「膠着状態」の意味とは？由来や使い方と言い換えに使える類語も

「戦況は膠着状態にある」とはどういった状況、状態を指すのでしょう。「膠着状態」の意味や由来について解説するとともに、「膠着状態が続く」「膠着状態を打開する」などといった使い方を例文で紹介します。また「膠着状態」の類語や言い換えに使える表現、英語訳といった関連用語にも触れています。

「膠着状態」の意味とは

「膠着状態」とは「ほとんど動きがない状態」のこと

「膠着状態」とは「物事の動きがほとんどない状態」という意味です。「状態がずっと同じままでほとんど動きがなくなること、少しも進展がなく行き詰っている様」を「膠着状態」といいます。

「膠着」の読み方は「こうちゃく」由来は漢字の意味

「膠着状態」は「こうちゃくじょうたい」と読みます。「膠着」の「膠」は「ねばりつく」、「着」は「くっつく」という意味です。この意味から「膠着＝ものがくっついて離れにくくなる、ねばりつくこと」となり、「膠着状態」の「同じままでうごきがない様」という意味につながります。

「膠着状態」の使い方と例文

「戦争が膠着状態にある」のように使う

「膠着状態」は「〇〇は膠着状態にある」の言い回しでよく用いられます。たとえば「戦争が膠着状態にある」とは「戦況に動きがない状態」、「試合は膠着状態だ」とは「試合に動きがない状態、点数に動きがない状態」という意味です。

このほか、「膠着状態に陥る」という使い方も見受けられます。「陥る」という語の意味から「良くない状態のままである」というニュアンスです。

「病気の膠着状態が続く」とは病状に進展がないこと

「膠着状態が続く」とは文字通り、「進展がないまま同じ状態が続くこと」という意味です。同じような状態が長く続く様を表す際に使用できます。

「膠着状態を打開する」とは進展する様

一方「膠着状態を打開する」と使うと、状況に動きがあったり進展したりする様を表します。たとえば「2塁打で膠着状態が打開された」とは「2塁打によってずっと動きがなかった試合に動きがあった、変化があった」というニュアンスです。

「膠着状態」の類語・言い換え表現とは

「膠着状態」の類語は「行き詰まり」「手詰まり」

「膠着状態」と似た意味の語では「行き詰まり」や「手詰まり」が挙げられます。「行き詰まり」とは「行く手が遮られそれ以上先へと進めなくなること」という意味です。また「物事が先へ進まなくなること」という意味もあります。

「手詰まり」には「なすべき手段がなくて困ること」という意味があり、「行き詰まり」と同様に先へ進めない様を表します。

「膠着状態にある」は「膠着する」と言い換えも

「膠着状態にある」という言い回しは「膠着する」「膠着している」と言い換えても意味はほぼ同じです。たとえば「戦況は膠着状態にある」は「戦況が膠着している」とすることができます。

また、「膠着状態」をもう少し柔らかい言い方に換えるのであれば、「戦況に動きがない」「戦況は変わりない」などとしても良いでしょう。同じニュアンスで伝えることができます。

「硬直」とは不自然につっぱり筋肉が固まること

「膠着」とよく似た熟語に「硬直」がありますが、「硬直」は類語ではありません。「硬直」とは「筋肉が不自然につっぱり固まること」という意味です。「考えなどが凝り固まる様」を表すこともあります。

「膠着」は「くっついて離れないこと、ほとんど動きがないこと」という意味であり、語感こそ似ているものの「膠着状態」と「硬直」は異なる意味の単語です。

「膠着状態」の英語訳とは

「膠着状態」は英語で「be deadlocked」

「膠着状態」は英語では「be deadlocked」という表現が使用できます。「deadlock」とは「行き詰まり、手詰まり、膠着状態」などの意味を持つ英単語です。また動詞として「行き詰まる、行き詰まらせる」という意味でも用いられます。

「膠着状態」の英語訳

• The state of the war is deadlocked.（戦況は膠着状態だ）
• After that, the peace negotiations was deadlocked.（その後和平交渉は膠着状態に陥った）

まとめ

「膠着状態」とは「状態が同じままで動きがないこと」という意味です。「膠着」の持つ「ねばりつく、状態が固定して動きがない」という意味に由来します。たとえば、戦況に進展がない様を指して「戦争は膠着状態にある」、病状に変化がない様は「病気は膠着状態が続いている」と表現することが可能です。また、「膠着状態」は「行き詰まり」「手詰まり」といった語に言い換えることができます。