かぼすとすだちの違いは?特徴や見分け方とそれぞれに合うレシピも

かぼすとすだちはどちらも緑色の柑橘類で、よく似ています。「かぼす」と「すだち」の違いやそれぞれ最適な使い方はあるのでしょうか。

この記事では、「かぼす」と「すだち」の違いや見分け方を解説します。また、「かぼす」と「すだち」の特徴と旬、保存方法やそれぞれの良さを活かす使い方も紹介しましょう。

かぼすとすだちの違いと見分け方とは?

かぼすとすだちでは「かぼすのほうが大きい」

「かぼす」と「すだち」を比べたときに最もわかりやすい違いは、大きさです。「すだち」はゴルフボールくらいの大きさですが、「かぼす」はテニスボールほどあります。「すだち」よりも「かぼす」の方がずっと大きいのが特徴のひとつです。

どちらも同じような濃い緑色をしていて、形状の違いはほとんどありません。しかし、かぼすはすだちの倍くらい大きさです。

かぼすとすだちでは「すだちのほうが香りが強い」

「すだち」は「かぼす」よりも香りが強く、清々しい香りをしています。一方、「かぼす」はまろやかでさわやかな香りです。

かぼすとすだちでは「すだちのほうが酸っぱい」

「かぼす」と「すだち」では、すだちのほうが酸っぱく感じられます。食卓で使われる柑橘類としては、酸味が最も強いのがライム、その次にすだち、かぼすと続きます。レモンも酸味の強い果物として知られていますが、レモンはかぼすよりも酸味が少ない果物です。

かぼすとすだちの見分け方は「大きさ」

かぼすとすだちの簡単な見分け方は、その大きさです。かぼすの大きさはすだちの倍近くあり、重さにすると3倍ほど違います。かぼすとすだち、どちらかわからない場合は「大きくて重たいほうがかぼす」と覚えておくとよいでしょう。

「かぼす」の特徴と旬

かぼすとは「まろやかな酸味のミカン科の果物(大分の特産物)」

「かぼす」とは、酸味がありますが比較的まろやかな味のミカン科の果物です。濃い緑の表皮に包まれた果肉は薄い黄色で、果汁がたっぷりとあります。そのマイルドな香りから、日本料理によく使われています。

「かぼす」は直径5cmほどのテニスボールくらいの大きさで、重さは約100g~150gあり、主に大分県で栽培されています。

かぼすの旬は「9月~10月」

かぼすの旬は9月~10月です。かぼすは通年販売されていますが、旬を過ぎた11月頃から販売されているかぼすは、冷蔵保存されたものが市場に出回ります。また、2月頃からはハウス栽培されたかぼすが購入できます。

かぼすは濃い緑色のものを選ぶ

「かぼす」の酸味と風味を味わうには、濃い緑色のかぼすを選びましょう。酸味が苦手という人は、黄色みがかってきたかぼすがおすすめです。黄色くなったかぼすは実がしっかり熟れているので、酸味がまろやかになり食べやすくなります。

かぼすは冷蔵庫の野菜室で保存する

風味を長く保つかぼすの保存方法は、冷蔵保存です。かぼすは10度以上の室内に置いておくと品質が落ち始めるため、冷蔵庫の野菜室で保存するのがよいでしょう。

冷蔵庫で保存するときは、かぼすの鮮度が失われないように空気を抜いたポリ袋やジッパーにかぼすを入れましょう。

かぼすの漢字表記は「香母酢」

「かぼす」は漢字で「香母酢」と書きます。ただし「香母酢」と表記されることはあまりなく、一般的には平仮名で「かぼす」、またはカナカナの「カボス」が使われています。

「すだち」の特徴と旬

すだちとは「酸味の強いミカン科の果物(徳島の特産物)」

「すだち」とは酸味が強いミカン科の果物です。その表皮は濃い緑をしていますが、果肉は薄い黄色です。すだちの大きさは直径3cmほどのゴルフボールくらいで、重さは約50gです。

徳島県の特産品で、すだちの全国の総出荷量のうち約98%が徳島産のすだちです。

すだちの旬は「8月末から10月」

すだちの旬は8月末から10月です。すだちは、旬以外の時期でも一年を通して購入できる果物ですが、特に旬のすだちは果肉が厚めで、香りや味がよいと言われています。

すだちは濃い緑色をしてツヤのあるものを選ぶ

すだちは、表皮が濃い緑色で張りやツヤがあるものを選びましょう。すだちの酸味が苦手ならば、旬のすだちではなく、それ以外の季節に出回るすだちを選ぶと酸味が抑えられて穏やかになります。

すだちはそのままか果汁を絞って冷蔵保存

すだちの風味は温かい場所に置いておくと落ちていくので、かぼすと同じように冷蔵庫で保存します。鮮度を落とさないためにも、空気を抜いたポリ袋にすだちを入れて、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。

長く保存したい場合には、すだちを絞り果汁だけを瓶に入れて冷蔵保存してもよいでしょう。

すだちの漢字表記は「酢橘」

「すだち」は漢字で「酢橘」と書きます。「酢」は酸っぱいという意味の漢字です。「橘」とはミカン科の常緑木またはミカン類の総称で、訓読みは「たちばな」、音読みは「キッ」となります。

かぼすとすだちそれぞれに合うレシピとは?

すだちの果汁は焼き魚や鍋にぴったり

香りが強く、すっきりとした酸味の「すだち」は、脂の乗ったサンマやサバなど焼き魚とよく合います。また、刺身や魚介類の鍋に風味づけとしても使われることが多いです。

水洗いしたすだちをすり下ろしてうどんやそばのつけ汁に入れたり、輪切りにして吸い物に入れると香りが引き立ちます。ジュースやアルコールとも相性のよい果物です。

かぼすの果汁は刺身や天ぷらと相性がよい

「かぼす」はまろやかな香りにほどよい酸味があるため、果汁を刺身や天ぷらなどにかけて香りづけとして使われます。醤油の代わりにかぼすの果汁を刺身にかけたり、かぼすの皮をすりおろして薬味にするのもおすすめです。

かぼすを焼酎やビールに入れると、風味も加わってまろやかな口当たりになります。かぼすの特産地である大分県では、かぼすの果汁をみそ汁に入れることもあります。

まとめ

かぼすとすだちは色や形が似ていますが、「大きいほうがかぼす」です。すだちは甘酸っぱい香りと酸味が強いため、サンマの塩焼きのように味が濃いめの料理に合います。香りを立たせる汁物にもよく合うでしょう。

一方、かぼすはすだちよりも酸味が抑えられるため、刺身や天ぷらなど和食のおかずと相性がよい果物です。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。