見舞い」は7/20〜8/6までに
2022年の暦で見ると、小暑が7月7日、立秋が8月7日です。夏の土用が7月20日から8月6日となっており、2022年の「暑中見舞い」の時期も7月20日頃から8月6日となります。
実際には梅雨明けを待って送付してもよいですが、「立秋前日」までが「暑中見舞い」の時期ですので遅くなり過ぎないよう気をつけましょう。
「暑中見舞い」の時期に込められた意味とは
「暑中見舞い」は健康を気遣う思いを届けるもの
「暑中見舞い」は夏のあいさつ状として知られていますが、もう少し詳しくいうと、暑い夏の時期に会えない人の健康を気遣って届けるものです。「暑いですが体調は崩していませんか?」「暑いので体に気をつけてください」というメッセージに加え、「こちらもなんとかやっています」と近況報告を交わす意味もあります。
「暑中見舞い」は元々書状だけでなく贈り物も
「暑中見舞い」の起源は、お盆に里帰りができない場合に届ける贈り物や書状と言われていて、江戸時代までその歴史は遡るようです。明治に入り、郵便制度の発達とともに書状による挨拶が主流となったとされています。
現代でも「暑中見舞い」として涼がとれるような贈り物をすることもありますが、贈り物は「お中元」としてやり取りされることが多いです。「お中元」の時期には地域差がありますが、全国的に7月中旬までに送られることが多い点を考慮すると、「暑中見舞い」の方が少し時期が後になります。そのため「お中元」を渡しそびれた人に「暑中御伺」として贈り物をする例もあるようです。
「暑中見舞い」の時期を過ぎたら?
立秋を過ぎたら「残暑見舞い」
「暑中見舞い」の時期は先述のように梅雨明けから立秋の前日までです。立秋を過ぎてしまった場合は「残暑見舞い」として送るのが正しいです。
「残暑見舞い」は一般に「処暑の候(9月7日頃)」までに届くように送るのがマナーとされていますが、8月いっぱいに済ませることが多いです。
本当に暑さが厳しいのは「残暑見舞い」
「残暑見舞い」は8月の夏真っただ中に送るため、「暑中見舞い」よりも「残暑見舞い」の方が暑いイメージです。「暑中見舞い」も夏のあいさつ状ではありますが、夏本番のうだるような暑さの時期に送るものではありません。8月初旬に「立秋」を迎えることを考えると、8月に入ってから手配する場合は「残暑見舞い」とするのが無難です。
「暑中見舞い」のフォーマット・文例
郵便局の「暑中見舞い」用くじ付きハガキは廃止に
以前は郵便局から「暑中見舞い」専用のくじ付きハガキが発売されていましたが、2021年度をもって廃止されています。しかし、例年涼し気なイラストをあしらった一筆箋やグリーティングカードは多数販売されていて、そうした季節を感じさせるフォーマットを使うことが多いです。
「暑中お見舞い申し上げます」ではじめる
「暑中見舞い」は「暑中お見舞い申し上げます」という一文で書き始めます。「拝啓」などの頭語は使用しないのが通例です。「敬具」などといった結び語も使用せず、「盛夏」や「文月」「葉月」といった語で締めくくることもあります。
また、「暑中お見舞い申し上げます」を少し大きめに書くとバランスが良くなります。
「暑中見舞い」では健康を気遣う言葉がメイン
「暑中お見舞い申し上げます」に続いて「いかがお過ごしでしょうか?」と相手を気遣い、自分の近況に触れます。そして「くれぐれもご自愛ください」と相手を気遣う一文で締めくくるのが一般的です。年賀状のようにコンパクトにまとめるのがポイントです。また、企業としての「暑中見舞い」では夏季休業日程を含めることもあります。
「暑中見舞い」の文例1:親しい人に送る文例
暑中お見舞い申し上げます。
厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
おかげさまでこちらは元気に過ごしています。
長らくご無沙汰しておりますが、暑気払いにでもご一緒させていただければ幸いです。
酷暑の折、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
令和4年 盛夏
「暑中見舞い」の文例2:夏季休業日程を含む例
暑中お見舞い申し上げます。
盛夏の候 益々ご健勝のことと存じます。
平素はひとからならぬお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
誠に勝手ながら弊社は先期間を夏季休業とさせていただきます。
何卒ご了承のほどお願い申し上げます。
夏季休業:8月10日〜8月16日
時節柄、皆様のご自愛を心よりお祈り申し上げます。
令和4年 盛夏
まとめ
「暑中見舞い」の時期は一般に夏の土用の期間とされていて、立秋の前日までに相手に届くように送ります。夏の土用や立秋は暦によって毎年前後しますが、2022年は7/20~8/6までとなります。実際には、梅雨明け以降本格的に暑さが厳しくなる頃にやり取りされることが多く、梅雨が明ける頃の7月下旬から8月頭に手配すると覚えておくとわかりやすいでしょう。
なお、立秋以降は「残暑見舞い」になります。8月と言えばまだまだ夏真っ盛りですが、暦の上では秋になるため「暑中見舞い」の時期からは外れます。