ビジネスメールの書き出しは?挨拶・初めてなどシーン別例文解説

ビジネスにおいて切り離せないメールのやり取りですが、失礼のないようにはまず書き出しが大切です。相手の名前の書き方や挨拶のことば、自分の名乗り方など、ビジネスメールの書き出しの基本的なマナーについて解説します。社内・社外はもちろん、初めてのやりとりや返信文例にも触れています。

「ビジネスメール」の書き出しの基本マナー

誰に当てたメールなのか宛名を書く

ビジネスメールでは誰に宛てたメールなのかがわかるよう、まず宛名を記載します。会社名、部署名、役職、名前の順に記載し、敬称の「様」をつけるのが一般的です。社内の人に送る場合には社名を省略します。

例文
  • (社外)
    株式会社〇〇 営業部 山田様
  • (社内)
    営業部 山田部長

拝啓や敬具は省略、シーンにあった挨拶語で始める

文書や手紙のやり取りでは「拝啓」ではじめ「敬具」で締めくくりますが、メールのやりとりではそれらは使用しません。口頭で使用する「お疲れ様です」や「お世話になっております」をメールでも挨拶として使用するのが通例です。

挨拶の後は必ず自分も名乗る

挨拶フレーズの後には、自分の氏名を記載します。これまでにやりとりをしている相手であっても、メールのやり取りでは必ず名乗るのがマナーです。ただし、相手からの返信に対するメールなど、やりとりが続く場合は自分の名前は省略することもあります。

お願いなどの用件は挨拶の後すぐに書き出すのが通例

名前を名乗ったらすぐに用件を書き出しましょう。冒頭で何に関するメールなのかを明記することで相手もアクションが取りやすくなります。

例文
  • 来週の打ち合わせの件でメールさせていただきました。
  • 見積書についてご確認をお願いしたく、ご連絡いたしました。

「ビジネスメール」の書き出し例:社内の場合

「お疲れ様です」と書き出すのが通例

社内メールは、宛名を書いた後「お疲れ様です」と書き出します。目上の場合は「お疲れ様でございます」とする例もありますが社内の慣習に合っていれば「お疲れ様です」でも失礼ではありません。

「おはようございます」と挨拶する例も

朝一番のメールの場合は「お疲れ様です」ではなく「おはようございます」を使う例もあります。他にも「お忙しいところ失礼致します」というフレーズを挨拶に換えることもあります。

社内メールの書き出し例・例文

例文
  • 各位

おはようございます。経理部田中です。
本日は五月度経費精算の締め日となっております。みなさまお忘れのないようお願いいたします。

  • 営業部 山田様

お疲れ様です。経理部田中です。
A社様請求書について確認したくメールさせていただきました。
(以下用件)

「ビジネスメール」の書き出し例:取引先の場合

「いつもお世話になっております」が一般的な挨拶

取引先に向けたメールでは、宛名に続いて「いつもお世話になっております」と書き出すのが通例です。もう少し丁寧な言い回しにしたい場合は「平素より大変お世話になっております」という表現を使用します。

日頃の感謝を書き出しに添えることも多い

「いつもお世話になっております」の後には用件を書き出してもよいですが、日頃の感謝の言葉を加える例もあります。たとえば「平素は格別のご高配を賜り心より感謝申し上げます」が良い例です。また、「先日はお忙しいところありがとうございました」などのフレーズを添えることもあります。

取引先メールの書き出し例・例文

例文

株式会社〇〇 営業部 山田様

平素より大変お世話になっております。
株式会社△△ 田中でございます。
先日はお忙しい中お時間をいただきましてありがとうございました。
(以下用件)

「ビジネスメール」の書き出し例:その他シーン別文例

初めてのメールは「お世話になっております」はNG

初めてメールを送る場合は「お世話になっております」という挨拶語は使用しません。初めてであることを認識してもらえるよう、「はじめてご連絡差し上げます」「突然のご連絡失礼いたします」などのフレーズを使用します。

例文

突然のご連絡失礼いたします。株式会社〇〇営業部田中と申します。
本日は△△様からご紹介いただきご連絡させていただきました。
(以下用件)

久しぶりの場合は「ご無沙汰しております」

前回からしばらく日が空いた場合には「ご無沙汰しております」という挨拶を添えます。「お久しぶりです」とするよりも丁寧な印象になります。

例文
  • 長らくご無沙汰しております。株式会社〇〇田中でございます。
    その後いかがお過ごしでしょうか。
  • ご無沙汰しております。株式会社〇〇田中でございます。久々の連絡となりまして申し訳ございません。

同日に何度もやり取りする場合の書き出し例

朝メールのやり取りをしたのに午後にも別件でメールすることになった場合、あるいは相手の返事を待たずに質問したい場合など、同日に何度もやり取りをする際には「度々失礼いたします」「何度も申し訳ございません」などのフレーズを加えると丁寧です。

例文
  • 度々失礼いたします。
    先ほどのメールに追加でご連絡です。
  • お忙しいところ何度も申し訳ございません。株式会社〇〇田中です。
    先ほどのメールに不備がございましたので、訂正のためご連絡いたしました。

相手の返信メールにさらに返信する場合の例

相手から返信してもらった場合は、相手の対応へのお礼の言葉で書き出します。「ご連絡いただきありがとうございます」「早速のご対応誠にありがとうございます」などといったフレーズがよく用いられます。

この場合、やり取りのスピードなどにもよりますが自分の名前は名乗らずに「迅速なご返信ありがとうございます。ではこのまま対応を進めさせていただきます」のように用件に入る例も多いです。

「ビジネスメール」の書き出し例:英語の場合

英語でも書き出しルールは同じ

英語でもビジネスメールの書き出しの基本的な流れは同じです。一般に、宛名は「Dear Mr.~」「Dear Ms.〜」といった表現がフォーマルな印象で、ビジネスシーンでも取引の程度によっては「Hi」や「Hello」で始めることもあります。

英文メールでも用件をはじめに述べる

英文のメールでも用件をはじめに述べるのが通例で、たとえば「I am writing this e-mail about〜」で「〜についてご連絡します」という意味になります。何か質問したい場合は「I have some questions about your service.(サービスについて質問です)」などのフレーズを使用して、まず簡潔に相手に用件を伝えましょう。

まとめ

ビジネスメールの書き出しは、宛名・挨拶フレーズ・自分の名前・用件の概要というのが一般的な流れです。ビジネスメールでの挨拶では社外は「お世話になっております」、社内は「お疲れ様です」を使用するのが通例で、「拝啓」などの語は使用しません。また、詳しい用件を述べる前に、何について連絡したのかがわかるように、簡潔に一文で用件を記すのもメール書き出しマナーです。