「お久しぶりです」とはしばらく会っていない人と再会した際のフレーズですが、この「お久しぶりです」は敬語ではどう使うのが正しいのでしょう。「お久しぶりです」の敬語表現や目上に使う際の言い換え、「ご無沙汰しております」とのニュアンスの違いについて解説します。またメールで使える文例も紹介します。
「お久しぶりです」の敬語とは
「お久しぶりです」は先輩・目上に使っても間違いではない
「お久しぶりです」は「久しぶり」を丁寧にした表現であるため、先輩や目上の人に使っても間違いではありません。2〜3ヶ月ぶりに会った人には「お久しぶりです」と挨拶したり、連絡をとるのもしばらく日が空いたりした場合には「お久しぶりです」とメールを書き出すこともあります。
「お久しぶりでございます」とするとより丁寧な印象に
「お久しぶりです」をもう少し丁寧にした言い回しでは「お久しぶりでございます」とする例もあります。「ございます」は「です」をさらに丁寧にした表現です。
敬語では「ご無沙汰しております」を選ぶことが多い
「お久しぶりです」を目上の人に使う際には、「ご無沙汰しております」を選ぶことも多いです。「ご無沙汰しております」には相手を敬う気持ちが含まれるため、「お久しぶりです」「お久しぶりでございます」の敬語として使うことができます。
「お久しぶりです」の敬語「ご無沙汰しております」とは
「ご無沙汰」とは「便りがない」という意味
「ご無沙汰しております」の「無沙汰」とは便りがないことという意味です。「沙汰=便り、知らせ」という意味で、それを「無」と共に使うため「便りがない、連絡がないこと」を意味します。さらに接頭辞「ご」や「おります」という謙譲語で相手を敬う意味を持ちます。
「ご無沙汰しております」はお詫びの意味を含む
「ご無沙汰しております」は「連絡をせずにすみません」と長い間連絡をしなかったことや相手を訪問しなかったことを詫びるニュアンスを持つ表現です。これに対し「お久しぶりです」は、「しばらくぶりに会えて嬉しい」というニュアンスになる点がポイントです。
このお詫びの意味を含む点も、目上に対して「ご無沙汰しております」が選ばれる理由のひとつといえるでしょう。
「お久しぶりです」の敬語と使う挨拶表現
「お久しぶりです」には「お元気ですか」と続けるのが通例
「お久しぶりです」と述べた後には「お元気ですか」「お変わりないですか」など、相手を気遣うようなフレーズを続けるのが通例です。連絡が途絶えていた間の近況を簡単に報告することもあります。「お久しぶりです」としながら、急に用件を切り出すことはしません。
「お元気ですか」は「ご息災ですか」に言い換え可
「お元気ですか」「お元気でしたか」をもう少し丁寧な言い回しにしたい場合は「ご息災ですか」とする例もあります。「息災(そくさい)」とは「元気であること」という意味で、「ご息災でしたか」と使うことも多いです。
また相手に問いかけるフレーズ以外でも「お忙しくされていることと思います」と相手の変わらぬ活躍に思いを馳せるような言い回しを使うこともあります。
「ご無沙汰しております」はお詫びの言葉と使う例も
「ご無沙汰しております」には「お元気ですか」「お変わりありませんか」と続ける例のほか、お詫びのフレーズを組み合わせることも多いです。たとえば「ご無沙汰しており申し訳ございません」「長い間ご無沙汰しており失礼いたしました」などが良い例です。
「お久しぶりです」の敬語でのメール文例
「お久しぶりです」のビジネスメール例文
お久しぶりです。先日は大変お世話になりました。
お話していた件について、ぜひ当社でも検討させていただきたくご連絡いたしました。
「ご無沙汰しております」のビジネスメール例文
大変ご無沙汰しております。株式会社〇〇の田中でございます。
**の案件では大変お世話になりました。
その後ご連絡が滞りまして申し訳ございません。
「お久しぶりです」の英語例文
「お久しぶりです」の丁寧な英語は「I haven’t seen ~」
「お久しぶりです」は英語では「I haven’t seen you for a long time.」というフレーズが一般的です。「Long time no see.」「Long time no talk.」などもよく知られる表現ですがカジュアルであるため、「お久しぶりです」と丁寧に言いたい場合は「I haven’t seen you for a long time.」がベターです。直訳すると「長い間お会いしていませんでした」という意味です。
「お久しぶりです」の目上に使える英文例
「お久しぶりです」の英語訳では他にも「〜してから長い時間がたった」という英文を使って表現する例が挙げられます。
まとめ
「お久しぶりです」は目上にも使える丁寧な言い回しですが、ビジネスシーンでは「お久しぶりです」「お久しぶりでございます」よりも「ご無沙汰しております」を使うことが多いです。「ご無沙汰しております」は謙譲語を使った表現で、「ご連絡をしないままでした」と便りを送らなかったことを詫びるようなニュアンスがあります。
また、「お久しぶりです」「ご無沙汰しております」のいずれを使う場合でもすぐに本題に入らず、まずは相手の近況を伺うようなフレーズを付け足すのが通例です。
最後にお会いしてから長い時間が過ぎてしまいました。
最後にご連絡してから長い時間が経ってしまいました。