「たどたどしい話し方」と聞くと、どのような話し方・口調をイメージしますか?スムーズで洗練された様とは異なる意味を持つ「たどたどしい」について、意味と使い方を例文と共に解説します。またビジネスで使える「たどたどしい」類語や言い換え表現、英訳例についても触れています。
「たどたどしい」の意味とは
「たどたどしい」の意味は「未熟で危なっかしい」
「たどたどしい」とは「未熟であったり不十分であったりして危なっかしい様、おぼつかない様」という意味です。不慣れで言葉や動作がスムーズに運ばない様、危なっかしく不安定である様を指して「たどたどしい」といいます。
「たどたどしい」は漢字で「辿辿しい」
「たどたどしい」は漢字では「辿辿しい」あるいは「辿々しい」と書きます。「辿」という漢字には「たどる、探しながらいく、ゆっくり歩く」などの意味があり、その漢字を2つ重ねて使うことからスムーズではなく危なっかしい様という意味につながっています。
「たどたどしい」の使い方と例文
「たどたどしい話し方」「たどたどしい喋り方」
「たどたどしい」はよく、話し方を指して使用されます。「たどたどし話し方」や「たどたどしい喋り方」とは、時折つかえながら話す様や自信がなさそうに話す様子、頼りなさを感じるような喋り方を表します。
- 彼は確かにたどたどしい話し方をするが、フレッシュな感じがして悪くはない。
- 彼女はたどたどしい喋り方で、一生懸命打ち解けようとした。
「たどたどしい口調」も時折つかえる話し方に使う
「たどたどしい話し方」と似た表現では「たどたどしい口調」があります。「口調」とは言葉の調子、文句の言い回しという意味です。「スムーズではなく時折つかえるような口ぶり、自信のなさそうな話し方」ということを表すことができるでしょう。
- たどたどしい口調で話す幼児につい目が細くなる。
- たどたどしい口調では商品に対する信頼感が持てない。営業は自信をもって話したほうがいい。
「たどたどしい文章」は端的にいうと「へたな文章」
「たどたどしい文章」とは時折間違いが見られるような文章、拙い文章を指します。端的にいうと「へたな文章」ともいうことができますが、「たどたどしい」を使うと未熟な様や不慣れな様が垣間見える表現となります。
たどたどしい文章だったが、彼の気持ちは十分に伝わった。
「会話がたどたどしい」は会話がスムーズに運ばない様
「会話がたどたどしい」とは会話がスムーズに進まない様を表します。話の流れが止まったり、行ったり来たりするような様が良い例です。
私も新人の頃は営業に出ても会話がたどたどしく、世間話すらうまくできなかった。
「たどたどしい態度」とは言わない
「たどたどしい」は動作の進み具合や物事の流れが途切れたり、間違えたりしながら進む様に使う表現です。そのため、「たどたどしい態度」のように態度や表情、性格を指した使い方は一般的ではありません。
「たどたどしい」の類語・言い換え
「たどたどしい」の類語は「ぎこちない」
「たどたどしい」と似た意味の語では「ぎこちない」が挙げられます。「ぎこちない」とは動作などがなめらかではない、という意味です。「たどたどしい態度」とは言いませんが、「ぎこちない態度」という言い回しは可能です。
また、似た表現では「おぼつかない」も挙げられます。「おぼつかない」とは「しっかりせず頼りない、心もとない」という意味です。たとえば「たどたどしい手つき」は「おぼつかない手つき」としても似たニュアンスになります。
「拙い(つたない)」に言い換えも可能
「拙い(つたない)」とは能力が劣っていること、という意味です。たとえば「たどたどしい文章」は「拙い文章」と言い換えることができます。ただし、「滞りがちである」というようなニュアンスはないため文脈によっては言い換えに使用できません。
「たどたどしい」の英語訳
「たどたどしい」は英語で「faltering」
「たどたどしい」の英語訳では「faltering」が使用できます。「faltering」の元の動詞「falter」は、「つまずく、よろめく」という意味です。
たとえば「She said, faltering, that~」は、「彼女は〜とたどたどしく言った」という意味になります。また「falter out」の形で「たどたどしい口調でいう」という意味でも使用可能です。
「たどたどしい」の英語例文
- She repeated her faltering English.
彼女はたどたどしい英語で繰り返した - I could understand the boy’s faltering speech.
私は彼のたどたどしいスピーチでも理解できた
まとめ
「たどたどしい」とは、未熟であったり不十分であったりして危なっかしい様、おぼつかない様という意味です。動作などが滑らかではない様や頼りない様子を指します。
特に「たどたどしい話し方」という表現でよく耳にしますが、時折つかえるような頼りない話し方とも言えるでしょう。似た意味の表現では「ぎこちない」や「おぼつかない」「拙い」などが挙げられます。