「非難轟々」は間違い?意味・例文解説と「非難囂々」との違いも

近年、SNSで“炎上する”という表現をしばしば耳にしますが、この“炎上”はまさに「非難轟々(ひなんごうごう)」の良い例です。この「非難轟々」という四字熟語は、「非難囂囂(囂々)」の表記でも用いられますがどちらが正しいのでしょう。本記事では意味をはじめ、漢字表記の違いやその使い方について解説します。

「非難轟々」の意味と漢字の違い

「非難轟々」とは「非難する声が大きい様」という意味

「非難轟々」とは「非難する声が大きい様」という意味です。転じて、相手の失敗や悪いところなどを「激しく非難する様」「激しく責め立てとがめる様」を表します。

「非難轟々」と書いて「ひなんごうごう」と読みます。

「ひなんごうごう」は「非難囂囂」が本来の漢字表記

「ひなんごうごう」という四字熟語は、「非難囂囂」あるいは「非難囂々」とも書きます。実は、本来はこちらの表記が正しいとされ、先に紹介した「非難轟々」は誤字・間違いとされています。

「非難囂囂」の「囂」という字は、「かまびすしい」つまり「やかましい、さわがしい」という意味を持ちます。対して「非難轟々」の「轟」の字は「とどろく、大きな音が鳴る」という意味の漢字です。漢字の意味に忠実に解釈すると、「非難囂囂」は「非難する声がやかましい(やかましいほどに非難を集めている)」という意味に、「非難轟々」は「非難する声が大きい」というニュアンスになります。厳密にいうと意味が異なるものの、そう大きな違いはありません。

「非難轟々」と書かれることも多い

「ひなんごうごう」は正しくは「非難囂囂」と書きますが、実際には「非難轟々」の表記を用いられることも多いです。本来の漢字とは違うものの、漢字のわかりやすさなどから「非難轟々」の表記をあえて用いる例もあるようです。

本記事では正しくは「非難囂囂(非難囂々)」であることを前提として、便宜上「非難轟々」の表記を使用します。

「非難轟々」の使い方と例文

「非難轟々だ」「非難轟々状態」と使う

「非難轟々」は「~に対して非難轟々だ」や「非難轟々状態」などの表現でよく用いられます。わかりやすくいうとクレームが殺到するような様は「非難轟々状態」と言えるでしょう。

例文
  • 利用者から非難轟々だったため、急きょそのサービスは取りやめとなった。
  • A氏の掲げる政策はあまりにも世情にそぐわないと選挙戦序盤から非難轟々だ。

「非難轟々になる」はクレームが殺到すること

「非難轟々になる」とは非難やクレームが殺到することを意味します。たとえば「この内容では非難轟々となるのは必然だ」などといった使用が可能です。他にも「非難轟々となるのも無理はない」「非難轟々になるのも仕方がない」といった例が挙げられます。

例文

こんな時代錯誤な内容では非難轟々になるのも必然だろう。

「非難轟々の嵐」と使う例

「非難轟々の嵐」とは端的に言うと「非難轟々」をさらに強めたニュアンスの言い回しで、「非難の声が嵐のように激しい」という意味になります。まさにネット炎上ともいえる状況が良い例です。

例文
  • 非難轟々の嵐の中、渦中の俳優が会見に挑んだ。
  • そんなことをしたら非難轟々の嵐であっという間にネット炎上だよ?

「非難轟々」の類語・言い換え

「非難轟々」の類語は「非難殺到」「非難する」

「非難轟々」の類語は「非難殺到」が挙げられます。「殺到」とは「多数が一度に、一か所に押し寄せること」という意味で「責め咎める声が一気に集まること」を「非難殺到」と言います。

また、「非難の声が殺到する」や「非難する」といった表現でも似た意味合いになります。

「喧々囂々」とは「騒ぎ立てる様」

「喧々囂々(けんけんごうごう)」とは「口やかましく騒ぎ立てる様」「たくさんの人がやかましくしゃべる様子」を表す四字熟語です。「喧」も「囂」のいずれも「やかましい」という意味を持つため、それぞれの漢字を重ねると「非常にうるさい」というニュアンスになるのです。たとえば「会議は喧々囂々としている」「喧々囂々な議論なだけで会話にはなんの進展もない」などといった使用が可能です。

「非難轟々」の英語訳

「非難轟々」は英語では「criticism」を使って表現

「非難轟々」は英語では「loud criticism」と表現することができます。「loud」は「音量などが大きい、騒々しい」などの意味を、「criticism」は「批判、非難」などの意味を持つ単語です。また「(侮辱や非難の)連発)」という意味の「torrent」という英単語を使い、「torrent of criticism」という英語訳も可能です。

「非難轟々」の英文例

実際に英文で表す愛には「非難が殺到する」「厳しい批判を受ける」などと意訳することも多いです。たとえば「The mayor received much harsh criticism.」は「市長は多くの厳しい批判を受けた=市長に対して非難轟々状態だった」と和訳することができます。

まとめ

「非難轟々」とは「非難の声が大きい様」という意味で、激しく咎め責められる様や非難の声が殺到するような様を表します。たとえばクレームや批判が殺到し炎上するような様は「非難轟々」ということができます。

本来は「非難囂囂(非難囂々)」という表記が正しいですが、「非難轟々」が許容範囲として使用されることも多いようです。どちらの表記でも読めるように覚えておきましょう。