「身に余るお言葉」の意味とは?ビジネスでの使い方と例文・類語も

「身に余るお言葉、ありがとうございます」とは目上の人に対して使える非常に丁寧な表現ですが、どういったシーンで使うのが正しいでしょう。「身に余るお言葉」の意味と使い方を例文で詳しく解説します。また、「身に余るお言葉」の類語や似たニュアンスで使える言い換え表現、英語訳についても紹介します。

「身に余るお言葉」の意味とは

「身に余るお言葉」は相手の褒め言葉を謙遜する意味を持つ

「身に余るお言葉」とは相手の褒め言葉を「自分には不相応である」と謙遜の気持ちを込めて使う表現です。目上の人からの言葉に対して、へりくだって控えめな態度をとる意味があります。

「身に余る」とは「過分である」という意味

「身に余るお言葉」の「身に余る」とは、「過分である、身に過ぎる」という意味です。簡単にいうと「自分の能力や身分に比べて重過ぎる」様を表します。つまり「身に余るお言葉」とは、「自分にはもったいない言葉」という意味です。

たとえば、「君のおかげだ!」「本当にすばらしい!」と目上に褒めてもらった際に、「自分はそんなにすごいものではありません=自分には不相応な言葉です」と謙遜する意味が「身に余るお言葉」にはあります。

「身に余るお言葉」の使い方・例文

「身に余るお言葉」は感謝のフレーズと合わせて使う

「身に余るお言葉」は感謝のフレーズとあわせて使用します。相手の褒め言葉が自分には過分であると謙遜しながらも、相手の厚意・賞賛に感謝する意味で使うのが通例です。

例文
  • 身に余るお言葉ありがとうございます。これからも誠心誠意対応させていただきます。
  • 身に余るお言葉感謝申し上げます。これもひとえに皆々様のおかげでございます。

「身に余るお言葉をいただき恐悦至極に〜」はより丁寧

「身に余るお言葉」を使って感謝を示すフレーズの中で、一層丁寧なのが「恐悦至極に存じます」と共に使う例です。「恐悦至極に存じます」とは「恐れながらも大変喜んでいます」という意味で、相手からの褒め言葉を謙虚に受け止めながらもうれしく思う気持ちを表します。

例文

身に余るお言葉をいただき恐悦至極に存じます。

また、「身に余るお言葉をいただき恐縮です」「身に余るお言葉、恐れ入ります」なども謙虚な姿勢で感謝を示す言い回しです。「ありがとうございます」などの感謝の言葉に換えて使うことができます。

「身に余るお言葉」の類語・言い換え

「もったいないお言葉」に言い換えられる

「身に余るお言葉」は「もったいないお言葉」に言い換えが可能です。この場合の「もったいない」は相手の気遣いや行為に恐縮しありがたく思う意味を持ち、「身に余るお言葉」と同様にへりくだったニュアンスになります。

例文

もったいないお言葉です。部長のアドバイスがなければ契約には結びつけられませんでした。

「ありがたいお言葉」も言い換えに使える類語

「身に余るお言葉」の言い換えでは「ありがたいお言葉」ということも可能です。単に感謝を示す意味に加え、「ありがたい」には「またとないほどに尊い」というニュアンスもあります。そのため、褒め言葉だけでなく励ましの言葉をかけてもらった際にも使用できます。

例文
  • ありがたいお言葉、感謝申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
  • ありがたいお言葉をいただき、チーム一同とても励みになりました。

「身に余る光栄に存じます」も目上に褒められた際の類語

「身に余る」という表現を使った言い回しでは「身に余る光栄に存じます」と使う例もあります。シンプルにいうと「嬉しく思います」という意味で「身に余るお言葉ありがとうございます」と同じシーンで使える表現です。

例文
  • このプロジェクトは君に任せて本当によかったよ。
  • 身に余る光栄に存じます。最後まで責任を持って努めさせていただきます。

「身に余るお心遣い」は相手の気遣いに恐縮する表現

「身に余るお心遣い」は相手のお気遣いに感謝を示しながらも恐縮する意味の表現です。「身に余るお言葉」と同じように、「身に余るお心遣いに感謝いたします」「身に余るお心遣いありがとうございます」などといった言い回しが可能です。

「身に余るお言葉」の英語訳

「身に余るお言葉」の英語訳は「undeserved」を使う

「身に余るお言葉」の英語訳では「undeserved」を使用します。「undeserved」には「評価などが受けるに値しない、(賞賛・褒め言葉などが)身に余る」という意味です。たとえば「身に余るお言葉」は「undeserved compliment」、「身に余る光栄」は「undeserved honor」と英語訳できます。

また、動詞「deserve(値する)」を使って「The honor is more than I deserve.(身に余る光栄です)」といった英語訳も可能です。

相手の褒め言葉に感謝を伝える英語表現

相手からの褒め言葉に対して、感謝を伝える英語フレーズは他にもあります。カジュアルなシーンでは「I feel so happy to hear that.(そう言ってもらえてとても嬉しいです)」としても良いでしょう。

もう少し改まって「とても光栄に思う」というニュアンスを出すのであれば、「I am very honored to receive the words from you.(そのようなお言葉をいただき大変光栄に存じます)」という表現も可能です。

まとめ

「身に余るお言葉」とは相手の褒め言葉を自分には不相応であると謙遜の意味を込めて使う表現です。「身に余るお言葉、ありがとうございます」「身に余るお言葉をいただき教悦至極に存じます」などの言い回しで用いられます。似た表現には「もったいないお言葉」や「身に余る光栄」などといった表現が挙げられます。いくつか覚えておくと表現の幅も広がるのでおすすめです。