ビジネスメールでお礼を言う際のマナーとは?例文とポイント解説

ビジネスシーンではさまざまなメールのやり取りが行われますが、中でもお礼を言う際には的確に感謝の気持ちを伝えたいものです。本記事ではメールでお礼を言う際の基本的なマナーとお礼を述べるメールのポイントを例文で解説します。また、使わない方がいい表現・避けたい表現も併せて紹介しましょう。

ビジネスメールでお礼を言う際の基本ルール

メールでのお礼タイミングは翌日AMまで

ビジネスシーンで、お礼のメールを送る際はできるだけ早いのがベターです。できれば当日のうちに、遅くとも翌日の午前にはメールを送ります。ただし、夜遅くや早朝に送るのは失礼です。相手の就業時間(業務時間)を過ぎた場合は、翌日の就業開始に合わせて送るようにします。

ビジネスメールでは簡潔さを心掛ける

お礼をきちんと伝えるのもマナーではありますが、ダラダラと長く書くのは適切ではありません。何に対する感謝なのかを簡潔に記載したほうが感謝の気持ちがスマートに伝わるものです。また、あまりに簡潔になりすぎて定型文に寄りすぎてしまわないように注意も必要です。

ビジネスメールでのお礼には必ず返信を

お礼のメールを受け取った際には必ず返信をしましょう。送り主が様々な思い、気遣いを持って送ってくれたメールなので丁寧に返信するのがマナーです。

なお、お礼のメールを送ったのが自分で、そのメールに対して「今後ともよろしくお願いします」と返信をもらった場合はさらに返信する必要はありません。これはお礼のメールに限ったことではなく、用件が簡潔している場合のビジネスメールは一往復でやめて良いとされています。

ビジネスメールでのお礼、書き方のポイントとは

件名にお礼・感謝の言葉を入れる

ビジネスメールでお礼のやりとりをする場合、件名でお礼のメールであることがわかるようにします。件名に「先日はありがとうございました」と記載する例もありますが、これではやや抽象的なため「ご訪問の御礼/株式会社〇〇田中」などの表現がベターです。

何に対する感謝か具体的に書く

お礼のメールで感謝の気持ちを相手に伝えるには、何に対して感謝しているのかを具体的に書くのがポイントです。たとえば「先日はありがとうございました。またよろしくお願いします」とするよりも、「ご多忙のところお時間をいただきありがとうございました」や「お力添えをいただきありがとうございました」などとした方が気持ちが伝わりやすくなります。

「ありがとう」以外のフレーズが使えると◎

お礼の気持ちが強いあまり「ありがとうございました」というフレーズを多用してしまうと、文章が単調になるだけでなく読みにくさを感じることがあります。

たとえば「〜していただきありがとうございました」と文頭で使った場合、以降では「ありがとうございました」ではなく「〜に感謝申し上げます」「〜につきましても御礼申し上げます」など異なるフレーズを使うと全体の印象が良くなります。

取引先など社外にも使える丁寧なフレーズ

感謝を伝える際のさらに丁寧なフレーズでは、「深謝いたします」や「重ねて御礼申し上げます」などが挙げられます。「深謝いたします」は文字通り深い感謝の気持ちを表します。「重ねて御礼申し上げます」は「もう一度お礼をいいます」という意味に加え「(もう一度お礼がいいたいほど)深い感謝の気持ちがあります」というニュアンスも持つ表現です。いずれも強い感謝を表すとともに、丁寧な言い回しとして使うことができます。

「取り急ぎお礼まで」は使わないのがベター

お礼のメールではその結びに「取り急ぎお礼まで」と書かれるのを見かけますが、このフレーズはできれば避けた方が無難です。「取り急ぎ」という語には「とりあえず急いで」という意味があるため、不十分な印象を与えます。「まずは御礼申し上げます」などの言い回しを使うのが丁寧な印象になります。

締め・結びには「今後ともよろしくお願いいたします」が定番

お礼の言葉を述べたら、「今後ともよろしくお願いいたします」と締めくくるのが通例です。特に頻繁にやり取りをする取引先などによく使う表現です。

これに対し、改まった表現で締めくくりたい場合などは「メールにて恐縮ではございますが謹んでお礼申し上げます」と書く例もあります。

お礼を伝えるビジネスメールの例文

社内の人にお礼を伝えるメール

件名:同行の御礼とA社様契約につきまして
山田部長

お疲れ様です。田中です。
昨日はA社にご同行いただきましてありがとうございました。

提案の流れや切り返し方など大変勉強になりました。
お陰様で、その後A社様から提示した提案書で進めて欲しいとの連絡を頂戴しましたので合わせて共有させていただきます。

以上、ご報告と兼ねて恐縮ではございますが、御礼申し上げます。
引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

田中

社外(取引先、お客様)にお礼を伝えるメール

件名:ご訪問の御礼/株式会社〇〇田中

△△株式会社
山田様

お世話になっております。
株式会社〇〇の田中でございます。

昨日はお忙しい中お時間を頂戴しまして誠にありがとうございました。
山田様からいただいたご要望・ご意見を是非とも次のご提案に活かしたいと考えております。
また何かございましたらご遠慮なくご連絡ください。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
署名

お礼を伝えるメールへの返信例

件名:Re:御礼

株式会社〇〇
田中様

お世話になっております。△△株式会社山田でございます。
この度は丁寧なメールをいただきましてありがとうございました。

いつも田中様には真摯にご対応いただきまして感謝申し上げます。
こちらこそ、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

署名

お礼を伝える英文メールの例

「Thank you」よりも「appreciate」が丁寧な英語表現

英語で感謝を伝えるフレーズでは「Thank you 」がよく知られていますが、丁寧な言い回しでは「appreciate」を使うことも多いです。たとえば「I appreciate your help.」は「助けていただきありがとうございます」という意味です。

例文
  • We appreciate your help.(ご尽力に感謝いたします)
  • I appreciate your kindness.(ご親切にしていただきありがとうございました)

「grateful」も感謝を伝えるフレーズで使える

感謝を伝える英文では「grateful」を使った表現もしばしば目にします。「grateful」には「恩を感じている」という意味があります。

例文

I’m grateful for your kindness.(ご親切に感謝いたします)

メールの締めでは「again」で再度お礼を述べる

英語のビジネスメールでは、締めに再度お礼を述べるのが通例で、たとえば「Thak you again for your help.」などといった一文を記載します。ややカジュアルな表現では「Thanks again」と書かれることもあります。

まとめ

お礼を伝えるビジネスメールでは、まずは迅速な対応がポイントです。遅くとも翌日の午前には相手にメールが届くよう、お礼のメールを送りましょう。基本的なマナーは他のビジネスメールと同様ですが、「ありがとうございました」以外のフレーズが使えると表現の幅が広がり、感謝の気持ちも伝わりやすくなるでしょう。本文中で紹介したフレーズを参考に、気持ちが伝わるよう具体的な表現を交えて作成してみてください。