「デリバティブ」の意味とは?先物など種類やメリットとリスクも

投資や資産運用の分野では「デリバティブ」というワードをしばしば耳にします。2020年には「デリバティブ」の取引高は年間最高を記録したことでも話題になりました。「デリバティブ」とは何か、その意味をはじめ種類やレバレッジ・FXとの違いについて、また危険性やメリットについても紹介します。

「デリバティブ」の意味とは?

「デリバティブ」とは「金融派生商品」のこと

「デリバティブ」とは金融商品の一種で、一般には「金融派生商品」「派生商品」などと呼ばれます。株式や債券など本来の商品から派生した金融商品で、先物やオプション取引など投資リスクを抑える、あるいは資金効率を高めるなど利益を追求する手法として考案されました。

「デリバティブ」は英語の「derivative」の意味に由来

「デリバティブ」というワードは英語の「derivative」に由来します。「derivative」には「派生的、副次的」という意味があり、「もともと存在するものから二次的に派生している」というニュアンスを持つ単語です。

「デリバティブ商品」は個人の資産運用にも多い

「デリバティブ商品」は個人の資産運用にも多く、今や私たちにも非常に身近なものになっています。多様化するニーズに応えるべく、様々な形で「デリバティブ」を取り入れた商品が多く、積極的な取引が行われているようです。

「デリバティブ取引」の種類とは

「先物取引」と「オプション取引」が代表例

「デリバティブ取引」には大きく3つの種類がありますが、その中でも代表的なのが「先物取引」と「オプション取引」です。

「先物取引」とは「将来の売買について現時点で約束をする取引」

「先物取引」とは「将来の売買について現時点で約束をする取引」のことです。現時点で売買価格や数量のみを約束しておき、約束の日が来た時点で売買を行います。前もって価格を決めておくため、価格変動リスクを回避できるのが大きな特徴です。仮に、約束の日に価格が大きく下がった場合でも当初取り決めた金額で売買しなければならない、というリスクはありますが、価格がどう変わるかわからないからこそ“予約”には大きな意味があるといえるでしょう。

また、外国為替取引における「先物予約」は「先物為替予約(為替予約)」とも呼ばれます。

「オプション取引」とは「将来売買する権利をあらかじめ売買しておく取引」

「オプション取引」とは「将来売買する権利をあらかじめ売買しておく取引」です。先に“売買する権利”のみを購入し、実際にその金融商品を買うかどうかは売買するタイミングで決めることができます。買わなかった場合は、“売買する権利”に支払った額が損失になります。

しかし、「先物取引」のように必ず売買が発生するわけではないので、市場価格との関係で最終的な決断ができる点、また損失を抑えられることがメリットです。

「スワップ取引」も「デリバティブ」のひとつ

「デリバティブ取引」には「スワップ取引」もあります。「スワップ」とは「交換」を意味する語で、「デリバティブ」における「スワップ」は主に性質の異なる支払い義務などを交換する取引を意味します。たとえば「通貨スワップ(同じ通貨で異なるタイプの利息を交換)」「金利スワップ(異なる通貨の利息を交換)」などが挙げられます。「スワップ」は金利変動リスクを管理する手法として、企業の財務管理にも用いられる手法です。

「デリバティブ」ではそれぞれを掛け合わせた商品も多く、「先物オプション」「スワップオプション」などの商品も開発されています。

「デリバティブ」の「レバレッジ取引」とは

「レバレッジ」とは証拠金を担保にその何倍もの額の取引をすること

「レバレッジ」とは証拠金を口座に入れ、それを担保として証拠金の何倍もの額の取引を可能とする仕組みのことです。たとえば現物取引の場合は、100万円の口座資金で100万円の現物株を購入できますが、“レバレッジ10倍の取引”の場合、同じ100万円(証拠金)で1,000万円のデリバティブ取引が可能です。

「デリバティブ」の多くはレバレッジを活用

デリバティブ取引では、このレバレッジを活用した資産運用が多いです。この場合手持ちが少なくても資産が運用できるのは魅力的ではありますが、手持ちの資金以上の損失を抱えるなどリスクが大きくなるため注意も必要です。

「デリバティブ」と「FX」の違いとは

「FX」とは「外国為替証拠金取引」の略称

「FX」とは「外国為替証拠金取引(Foreign Exchange)」のことで、一定の証拠金を預託し、それにレバレッジをかけた運用のことです。主に為替変動による差金で外国為替(外国通貨)の売買をする取引を指します。

FXという語を身近に耳にすることも多いですが、先述のようにレバレッジ取引は大きな収益を得るチャンスと大きな損失を招くリスクが混在します。

「FX」も「デリバティブ」のひとつ

「FX」と「デリバティブ」の違いでいうと、「FX」も金融商品取引法に規定されている「デリバティブ」の一種です。つまり「デリバティブ」の中に「FX」も含まれると考えて問題ありません。

「デリバティブ取引」は危険?メリットとリスク

「デリバティブ」の活用でリスク低減は可

「デリバティブ取引」は資産運用におけるリスクの低減に活用することができます。先述のように「先物取引」や「オプション取引」で価格変動によるリスクを低下させられるのはメリットのひとつでしょう。利益を追求しながらもリスクを一定に限定させられるのもメリットとされています。

失敗すると証拠金以上の損失が出る場合も

一方で、レバレッジを活用した取引が多いため、証拠金以上の損失が出る点は大きなリスクです。予想に反した動きをした際には、大きな損失が出る可能性もあります。

また、「デリバティブ取引」は取引が複雑化している点にも注意が必要です。たとえばFXなどではレバレッジを効かせる一方で損失が出たまま自動的に決済される例もあります。一般の投資家にとっては難しい点も多く、取引の前にしっかりとしたリスク把握が求められます。

まとめ

「デリバティブ」とは金融商品の一種で、「派生商品」「金融派生商品」のことです。「デリバティブ」には先物取引、オプション取引、スワップ取引などがあり、いずれも価格変動のリスクを減らしたり、資金効率を高めたりすることが期待できる金融商品です。

「デリバティブ取引」はレバレッジを効かせた商品も多く、その場合、担保とした証拠金の何倍もの額での売買が可能になります。FXもデリバティブの一種で、レバレッジをきかせたものが多く大きなリスクも存在します。商品・取引の仕組みに対する十分な理解が求められます。