寒中見舞い(かんちゅうみまい)を出す時には、出し慣れている年賀状とは違い、いろいろ悩むこともあるのではないでしょうか。今回は、寒中見舞いとはどんなものなのかをはじめ、寒中見舞いを出す時期や、シーン別の文例もご紹介。ぜひ参考にしてみてください。
「寒中見舞い」とは?
「寒中見舞い」とは”季節の挨拶状のひとつ”
「寒中見舞い(かんちゅうみまい)」とは、“季節の挨拶状のひとつで、一年の中で最も寒い季節に出すもの”です。厳しい寒さの中で相手の体を気遣い、お互いの状況を伝え合う季節の便りとして、寒中見舞いは使われていました。
季節の挨拶状は、寒中見舞いの他に「暑中見舞い・残暑見舞い・余寒見舞い」があります。それぞれが寒中見舞いと同様に、その季節ごとに相手の健康を気遣う便りとしての役割を担っています。
喪中の人へのお見舞いや、年賀状欠礼のお詫びにも
寒中見舞いの本来の役目は季節の挨拶状ですが、寒中見舞いは様々な理由で年賀状が出せなかった相手への挨拶としても使われます。
たとえば、12月の中旬を過ぎてから喪中になった場合には、喪中はがきの投函が年賀状受け付け開始日までに間に合わない場合があります。そうした時には、喪中はがきは出さず、寒中見舞いでお知らせをしましょう。
また、自分が喪中である場合や、喪中はがきを受け取っている相手に対しても、寒中見舞いは出すことができます。年賀状を欠礼することへのお詫びや、喪中の人へのお見舞いとして寒中見舞いは使えます。
「寒中見舞い」に”年賀はがき”はNG
寒中見舞いに使うはがきは、郵便はがきか私製はがきです。年賀はがきは使わないようにしましょう。
マナーやその他の寒中見舞いに似た挨拶状に関しては、下記の記事で解説しているので参考にしてみてください。
■「寒中見舞い」は喪中はがきの代わり?喪中関係のマナーや出す時期
「寒中見舞い」を出す時期はいつからいつまで?
関東の寒中見舞いの時期は1月8日~2月3日
寒中見舞いを出す時期は、松の内が明けてから立春までとされています。松の内とは、正月の門松を飾っている時期のことを指し、関東と関西や他の地域では松の内とされている期間が異なります。
関東での松の内は、一般的に1月1日から1月7日です。そのため、寒中見舞いを出す時期は関東では1月8日から2月3日までとなります。
関西や他地域では1月16日~2月3日
関西をはじめ、関東以外の地域では、松の内は一般的に1月1日から1月15日までとされています。そのため、関東以外の地域では、寒中見舞いを出す時期は1月16日から2月3日までです。
寒中見舞いは、相手に届く時期が1月8日や16日以降であれば問題ないため、1月7日や1月15日にポストに投函しても大丈夫です。年賀状を欠礼する場合の挨拶として寒中見舞いを用いる場合には、早めの方が相手にも喜ばれます。
寒中見舞いの時期を過ぎたら余寒見舞いを
寒中見舞いを出しそびれて立春を迎えてしまった場合や、立春以降に挨拶をする必要がある場合には、余寒見舞い(よかんみまい)としてはがきを出します。余寒見舞いは夏の挨拶でいう残暑見舞いと同じです。
余寒見舞いを出す時期は厳密には決まっておらず、寒さが続くうちに出すとされています。しかし、暦の上では2月下旬~3月上旬が、空から降るものが雪から雨に変わり、雪解けがはじまるとされる「雨水」にあたるため、余寒見舞いは2月中を目安に出すようにすると良いでしょう。
「寒中見舞い」のシーン別文例とは?
寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出す場合
喪中はがきが間に合わない場合のように、寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出す時には、以下の5つを文中に入れるようにします。おめでたい言葉である年賀の「賀」は使用を避け、「お年始状」や「年頭のご挨拶」などの言葉を使いましょう。
- 寒中見舞いの挨拶の言葉
- 相手の健康を喜ぶ言葉
- 年賀状欠礼のお詫びと年賀状へのお礼
- 簡単な近況
- 締めの挨拶
すべての寒中見舞いを書く際のマナーとして、行頭の一字下げはしないことと、句読点を入れないことを覚えておきましょう。
喪中の相手への文例(喪中はがきへのお返し)
喪中の相手に、喪中はがきへのお返しとして寒中見舞いを出す場合には、以下のような構成にします。
- 寒中見舞いの挨拶の言葉
- 時候の挨拶と相手の健康を訪ねる言葉
- 故人を偲び相手を気遣う言葉
- 締めの挨拶
寒中お見舞い申し上げます
服喪中のことと年頭のご挨拶は遠慮させていただきましたが
春の訪れが待ち遠しい今日この頃 皆様いかがお過ごしでしょうか
ご家族の皆様はお寂しく 寒さもひとしおと存じます
お風邪など召しませぬよう くれぐれもお体ご自愛くださいませ
喪中に年賀状をもらった相手への文例
喪中に年賀状をもらった場合には、以下のような要素を入れて寒中見舞いを構成します。
- 寒中見舞いの挨拶の言葉
- 年賀状へのお礼
- 喪中のお知らせ
- 喪中はがきを出していなかった場合には、そのお詫び
- 締めの挨拶
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただきましてありがとうございました
昨年○月に父○○○○(享年○歳)が逝去し 年頭のご挨拶を控えさせていただきました
ご連絡が行き届かず 誠に失礼いたしました
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
喪中の相手に年賀状を出してしまった場合
喪中はがきを受け取っていたのに喪中の相手に年賀状を出してしまった場合や、喪中と知らず年賀状を出してしまった場合には、あらためて寒中見舞いでお詫びと哀悼の意をお伝えしましょう。
- 寒中見舞いの挨拶の言葉
- 年賀状を送ってしまったお詫び
- お悔やみの言葉
- 締めの挨拶
寒中お見舞い申し上げます
服喪中のことと存じ上げず 年始状を差し上げてしまい 大変失礼いたしました
【故人続柄・敬称】のご逝去を心よりお悔やみ申し上げます
厳冬の折から お体を大切にお過ごしください
年賀状を出しそびれた相手への文例
年賀状を出しそびれた相手から年賀状をもらった場合には、できるだけ早く年賀状を返します。しかし、旅行や帰省などで松の内の間に返礼ができない場合には、寒中見舞いを出しましょう。その場合、以下のような要素を入れて文章を構成します。
- 寒中見舞いの挨拶の言葉
- 相手の健康を喜ぶ言葉
- 年賀状へのお礼と挨拶が遅れたことへのお詫び
- 簡単な近況
- 締めの挨拶
寒中お見舞い申し上げます
皆様におかれましてはお変わりなく良いお年を迎えられましたご様子 心よりお喜び申し上げます
新年のご祝詞をいただきながらもご挨拶が遅れ大変失礼いたしました
私どももおかげさまで無事越年いたしました
今年もご厚誼のほどよろしくお願い申し上げます
まとめ
「寒中見舞い」とはどんなものかをはじめ、出す時期や用途に合わせた文例などをご紹介しました。喪中の場合や年賀状を出し忘れてしまった場合など、様々な用途で使えて利便性が高い寒中見舞い。マナーをしっかりと押さえて、上手に利用しましょう。
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寒中お見舞い申し上げます
寒さ厳しい季節になりましたが 皆様お変わりございませんでしょうか
昨年○月に父○○○○(享年○歳)が永眠し 喪中につき年頭のご挨拶を控えさせていただきました
ご連絡が行き届かず 誠に失礼いたしました
私どもも変わりなく過ごしておりますので どうかご休心ください
今年も変わらぬご厚誼のほど どうぞよろしくお願いいたします