「安産祈願は戌の日にするもの」と言われていますが、戌の日はいつで、なぜ戌の日に安産祈願をするのでしょうか。また、お参りだけではいけないのでしょうか。
この記事では、安産祈願の意味や安産祈願をする時期のほかに、祈祷を受けるときの服装や初穂料などのマナーを解説。安産祈願で有名な神社も紹介します。
安産祈願にはいつするの?
安産祈願は「戌の日」に行う
安産祈願は、妊娠が安定期に入った妊娠5カ月目の戌(いぬ)の日に行われるのが伝統的です。「戌の日」とは十二支の戌にあたる日のことで、犬がおさんが軽いことから戌の日は安産祈願に縁起がいいと言われています。
戌の日は12日に1度の周期であるので、毎月2回から3回あります。その年、その月によって違う日にちになりますので、該当年の暦で戌の日を確認しましょう。
「安産祈願」とは「子どもが無事に生まれてくることを願うこと」
「安産祈願」とは「子どもが無事に生まれてくることを願うこと」という意味で、古くから安産を願う儀式として「帯祝い」が神社で行われます。
「帯祝い」では、妊婦は岩田帯と呼ばれる腹帯(はらおび)を巻いて行うことが一般的ですが、神社によってその祝い方は違います。神功皇后が懐妊された時のエピソードにちなんで行われるようになった「帯祝い」は、皇室でも同様の儀式として「着帯の儀」が行われています。
安産祈願は事前予約ができれば安心
安産祈願は予約ができる神社なら、事前予約するのがいいでしょう。予約なしで祈祷をする神社も多いのですが、人気のある神社だと待ち時間が1時間以上になることもあるからです。
また、腹帯を持参するかも神社によって違いますので、安産祈願には予約の有無や腹帯の持参についても、事前に問い合わせておくといいでしょう。
安産祈願を戌の日にしなくてもいい
安産祈願を戌の日にするようになったのはゲン担ぎですから、安産祈願を戌の日以外に行ってもかまいません。妊婦さんの体調がよくないときや都合がつかないときは、妊娠5カ月目の戌の日を目安に安産祈願を行います。
安産祈願はお参りだけでもいい
また、安産祈願は祈祷をせずに神社にお参りするだけでも安産祈願になります。お参りだけなら、ぜひ安産祈願のお守りを授与(購入)して、赤ちゃんが無事に生まれてくることを祈りましょう。
安産祈願に行く時の服装・初穂料・誰と行く?
服装はお腹を締め付けないキレイめな服装で
安産祈願は神社で行われるので、フォーマルファッションが理想です。しかし妊婦さんはお腹を締め付けてはいけませんので、お腹周りが楽なキレイめのワンピースやマタニティフォーマルがおすすめです。
カジュアルなデザインの洋服を避けて、足元はストッキングか靴下を履きます。
男性はスーツを、一緒に行くお子さんもよそ行きの洋服を選びましょう。
初穂料はのし袋に包んで
「初穂料」とは安産祈願をしてくださる神社へのお礼として捧げるお金です。相場は5千円~1万円ですが、実際の金額は神社によって違うので、事前に神社に確認しておきます。
また初穂料はのし袋に包んで受付で渡します。安産祈願に使えるのし袋は、紅白の水引をしたのし袋で、表書きに「初穂料」と筆ペンで書きます。
誰と行くかは家族次第
安産祈願に誰と行ってもかまいません。夫婦水入らずで行ってもいいですし、ご両親と一緒でもいいでしょう。
お子さんと一緒でもいいですが、お子さんにとって安産祈願に参列するのが大変だと思われたら、お子さんは親御さんなどに預けてご夫婦だけで安産祈願に参列します。
安産祈願に誰と行くのかは家族次第ですので、家族で話し合って決めましょう。
安産祈願で有名な神社とは?
東京で有名な安産祈願の神社は「水天宮」
「水天宮」は安産祈願と子授けの神社で、天御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)をはじめとする御祭神が祀られています。
「水天宮」では安産祈祷を行っていて、安産祈願のために用いられる帯「御子守帯」は、戌の日の早暁に宮司によって祈祷された帯になります。
水天宮は福岡県久留米市にある「水天宮」が総本営で、神奈川県横浜市には「水天宮平沼神社」が、大阪には「水天宮金刀比羅宮」など、全国各地にあります。お住いの近くにも水天宮があるかもしれませんので、安産祈願の際に探してみるといいでしょう。
- 代々木八幡宮:個別で安産祈願を行う神社。子育てや家内安全でもご利益があると言われる
- 日枝神社:徳川家が代々安産祈願を行った神社として有名
- 鬼子母神:安産祈願と子育てにもご利益があると言われる神社
- 亀戸天神社:学問の神様としてだけでなく安産祈願の神社としても有名
大阪なら「住吉大社」が人気
「住吉大社」は神功皇后(じんぐうこうごう)を奉っていることから安産祈願の神社として有名です。神功皇后は妊娠していながら朝鮮半島に出陣して帰国後応神天皇を無事に出産したというエピソードのある皇后です。
安産祈願を行っていて、授与品には腹帯や子まもりなどが贈呈されます。
- 常光円満寺:個別に安産祈願をしてくれて、大力投や遠隔祈祷もできる神社
- 坐摩(いかすり)神社:明治天皇のご生誕のためにご祈願された神社
- 宝珠院:ご本尊が安産子安観音と呼ばれるほどに安産祈願で有名な神社
安産祈願のお守りの持ち方と産後はどうする?
安産祈願のお守りをプレンゼントであげるのは妊娠の報告後
おめでたの報告を受けた友人にプレゼントとして安産祈願のお守りを贈ることはおすすめです。しかし、妊娠初期の妊婦さんはメンタル面で不安定なことも多いので、安産祈願のお守りをあげるなら、妊婦さんが落ち着くまで待ってあげたほうがいいでしょう。
安産祈願のお守りの持ち方にルールなし
安産祈願のお守りの持ち方に決まりはありません。普段から身に着けてもいいですし、身近なところに置いてもいいでしょう。また腹帯に入れて肌身離さず持つこともできます。
安産祈願のお守りは産後に神社に返納
無事に出産し終わったら、安産祈願のお守りは神社に返納しましょう。お守りを購入された神社に返納するのが正しい返納の仕方です。しかし、神社が遠方にあるなど神社に出向けないときには、お近くの神社に返納できるか聞いてから返納します。
まとめ
「安産祈願」とは「赤ちゃんが無事に生まれてくることを祈ること」という意味で、日本では古くから安産祈願の儀式が行われています。安産祈願は神社で、妊娠5カ月目の戌の日に行うのは縁起がいいと言われていますが、戌の日以外でも安産祈願は行えます。