「初七日」の数え方とは?法要と初七日までしてはいけないことも

通夜、葬儀を終えると「初七日」の法要を迎えます。この「初七日」はどこから”7日”数えれば良いのでしょう。本記事では「初七日」のもつ意味・読み方をはじめ、「初七日」の数え方についても解説します。また、「初七日法要」の内容、「初七日」までしてはいけないことなど過ごし方についても見ていきましょう。

「初七日」とは

「初七日」とは「三途の川のほとりに到着する日」

「初七日」は亡くなった人が三途の川のほとりに到着する日とされる日です。三途の川には流れの激しい場所、急な場所、緩やかな場所があり、生前の行いによって三途の川をどう渡るかが決定します。

これから三途の川を渡る故人がきちんとあの世へいけるようにと祈るのが「初七日」の法要です。

「初七日」の読み方は本来「しょなぬか」が正しい

「初七日」は「しょなぬか」と読みます。古くは「七日」を「なぬか」と読んだことに由来する読み方です。ただし、現代では「七日」は「なのか」と読むように、時代と共に読み方も変化し「しょなのか」と呼んでも誤りではないとされています。

仏教でも宗派で「初七日」のとらえ方は異なる

「初七日」は仏教における「追善法要」のひとつですが、仏教でも宗派によって多少考え方が異なります。特に浄土真宗では亡くなってすぐ極楽浄土に辿り着くとされるため、「初七日」の法要に先述のような宗教的な意味はありません。そのため遺族が故人を偲ぶ意味合いで行われることが多いです。

「初七日」の数え方・計算方法

「初七日」は亡くなった日も含めて7日目

「初七日」は亡くなった日(命日)を含めて、7日目に行います。たとえば、5月10日に亡くなった場合の「初七日」は5月16日になります。

地域によっては命日の前日から数えた7日目とする例もあるようですが、一般には亡くなった日を含めて7日目として問題ありません。

近年では「初七日」を繰り上げる例も

一般に、亡くなった日の翌日(あるいは翌々日)に通夜を、通夜の翌日に葬儀・告別式を執り行いますが、早ければそこから3〜4日後には「初七日」がやってきます。火葬場の予約の関係で葬儀が後ろにずれると「初七日」までの日数はより短く感じるでしょう。

こうした日数の関係や「初七日」を日程通りに行うことが難しい場合には、「初七日」を繰り上げ、火葬後に「初七日法要」を行う例(繰上げ法要)や「初七日法要」を行なってから出棺と火葬を行う例(繰り込み法要)もあります。葬儀・告別式と同日に行うことで、参列者の負担を軽くできるのも利点です。

「初七日法要」は何をする?

「初七日法要」は読経と焼香、会食が一般的

「初七日法要」は僧侶が遺骨に向かい読経し、遺族・参列者が焼香を行います。その後、僧侶の説話を聞き、会食するというのが一般的な流れです。

元々は膳を用意し宴席とすることが多かったですが、時間などの都合でお弁当で済ませることもあります。

「初七日法要」は小規模で自宅にて行う例も

「初七日法要」は遺族や親族といった身内で小規模に執り行われます。身内だけで行う場合は、葬儀の際に口頭で連絡を済ませることも多く、また人数によっては自宅でしめやかに営まれることも珍しくありません。

「初七日法要」の服装は簡易喪服でOK

「初七日法要」は葬儀と同日に行われる場合はもちろん喪服ですが、別日の場合は簡易喪服でも良いとされています。男性であれば黒無地のスーツにネクタイ、女性も暗い色のスーツやワンピースといった服装でも問題ではありません。

香典を持参、お供えはなくても可

「初七日法要」には香典を持参します。お供えものを持参する人もいますが、これは必須ではないため、香典のみでも失礼ではありません。

「初七日法要」が葬儀と同日に行われる場合、葬儀の香典とかねるのが通例です。金額を上乗せしたり、もうひとつ香典を用意したりすることはありません。

お寺へのお布施は3万円程度が多い

香典は分けて用意することはありませんが、お布施は葬儀と「初七日法要」と分けて考えるのが一般的です。葬儀と同日に繰り上げて「初七日法要」を行なう場合でも、「初七日法要」のお布施として3万円程度用意することが多いです。

ペットの「初七日法要」とは

犬や猫などの動物も大事な家族の一員、というのはペットを飼う家庭に共通する想いですが、ペットの「初七日法要」も人のそれと同様に読経を依頼し、亡きペットを家族で偲びます。誰を呼ぶべき、などといった細かい決まりもないので、家族が思うままに執り行って良いでしょう。

「初七日」までの過ごし方

「初七日」までにしてはいけないこと

「初七日」を含む四十九日までは忌中(きちゅう)と呼ばれ、この期間は派手なことや祝い事などの慶事、神社への参拝は避けるべきとされています。

特に神社への参拝は神道の忌中とされる50日間は避けます(ただし初詣として寺院への参拝は可能)。故人と過ごした家からの引っ越しも避けた方が良いとされることのひとつで、これは四十九日までは故人が自宅にいるという考えに基づくものです。

このほか正月のお祝いや結婚式への出席、旅行などといったレジャーも四十九日までは控えるのが通例です。

お中元やお歳暮は問題ない

お中元やお歳暮といった贈り物に関しては、「初七日」を迎える前でも問題ありません。これらに宗教的な意味はないこと、また日頃の感謝の気持ちを込めて行う風習であることが理由です。

ただし、贈り物を受け取る側が気を遣う例もあります。可能であれば少し時期をずらしてみるのもいいかもしれません。

故人が生前楽しみにしていた事柄は行うことも

「初七日」を含む四十九日までは祝い事は避けるのが通例ですが、一方で故人が生前楽しみにしていた行事は行うことも少なくありません。たとえば故人が孫の結婚式を楽しみにしていた、という理由で予定通り式を執り行うこともあります。

周囲の理解が前提となるため、家族とよく話し合った上で決めてみてください。

まとめ

「初七日」は亡くなった日を含めて7日目を意味し、「初七日法要」として追善法要を行います。「初七日」は故人が三途の川のほとりにたどり着く日で、きちんとあの世へ行けるように祈るという意味を込めて読経をします。

近年、参列者の負担や日程の都合から「初七日法要」を繰り上げて行う例も多いようです。日程については遺族・親族と僧侶とよく相談して執り行うのが良いでしょう。