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「立役者」の意味とは?陰の立役者など例文解説と類語対義語

「立役者は彼だ」と言われるとどんな人をイメージしますか?「立役者」の意味や語源を解説します。また「陰の立役者」などの使い方・例文や「立役者」の類語・対義語、英語訳といった関連用語についても紹介しましょう。

「立役者」の意味と語源とは

「立役者」とは「重要な役割を果たす人」のこと

「立役者」とは「物事の中心となり、重要な役割を果たす人」という意味です。物事を成し遂げる際に中心となった人、あるいは重要な役割を果たし功績を挙げた人などを指して「立役者」と言います。しばしば「上に立つ人」と誤解されることがありますが、その役割・功績に言及した表現で、立場に関わらず用いられます。

もともとは「芝居の中心となる役者」の意味を持つ

「立役者」は元々は演劇用語として「一座の中心となる役者、主演を演ずるほどの役者」という意味の表現です。お芝居の中心となるような役者を「立役者」と言います。ここから転じて、一般にも「重要な役割を担う中心的人物」を「立役者」というようになりました。

読み方は「りつやくしゃ」ではなく「たてやくしゃ」

「立役者」は「たてやくしゃ」と読みます。「りつやくしゃ」と読むのは誤りです。また、演劇用語として「立役者」と似た意味の熟語に「立者」「立役」がありますが、これらもそれぞれ「たてもの」「たてやく」と読みます。

「立役者」の使い方と例文

「○○の立役者」「立役者になる」などの言い回しで使う

「立役者」は「○○の立役者」という言い回しでよく用いられます。たとえば「勝利への立役者」というと、「勝利に貢献した人物、勝利に一役買った人物」という意味になります。他にも「立役者になる」「立役者だ」などの表現でも使用されます。

例文
  • 優勝への立役者は彼以外にはいないだろう。
  • 二世議員と揶揄されがちだが、彼は今回の法改正では立役者となり活躍した。
  • 入社数年目の彼がまさか立役者になるとは思わなかった。

「陰の立役者」は「裏で支える人物」のこと

「陰の立役者」とは端的に言うと「裏で支える人」を意味します。表立って活躍するわけではありませんが、「裏で重要な役割を果たす人」を陰の立役者といいます。

例文

陰の立役者として彼が会社の経営を支えているといっても過言ではない。

なお、「影の立役者」という表記は誤りです。「影」は「光によってできる像」を意味するため、この場合は「光の当たらない目立たない場所」という意味の「陰」を使うのが正しいです。

芝居の役者を指して使う例

「立役者」は先述のように演劇用語として「一座の中心となるような役者」という意味を持ちます。この演劇用語としての「立役者」は次のような使用が可能です。

例文
  • 彼女は劇団の立役者としての顔のほか、一座の経営陣としての顔も持っている。
  • 彼は数年後には一座の立役者となるだろう。

「立役者」の類語・類義語

「立役者」の類語は「花形」

演劇用語としての「立役者」の類語では「花形」が挙げられます。「花形(はながた)」とは、一座の代表となるような人気俳優を意味する語です。元々は歌舞伎の世界で華やかな人気者を指して「花形」と読んだことに由来します。

「旗振り役」「火付け役」なども類語のひとつ

「物事の中心となり重要な役割を担う人」という意味で使う場合は、「旗振り役」「火付け役」などといった語が類語として挙げられます。「旗振り役」とは物事の先頭に立ち、周囲に働きかけながら進める人という意味です。「火付け役」は文字通り「火をつける役の人=きっかけを作る人」という意味を持ちます。

このほか「リーダー」「中心人物」といった語も類語ではありますが、この場合は「中心となる人」という意味が強くなり、「重要な役割を担う」というニュアンスが薄くなることもあります。

「功労者」も似た意味の表現

「功労者」とは「苦労の末に功績を残した人、手柄を立てた人」という意味です。「文化功労者」のように、褒章受章者の呼び名に用いられることもあります。

「功労者」と「立役者」は重要な役割を担う人(担った人)というニュアンスで通じる意味を持ちます。

「立役者」の対義語・反対語とは

反対の意味を持つ語は「脇役」「端役」

「立役者」が中心となり重要な役割を担う人なので、その反対の意味では「脇役」「端役」が挙げられます。「脇役」は演劇用語としては「主役を助け引き立たせる人」という意味があり、転じて「中心となる人を助ける人、補佐する人」という意味もあります。「端役(はやく)」は「重要ではない役」という意味です。

「裏方」も対義的表現

「裏方」とは文字通り「舞台の裏側で働く人」という意味です。転じて「陰で実質的な仕事を担う人、表立たない仕事を引き受け進める人」という意味でも用いられます。

「裏方」は「立役者」とは反対のニュアンスを持ちますが、「陰の立役者」の形で使うと「裏方でありながら重要な役割を担う人」というニュアンスです。

「立役者」の英語訳

「立役者」は英語で「key role」を使って英訳する

「立役者」の英語訳では「key role」「important role」といった表現が使用できます。いずれも「重要な役」という意味で、「play a key role in ~」で「重要な役割を果たす」という和訳が可能です。

例文

He played a key role in the political stage.(彼は政界の立役者となった)

「leader」を使った英訳も可能

「立役者」は「leader」を使って英語訳することも可能です。「leader」は「指導者、統率者」などの意味を持ち、日本語でも「リーダー」とカタカナで使うことも多いです。「leading figure」と英訳する例もあります。たとえば「leading figure on the development」は「進展の立役者」という和訳ができます。

まとめ

「立役者」とは「物事の中心となり重要な役割を担う人(果たす人)」という意味です。元々は演劇用語として、一座の中心となる重要な俳優を「立役者」と読んだことに由来します。一般には「陰の立役者」の表現で「目立たない場所で重要な役割を担った人」を指して使うことも多いです。

「立役者」は単に中心となる人というよりはその役割・功績がポイントになります。「リーダー」のようにトップに立つだけでなく、実質的な役割に合わせて使用する表現ともいえるでしょう。