「そりが合わない」の意味とは?語源や馬が合わないとの違いも解説

「そりが合わない」とは慣用表現のひとつで、「あいつとはそりが合わない」のように人間関係に使われる表現です。「そりが合わない」の意味をはじめ、「そり」の語源・由来や使い方を詳しく解説します。また「馬が合わない」との違いやその他の類語・言い換え表現、英語の慣用表現についても紹介しましょう。

「そりが合わない」の意味とは

「そりが合わない」とは「考えが一致しない様」

「そりが合わない」とは「考え方が一致しない様」を意味します。考えや気持ちが違うことを指すほか、それゆえにうまくやっていけないことを「そりが合わない」ということもあります。

「そり」とは「刀の反り具合」のこと

「そりが合わない」の「そり」とは、「日本刀の反り具合」のことです。刀を鞘(さや)に収める際、その反り具合(曲がり具合)が一致しないと、うまく収めることができません。

刀の反り具合と鞘の反り具合の関係を人間関係に置き換え、「そりが合わない=考えなどが一致しない、うまくいかない」と使った慣用表現です。

「そりが合わない」は漢字で「反りが合わない」

「そり」が刀の反り具合を表すように、「そりが合わない」は漢字で「反りが合わない」と書かれることもあります。どちらの表記も誤りではありません。

「そりが合わない」の使い方と例文

自分と関係がうまくいかない人を指して使う

「そりが合わない」は、人間関係がうまくいかない相手を指して「そりが合わない人だ」「彼とはそりが合わない」のように使います。性格が合わない、価値観が合わないといったことを意味する表現です。

例文
  • 今の上司とは、どうもそりが合わず仕事がやりにくい
  • 確かに彼とは同期だが、元々そりが合わないのでそんなに接点はない

気が合う様は「そりが合う」と表現できる

「そりが合わない」に対し、考え方が合う・性格が合うといった間柄を「そりが合う」と表現することも可能です。意気投合する、というニュアンスで使用する例もあります。ただし「そり」を使った慣用表現としては「そりが合わない」という使い方の方が一般的です。

例文

そりが合う、合わないではなくビジネスとして合理的に判断するべきだ。

「そりが合わない人」との付き合い方とは?

上司の場合はビジネスシーンに限った付き合いを

「そりが合わない人」はどのコミュニティにもいるものですが、特に上司と「そりが合わない」場合はストレスを感じることも多いでしょう。そうした場合は、仕事に限った付き合い方をするのがベターです。会話は仕事の話のみにして、プライベートについてはあまり話さないようにすると少し距離が保てます。

ただし、露骨に嫌な顔をしたり素っ気なくしたりするのはおすすめできません。相手の気分を害さない配慮は必要です。

同僚や後輩の場合はいいところを探してみる

同僚や後輩に関しても、「そりが合わない」相手とはビジネスシーンに限定した付き合い方をするのはひとつの方法です。人はどうしても相手の嫌な部分を見てしまいがちなので、意識して相手のいいところを探してみるのもポイントでしょう。よく観察すると思ったよりも接しやすい人だったということもあります。

親の場合は適度な距離を保つのもポイントに

ビジネスではなく家族や親と「そりが合わない」というケースもあります。大人になるとなおさらそう感じるという人もいるでしょう。

「そりが合わない」相手に対しては、聞き流すスキルも重要です。同調したり逆らったりするのではなく、適当に聞き流すのも一つの対応例です。また「こういう人だから仕方ない」と割り切ってしまう、という方法もあります。いずれにしても適度な距離を保ちつつ、ストレスを感じにくくするために最低限の付き合いがベターです。

「そりが合わない」の類語・言い換え

「馬が合わない」は似た意味の慣用句

「そりが合わない」と似た表現に「馬が合わない」という慣用句があります。「馬が合わない」とは性格や考え方、価値観が合わないという意味です。「そりが合わない」とほぼ同義ということができます。

「馬が合わない」とは、馬と乗る人間の気持ちが合わず、うまく駆け抜けられない様を例えています。目上の人との関係に「馬が合わない」を使ってしまうと、相手を馬に例えたようにも取れるため、「そりが合わない」を使ったほうが無難です。

「合わない」「相容れない」と言い換えも

「そりが合わない」は、単に「彼とは合わない」と言い換えても意味が通ります。また「相容れない」という語に置き換えることも可能です。「相容れない(あいいれない)」とは「互いの主張が相反していて両立しない、お互いに許容しあうことができない」という意味で、「相容れない関係」などの表現で用いられます。

「そりが合わない」の英語訳

「そりが合わない」は英語で「don’t get along」

「そりが合わない」は英語では「don’t get along」と表現することができます。直訳すると「仲良くやっていけない、うまくやっていけない」という意味です。

また、似た表現では「don’t click」もよく用いられます。「click」には「人とうまが合う、しっくりいく」という意味があり、否定形で使うことで「そりが合わない」というニュアンスを出すことができるのです。

「そりが合わない」の英語例文

  • My mother and my sister don’t get along.(母と姉はそりが合わない)
  • I don’t get along with him.(彼とはそりが合わない)
  • Mr. Sato and I don’t click.(佐藤さんとはそりが合わない)

まとめ

「そりが合わない」とは「考え、価値観などが一致しない様」という意味です。わかりやすく言うと、気が合わず付き合いにくい人を指すともいえるでしょう。

「そりが合わない」の言い換えには「馬が合わない」があり、どちらも同じ意味で使うことができます。ただし、上下のある人間関係の場合は「そりが合わない」を使ったほうが無難です。また、単に「彼とは合わない」と言い換えることもできます。