「三回忌」の法要はいつ?数え方やお布施など準備とマナーを解説

「初七日」「四十九日」と満一年で迎える「一周忌」、その次に行われる法要が「三回忌」です。この「三回忌」はいつ、どのように執り行うのが正しいのでしょう。「三回忌」の意味をはじめ、年数の数え方や法要のやり方・マナーについて詳しく解説します。

「三回忌」の意味と読み方

「三回忌(さんかいき)」とは亡くなってから満2年の法要

「三回忌」とは故人が亡くなってから満2年で執り行われる法要です。“三”という数字から亡くなってから3年目の法要と勘違いされやすいですが、満2年、一周忌の次に行います。

「○回忌」の数え方は亡くなった日を「一回忌」とする

「三回忌」の「回忌」は亡くなったその日(命日)を「一回忌」と数えます。いわゆる「数え年」の数え方で、1回目の命日が「一回忌」、亡くなった翌年が「二回忌」、翌々年が「三回忌」となるのです。

これに対し、亡くなった翌年の命日に行う法要は「一周忌」と呼ばれるためわかりにくいですが、「一周忌=二回忌」ということになります。

年忌法要には故人のよりよい処遇を願う意味がある

「一周忌」や「三回忌」は年忌法要と呼ばれます。こうした年忌法要は亡くなった人がよりよい処遇を受けられるよう、より良い世界へと行けるよう願いを込めて行われます。

特に「三回忌」法要までは来世への道が決まるとされていて、故人が安らかに過ごせるように遺族や親しい人で願う、という意味があります。

「三回忌」はいつやる?法要のやり方とは

「三回忌」は2年目の命日に行う

「三回忌」は2年目の命日に行います。たとえば2020年5月25日に亡くなった人の「三回忌」は、2022年5月25日です。亡くなった日が2021年の1月20日であれば、「三回忌」は2023年1月20日になります。

ただし、具体的な法要の日時については命日当日よりも前の土日で、親族が都合の良い日を選ぶのが通例です。

「三回忌に誰を呼ぶ?」は遺族が決めてOK

「三回忌」は故人の家族をはじめ、親や子、孫、兄弟姉妹、それから読経を依頼する僧侶を呼ぶのが通例です。一般には家族と近しい親族を呼びますが、実際に誰を呼ぶのかは施主とその家族が決めて問題ありません。ただし、案内状を出す日数や参列者の都合などを考慮すると、早めに決めたほうがよいでしょう。

「三回忌」は家族だけや“しない”という選択も

「三回忌」までは多くの親族を招き行うという時代もありましたが、近年では故人の家族や施主の家族のみといった少人数での実施も少なくないようです。家族だけで執り行うメリットは費用面に限らず、気を遣うことなく、ゆっくりと心ゆくまで供養ができることも挙げられるでしょう。

一方で、「三回忌法要をしない」という選択をする遺族もいます。特に昨今は感染症の予防の観点から人が集まる場を控える例も多いです。なお、「三回忌」をしない場合や規模を縮小して行う際は必ず他の親族や菩提寺に確認し賛同を得る必要があります。故人のためにも、了承を得たうえで進めるのがマナーです。

法要の流れは「一周忌」とだいたい同じ

「三回忌」の法要は施主の挨拶から始まり、読経および参列者の焼香、僧侶による法話という流れで進みます。僧侶が退場後は施主が挨拶をし、「お斎(おとき)」と呼ばれる会食へと案内します。

「三回忌」は人数が少なければ自宅で行う例もありますが、斎場などの会場を借りて行うと準備も含めスムーズです。菩提寺がない場合の僧侶の手配は、葬儀を執り行った斎場に相談してみるのもひとつの方法です。

「三回忌」のマナーとは

「三回忌」の服装は「ブラックスーツ」

「三回忌」は男性は無地のブラックスーツ、女性は黒色無地のワンピースやスーツ、アンサンブルが一般的です。男性は白無地のワイシャツに黒ネクタイを、女性はインナーも黒のブラウスやカットソーで揃えます。

「三回忌」に呼ばれたら香典(供物料)を持参

「三回忌」に呼ばれたら、「御仏前(御佛前)」「御香典」と書いた香典を持参します。関係性にもよりますが親族の場合は1〜5万円、友人で5,000〜1万円程度が一般的です。

なお、厳密には「三回忌」で渡すお金は「供物料」と呼ぶのが正しいです。そのため、表書きに「御供物料」と書くこともあります。

お供えを送るなら供花や果物、お菓子など

「三回忌」に参列できない場合、香典(供物料)を書留で送る以外にお供え物を贈ることがあります。一般には果物の盛籠やお菓子、線香やろうそくが選ばれます。また、供花としてお花を手配することも多いです。

施主はお布施と引き出物の用意を

「三回忌」を執り行う側になった場合、施主はお布施と引き出物(香典返し)の用意をします。「三回忌」法要の場合、お布施は1万〜5万円が一般的と言われます。加えて、御車代として1万円程度、僧侶が会食に参加しない場合は御膳料として5,000〜1万円程度用意しておくのが通例です。

一方、参列者へは香典への返礼品が必要です。受け取る香典の1/2〜1/3程度の額のものを用意するのが通例で、1,000〜5,000円程度の範囲で持ち帰りやすいものを選びましょう。

まとめ

「三回忌」は故人が亡くなってから満2年の命日に執り行う法要です。「三」という数字から亡くなってから三年目とカウントされることがありますがそれは誤りです。「回忌」は亡くなった日を「一回忌」と数えるため、亡くなってから丸2年で「三回忌」となります。

かつては「三回忌」までは大きく法要を行うことも多かったですが、最近では家族のみで執り行う例も増えているようです。やり方は様々ですが、遺族や親族、菩提寺と連絡をとり納得できる形で進めるのが望ましい形です。