「一切合切」の意味・使い方とは?例文解説と類語や関連語も紹介

「一切合切」は歌詞として耳にしたことがあるという人も多いかもしれませんが、四字熟語としてはどういった意味があるのでしょう。「一切合切」の意味とその使い方、「一切合財」と記載する場合との違いについても解説します。また「一切合切」の類語や言い換え表現、英語訳といった関連用語も紹介します。

「一切合切」の意味とは

「一切合切」とは「なにもかもすべて」という意味

「一切合切」とは「なにもかもすべて」という意味です。「一切合切」と書いて「いっさいがっさい」と読みます。「なにもかも全部、残らずすべて」という状況を指して「一切合切」といいます。

「一切合切」は熟語の意味に由来する

「一切合切」は、「一切」と「合切」という二つの熟語から成ります。「一切」とは「すべて、例外なく」という意味で、「一切~ない」と否定語とともに用いることも多い熟語です。一方「合切」にも「なにもかも全部」という同じ意味があります。

似た意味の熟語を組み合わせた四字熟語の場合、それぞれの意味をより強調したニュアンスにとるのが通例です。そのため「一切合切」も「なにもかもすべて」のように“すべて”を強調した意味になります。

「一切合切」と「一切合財」に違いはない

「いっさいがっさい」と同じ意味で「一切合財」と書かれることがありますが、これは誤字ではありません。「一切合切」も「一切合財」も同じ読み、同じ意味で用いられる四字熟語です。ただし、一般には「一切合切」の方がよく用いられるため、「一切合切」の表記を使った方が無難でしょう。

「一切合切」の使い方と例文

「一切合切~する」と使うのが通例

「一切合切」は「一切合切~する」の言い回しで用いられることが多いです。「一切合切~する」は「すべて~する、残らず全部~する」という意味になります。たとえば「一切合切打ち明けた」は「すべてを打ち明けた」というニュアンスです。

なお熟語「一切」は否定語とともに「一切~しない(一切酒は飲まない、など)」といった使い方をすることも多いですが、「一切合切」は否定語とともに「一切合切~しない(一切合切酒は飲まない)」などと使うのは一般的ではありません。

「一切合切」の使用例・例文

  • 過去のことは一切合切水に流して、前を向いて歩いて行こう。
  • 先日の不祥事で、あの政治家は地位も名誉も一切合切失った。
  • 一切合切の責任は私にある。
  • ここはリーダーの彼に一切合切任せましょう。

「一切合切」の類語・言い換え

似た意味の四字熟語は「一五一十」

「一切合切」の類語では「一五一十」が挙げられます。「一五一十(いちごいちじゅう)」とは「始めから終わりまで、最初から最後まですべて」という意味の四字熟語です。たとえば「彼女は一五一十を打ち明けた」などの言い回しが可能です。なお「一伍一什」とも書きます。

「森羅万象」も「すべて」という意味を持つ

「一切合切」と似た意味を持つ四字熟語では「森羅万象」も挙げられます。「森羅万象(しんらばんしょう)」とは、「宇宙に存在するすべてのこと、この世に存在するすべてのもの・事象」という意味です。「一切合切」とは異なる使い方をする四字熟語ですが、“すべて”という意味では共通しています。

「一切合切」は「全部」「すべて」に言い換え可

「一切合切」は「全部」や「すべて」といった語に言い換えることができます。たとえば「一切合切打ち明けた」は「すべてを打ち明けた」としても意味に大きな違いはありません。また「一切を打ち明けた」と言い換えることも可能です。

ただし、「一切合切」が似た意味の熟語を重ね強調した意味を持たせた四字熟語であることを考えると、「一切合切」の方がより強いニュアンスで伝わるといえるでしょう。

「一切合切」の英語訳とは

「一切合切」は英語では「everything」

「一切合切」は英語では「everything」という語を使って英訳することができます。「everything」には「すべて、何もかもみな、最も大切なもの」などの意味があります。

また「the whole lot」という英語表現も「すべて、一切合切」という意味で用いられる表現です。

「一切合切」の英文例

  • You can’t have everything.(一切合切を手に入れることなどできない)
  • Take the whole lot.(一切合切持っていくがよい)
  • She revealed everything.(彼女は一切合切を打ち明けた)

まとめ

「一切合切」は「残らずすべて、何もかも全部」という意味です。「一切」と「合切」という同じ意味の四字熟語を2つ続けて使っているため、単に「すべて」というよりも強いニュアンスを持つということができます。「一切合切打ち明けた」「一切合切を任せる」などといった言い回しで耳にすることが多いです。

なお「一切合切」の「一切」は「一切~ない」という使い方でもよく見聞きしますが、「一切合切~ない」という言い回しは一般的ではありません。