世の中には様々なことわざがありますが、天気を用いたことわざも例外ではありません。そこで晴れや雨、雷など天気にまつわることわざを、日本語と英語あわせて11選紹介します。あわせて「動物が〇〇すると雨」のように天気と動物に関する面白い言い伝えも見ていきましょう。
晴れの天気に関することわざ
「天に三日の晴れなし」は良いことばかりではないこと
「天に三日の晴れなし(てんにみっかのはれなし)」とは、晴れた天気の良い日が3日とは続かないことという意味です。それをたとえとし、良いことばかりが続くわけではないという意味で用いられます。
「褻にも晴れにも歌一首」は無能さをあざ笑うことわざ
「褻にも晴れにも歌一首(けにもはれにもうたいっしゅ)」とは、普段だろうと晴れの席(おめでたい席)であろうと同じ歌一首しか読めない、という意味です。転じて、どんな時も同じ歌しか読めない無能な人、無能無芸な様を嘲笑う意味で用いられます。
雨の天気に関することわざ
「雨だれ石を穿つ」はいつかは成功すること
「雨だれ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」とは、小さな雨だれでも長い年月同じところに落ち続ければ石に穴を開けてしまう、という意味です。転じて小さな努力も長い年月、諦めずに続ければいつかは成功することのたとえとして用いられます。
「朝雨と女の腕まくり」は恐れるに足りないこと
「朝雨と女の腕まくり(あさあめとおんなのうでまくり)」とは、恐るるに足りないことのたとえです。女性が腕まくりをしても大した力はなく恐れる必要がないように、朝の雨もすぐにやむものだから心配しなくていい、という意味で用いられます。似た意味のことわざでは「俄雨(にわかあめ)と女の腕まくり」もあります。
「旱(ひでり)に雨」はやっと実現すること
「旱に雨(ひでりにあめ)」とは、日照り続きに降る雨を意味し、転じて「待ち望んでいたことがやっと実現すること」のたとえです。「干天の慈雨(かんてんのじう)」も同義で、待ち望んだこと以外でも「困っているときの救いの手」のたとえとしても用いられます。
雷・雪・その他の天気に関することわざ
「雷が落ちる」とはひどく叱られる様
「雷が落ちる」とはひどく叱られる様を意味します。雷鳴が響くようにひどく怒鳴りつけられて怒られる様を表します。
「蛍雪の功」は苦学の成果のこと
「蛍雪の功(けいせつのこう)」とは、苦労して勉学に励んだ成果を意味します。中国の歴史書に由来を持つ表現で、貧しい家に生まれた官吏、車胤と孫康がそれぞれ蛍の光と窓の外の雪明かりで本を読み勉強したという故事をもとにしたことわざです。
「暑さ寒さも彼岸まで」はやがては終わりが来ること
「暑さ寒さも彼岸まで(あつささむさもひがんまで)」とは、夏の残暑も秋のお彼岸までには涼しくなり、冬の寒さも春のお彼岸までには和らぐことを意味します。季節の移り変わりの目安として用いられるほか、困難な事柄もやがては終わりがくること、というニュアンスでも用いられます。
天気に関する海外のことわざ
After a storm comes a calm.
「After a storm comes a calm.」とは直訳すると「嵐の後には静けさがやってくる」という意味です。日本語でいうところの「雨降って地固まる」と似たニュアンスになります。
Rain before seven, fine by eleven.
「Rain before seven, fine by eleven.」とは雨の多い国として知られるイギリスのことわざです。「7時までの雨は11時までには晴れる」という意味で、午前中のうちに止むから心配しなくて良い、という意味で取るに足らないことのたとえとして用いられます。イギリスの雨の降り方、特徴を表すことわざでもあります。先述の「朝雨と女の腕まくり」と似た意味の表現です。
Lightning never strikes twice in the same place.
「Lightning never strikes twice in the same place」は直訳すると「雷は決して同じ場所に落ちることはない」という意味です。転じて、災いが同じところに2度と起きることはない、と物事を楽観的にとらえたことわざです。人を励ますニュアンスでも用いられます。
天気と動物の言い伝え
ツバメが高く飛ぶと晴れ、低く飛ぶと雨
天気を使ったことわざとは少し異なりますが、天気と動物の言い伝えは古くからあります。たとえば「ツバメが高く飛ぶと晴れ、低く飛ぶと雨」が良い例です。
ツバメは空中を飛んでいる虫を餌とする鳥です。ところが、その虫は湿度が高いと羽が重くなり、低いところしか飛べません。そのため、湿度が高く雨が降りそうな日はツバメは餌となる虫をとるために低くとぶというわけです。
一方湿度が低く天気の良い日は虫が高く飛べるため、ツバメも高いところを飛び餌を集めます。
猫が顔を洗うと雨が降る
猫にまつわる言い伝えでは「猫が顔を洗うと雨が降る」が挙げられます。
空気中の湿度が高くなると猫の顔についたノミの動きが活発になり、猫は顔が痒くなります。そのため、顔を洗うように手で顔をこすり毛づくろい(グルーミング)を行うのです。これが「猫が顔を洗うと雨が降る」という言い伝えの裏側です。また、空気中の湿気が多くなると、ヒゲも重くなり、その”ハリ”も失われます。猫はヒゲをセンサーのように活用することから、”ハリ”を取り戻すために顔をこするとも言われています。
他にも「猫がくしゃみをすると雨が降る」という言い伝えもあり、これは猫がいつもとは違った行動をすることは天気の変化のサインかもしれないことを表しています。
蜘蛛の巣に朝露があれば晴れ
「蜘蛛の巣に朝露があれば晴れ」とは、文字通り朝起きて蜘蛛の巣に水滴がついていればその日は晴れることを意味します。
前日の夜に晴れていると地面の熱が空へと放射状に逃げ、気温が下がります。それにより、空気中の水蒸気が冷やされ水に変わり、蜘蛛の巣にも水滴がつくというわけです。前日の夜に晴れていればその日の天気ももつだろう、というのが「蜘蛛の巣に朝露あれば晴れ」です。
まとめ
天気にまつわることわざと天気と動物に関する言い伝えを紹介しました。天気の特性をたとえとしたことわざは、多くの人の経験として共通する部分も多いのが特徴でしょう。前向きになれることわざも多いので座右の銘としても活用してみてください。