「過干渉」の意味とは?特徴や対処法と過保護・毒親との違いも

人からの干渉に煩わしく思うことがありますが、「過干渉」となると”ウザい”を通り越してストレスに感じることもあります。「過干渉」の詳しい意味をはじめ、「過干渉はどこから?」や「過干渉」と「過保護」「毒親」との違いについても解説します。

「過干渉」の意味とは

「過干渉」とは「必要以上に関わること」という意味

「過干渉」とは読んで字のごとく「過剰に干渉すること」という意味です。「必要以上に関わること、一般的な限度を超えて関与すること」を「過干渉」といいます。

一般に「親が子の行動を決定し制限する様」を指す

「過干渉」は特に、親から子に対する過度な干渉を指して用いられます。たとえば親が子どものやることにすべて口出ししたり、子どもの考えを尊重せずに行動を制限したりする様を指すことが多いです。

「過干渉」の例文

  • 親の過干渉が嫌になり、高校卒業と同時に家を出た。
  • 過干渉は親も子もダメにする。
  • 親が過干渉に気づくことが第一歩だ。

「過干渉」はどこから?特徴とは

親が子の決定を先回りするのが良い例

「過干渉」と言えば親が何でも口出しする姿がよい例ですが、中でも親が子の意思を尊重せず先回りして決定してしまうことが挙げられます。たとえば子どもの進路を勝手に決めたり、子どもの発言を遮って親の意見を述べ従わせるような親は「過干渉」ということができるでしょう。

他にも子どもの交友関係に口出しをする、スマホや部屋をチェックする、行動範囲を制限する、などといった行為も「過干渉」の良い例です。

義母から嫁など大人への「過干渉」の例

親から子への過度な関わり方を意味することが多い「過干渉」ですが、それが大人になっても続いたり、その対象が義母から嫁へと向かうこともあります。たとえば用もないのに連絡をしたり、頼まれてもいないのに食材を買ったり掃除をしたりというのは「過干渉」に該当します。また、夫婦喧嘩に口出ししてくるのも「過干渉」の代表的な例です。

「過干渉」をやめたい人は褒めることを意識

自分が親の立場で子どもへの「過干渉」をあらためたい、という場合はまず、親と子は一体ではなく違う人格であることを認識する必要があります。加えて、良いところを認め褒めることを意識する、というのも「過干渉」から抜け出す方法のひとつです。子育て以外で自分が好きなことを見つけ、意識を他に向けるのもひとつの方法です。

「過干渉」のストレスへの対処法とは

一方、子どもの立場として親に「過干渉」を気付かせるには、自分が自立した存在だと認めさせる必要があります。たとえば家事を率先して行う、自分の判断を優先して行動する、すでに社会人である場合は家を出て物理的な距離を取るのも効果的です。また行政や民間のカウンセリングを受けるという方法もあります。

「過干渉」の類語・言い換え表現

「過保護」との違いはかかわり方

「過保護」とは親が子を必要以上に大切にし保護を与えることを意味します。”危ない”とあれもこれも制限するのが良い例です。加えて、甘やかしすぎること、要望を叶えすぎることも意味し、子どもの意見を受け入れすぎる様を指しても用いられます。

一方「過干渉」は親が全て決めてしまうのが特徴です。いずれも子どもの自立の妨げになりますが、特に「過干渉」の方が子どもにとってストレスになることで知られています。

「毒親」とは「子供に悪影響な親」のこと

「毒親」とは文字通り「毒となる親」つまり「毒のように子どもに悪影響を及ぼす親」を指します。転じて、子ども自身が「ひどい親、とんでもない親」という意味で使う例もあります。児童虐待はもちろん、「過干渉」な親も「毒親」の一例です。

近年、日本でもよく耳にするようになりましたが、元々は1989年にアメリカの医療コンサルタントである「スーザン・フォワード」が使用したのが始まりとされています。

「過干渉」の英語訳

子に「過干渉」を示す親は「helicopter parent」

子どもに「過干渉」を示す親は「helicopter parent」と呼ばれます。子どもを常に見張り口出しする親を上空を旋回するヘリコプターにたとえた表現です。

「過干渉」を意味する英語では「meddling」も

「過干渉」の英語訳で使用される単語では「meddling」も挙げられます。「meddling」とは「余計な干渉、おせっかい」という意味です。また、「meddle in」で「干渉する」という動詞としても使用されます。

例文

Her father often meddles in what she does.
彼女の父は彼女がやることによく干渉している。

まとめ

「過干渉」とは文字通り「過度に干渉すること、必要以上に関わること」という意味です。特に親が子のあらゆることに口出ししたり、子の意思ではなく親の意思で物事を決めていく様などを表します。

子育てに関しては「過干渉」と似た語に「過保護」がありますが、「過保護」は保護しすぎる様や子の要求を受け入れ甘やかしすぎることを意味します。関わり方が異なるもののの「過保護」も「過干渉」もどちらも子には悪影響である点では共通しています。