「イモリ」と「ヤモリ」の違いや見分け方がわからないという人は多いです。分類としては両生類と爬虫類で、見た目にも違いがあります。この記事では、イモリとヤモリの違いや覚え方を紹介します。それぞれの特徴も紹介しますので、参考にしてみてください。
イモリとヤモリの違いとは？
イモリとヤモリの分類は「両生類」と「爬虫類」
イモリとヤモリは分類上でも違いがあります。「イモリ」は両生類で「ヤモリ」は「爬虫類」です。両生類と爬虫類の大きな違いは、両生類は水辺または水中で生活するのに対して、爬虫類は主に陸上で生活します。つまり、イモリは水辺に生息していますが、ヤモリは主に陸で生活しています。
また、両生類のイモリは水辺で暮らすのに適した粘膜に覆われた皮膚をしていますが、爬虫類のヤモリはうろこに覆われているという違いもあります。
イモリとヤモリの違いは「腹部が赤い色をしているか」
「イモリ」と「ヤモリ」の大きな違いは「腹部の色」です。「イモリ」の腹部が赤いのに対して、「ヤモリ」の腹部は赤くありません。
腹部以外の色については、「イモリ」は黒っぽいものが多く、「ヤモリ」は灰色や茶色などイモリほど色が濃くない色合いが多いです。種類によってさまざまな色がありますが、腹部に関しては「イモリの腹部は赤い」という特徴があり、ヤモリに赤い腹部をした種類はいません。
イモリとヤモリの違いには「瞼の有無」も
「イモリ」には瞼（まぶた）があるため瞬きができます。「ヤモリ」には一般的に瞼はなく、例外的にトカゲモドキという種類のヤモリだけに瞼があります。
イモリとヤモリの覚え方とは？
「井守」と「家守」という漢字の違いで覚える
イモリとヤモリの漢字表記は「井守」と「家守」です。この漢字表記から「井守（イモリ）」は井戸の水の中に住んでいて、皮膚の湿っている両生類と覚えることができます。
一方、「家守（ヤモリ）」は家の乾燥した場所にいて皮膚を湿らせる必要がないから爬虫類と覚えられるでしょう。
「井守」と「家守」の語源
イモリは、井戸にいる守り主という意味から「井守」という漢字が使われるようになりました。一方、ヤモリは、家やその周辺に生息することから「家にいる守り主」という意味で「家守」という漢字が当てられました。
イモリとヤモリの共通点とは？
「イモリ」と「ヤモリ」はどちらも外温性
「イモリ」と「ヤモリ」は、どちらも外の気温に体温が左右される外温性の動物です。恒温動物と違い、外気温の変化に反応して体温も上がったり下がったりします。ペットとしてイモリやヤモリを飼育する場合は、気温管理が大切です。
「イモリ」と「ヤモリ」は脱皮する
「イモリ」と「ヤモリ」は脱皮をします。ただし、脱皮の頻度はまだわかっていません。ヤモリの場合、幼体時には2週に1回程度の脱皮をし、成長するにつれて脱皮の頻度が減っていくことはわかっています。
「イモリ」の特徴と習性とは？
「イモリ」とは「腹部が赤い両生類」
イモリの背面は黒っぽいものが多く、腹部は赤い色をした四つ足の両生類です。全長は10センチ前後で、メスよりオスのほうが小さめです。生息地は、ヨーロッパからアジア、アメリカ北部。日本でも本州から九州にかけて分布しています。
水のきれいな川や池、湿地帯などを好み皮膚にはぬるっとした粘着性のある湿り気があります。
「イモリ」は肉食性で冬眠をする
イモリは、ミミズや貝、昆虫などを食べる肉食性です。ほとんどの季節は水中で生活しますが、冬は水底、または陸に上がって枯れ葉の下や石の間などで冬眠をします。
「イモリ」の赤い腹部には毒性がある
イモリの腹部が赤いのは、テトロドキシンという毒性を持っているためです。イモリを触るときには注意し、触った後は手を洗うようにしましょう。
「ヤモリ」の特徴と習性とは？
「ヤモリ」とは「全身にうろこがある爬虫類」
「ヤモリ」は全身がうろこで覆われている爬虫類です。熱帯から温帯地域まで生息できるので、南極を除く広い場所に分布しています。約650種あると言われていて、大きいものでは30㎝にもなるトッケイと呼ばれるヤモリもいます。
「ヤモリ」の手は吸盤になっている
ヤモリの指には、ひだ状になっている「趾下薄板（しかはいばん）」があり、吸盤の役目をしています。壁や窓ガラスなどに張り付くことができるのはそのためです。瞼がなく夜行性で、暗闇でも昆虫を捕食することができます。
まとめ
「イモリ」と「ヤモリ」の違いについて解説しました。分類の違いとしては、イモリは両生類でヤモリは爬虫類です。また、イモリの腹部は赤くヤモリは赤くないという違いもあります。
イモリとヤモリの覚え方は、漢字にするとよいでしょう。「井守（イモリ）」は水辺に生息し、表皮はヌルヌルしているという特徴があります。一方「家守（ヤモリ）」は、陸上に生息しているので、うろこに覆われた全身は乾燥しています。
