「勤労感謝の日」とは祝日の1つで、「労働を重んじる日」に定められています。アメリカの祝日に由来する「勤労感謝の日」ですが、そもそもは新嘗祭(にいなめさい)だったことを知っていますか?
本記事では、勤労感謝の日の意味や由来、英語表現を解説します。くわえて、勤労感謝の日は何をする日なのかも解説しましょう。
「勤労感謝の日」の意味と由来
「勤労感謝の日」とは「労働を重んじる日」を意味する
「勤労感謝の日」とは「労働を重んじ、労働をしている人々に感謝する日」です。「勤労」が「賃金をもらって仕事をすること」を、「感謝」が「ありがたく思うこと」をそれぞれ意味します。
そもそも勤労感謝の日は「新嘗祭」だった
「勤労感謝の日」は、そもそも「新嘗祭(にいなめさい)」と呼ばれる祭日でした。「新」が新しく収穫した穀物を、「嘗」が神様にお供えすることを意味します。新嘗祭では秋に収穫した穀物を神様にお供えし、国全体で収穫に感謝していたのです。
新嘗祭の歴史は古く、原型となる儀式は古事記にも記載されています。しかし、日本の敗戦をきっかけに、現在の「勤労感謝の日」へと名前が変更されました。
「勤労感謝の日」の由来はアメリカの祝日
「勤労感謝の日」の名前の由来は、アメリカの祝日にあります。アメリカでは労働者に感謝をする「Labor Day(労働者の日)」と、収穫に感謝をする「Thanksgiving Day(感謝祭の日)」が定められています。
この2つを合わせて、「Labor Thanksgiving Day(勤労感謝の日)」が生まれたのです。当時の日本はGHQに管理されており、日本人の信仰心を薄めるために皇室が関わる祭日をなくそうとしていました。その結果、「新嘗祭」が「勤労感謝の日」へと変更されたのです。
「勤労感謝の日」はいつ?
「勤労感謝の日」は毎年11月23日
「勤労感謝の日」は11月23日に定められています。その年によって日付が変わる「移動祝日」ではないため、毎年11月23日に祝われます。
「勤労感謝の日」は祝日であるため休み
「勤労感謝の日」は祝日であるため、一般的には休みとなっています。1年のなかで最終となる祝日で、1つ前には「文化の日(11月3日)」があります。
「勤労感謝の日」は何をする日?
「勤労感謝の日」には各地で儀式が行われる
「勤労感謝の日」には各地で儀式が行われます。「勤労感謝の日」の元となる「新嘗祭」は祝日から外されたものの、穀物をお供えする儀式自体は続いているのです。
たとえば、皇居にある「神嘉殿(しんかでん)」では、天皇陛下が神前にお米や酒を供え、さらに神々とともにお供え物を食べる行事が行われます。また、出雲大社や伊勢神宮をはじめとした全国の神社でも、穀物をお供えする行事がみられます。
身近な人にプレゼントを渡すことも
「勤労感謝の日」では、身近な人にプレゼントを渡すこともあります。毎日働いていることへのねぎらいとして、家族やパートナーにプレゼントを贈るのです。この行いは労働への感謝を表すため、「新嘗祭」との関係はありません。
「勤労感謝の日」の食べ物は「新米」
「勤労感謝の日」に食べるとされているものは「新米」です。元の祭日であった「新嘗祭」に由来しており、新米を食べて収穫に感謝します。文明が進化した現代では収穫してすぐに新米が食べられますが、手作業で行っていた時代は脱穀や精米に時間がかかっていました。
そのため、9月に収穫したお米が食べられるのは、新嘗祭がある11月ごろだったのです。また、独自の行事食を食べる地域もあります。たとえば、京都ではネギとお米を炊いた「ねぶかめし」を、青森では餅が入ったお吸い物の「けいらん」を食べる風習があります。
「勤労感謝の日」の英語表現とは?
「勤労感謝の日」は英語で「Labor Thanksgiving Day」
「勤労感謝の日」の英語表現は「Labor Thanksgiving Day」です。また、「Worker’s Appreciation Day」も「勤労感謝の日」の英語表現として使用できます。2つ目の場合、「Worker’s」が「労働者」を、「Appreciation」が「感謝」を表します。
まとめ
「勤労感謝の日」とは労働を重んじ、労働者に感謝をおくる日です。日本の祝日の1つであり、アメリカの「Labor Day(労働者の日)」と「Thanksgiving Day(感謝祭の日)」に由来します。戦前まで定められていた「新嘗祭」は現代でも引き継がれており、各地の神社で行事が行われています。
意味:勤労感謝の日にはプレゼントを贈ろうと思う。
意味:今日は勤労感謝の日だから、ゆっくり休んでね。