「困窮」の意味とは?例文解説と「困窮」の言い換え・対義語も

「困窮者自立支援金」「生活困窮者給付金」などの表現を目にすることがありますが、この「困窮」はどう読み、何を意味するのでしょう。「困窮」の意味をはじめ、その使い方を例文で解説します。また「困窮」の類語対義語や英語訳といった関連用語にも触れています。

「困窮」の意味と読み方とは?

「困窮」の意味は”困り果てること”

「困窮」の意味は、“困り果てること、困り苦しむこと”です。どうしてよいかわからずに対処に困る様を表します。特に、貧しいために生活に苦しむことを指して用いられることが多いです。

「困窮」の読み方は”こんきゅう”

「困窮」の読み方は、“こんきゅう”です。「困」の字は”こまる、くるしむ、きわまる”という意味が、「窮」の字は”行き詰まる、身動きできない、苦しむ”という意味があります。そのため、熟語の成り立ちとしては”似た意味の漢字を重ねた熟語”ということができるでしょう。

「困窮」の使い方と例文とは?

「困窮する」と使うことができる

「困窮」という熟語は”困り苦しむ、困り果てる”という意味で「困窮する」という動詞で用いることができます。たとえば「対策に困窮する」と使うと”対策に困り果てる=いい対策がなくて困り苦しむ”というニュアンスになります。また、「人が困窮する」と使った場合は”困り果てる”という意味でもとりわけ「生活に困る、苦しむ」というニュアンスでの使用が多いです。

例文
  • 大していい案も浮かばずに困窮する。
  • このまま物価高が続けば人々が困窮するのも目に見えている。

「困窮状態に陥る」と使う例

「困窮する」様は「困窮状態に陥る」と表現することもできます。意味に大きな違いはありませんが、”陥る”という語の印象からよりネガティブなニュアンスが感じ取れる表現とも言えるでしょう。

例文

この不景気で企業も家庭も困窮状態に陥った。
(この不景気で企業も家庭も経済的に苦しい状況になった)

「生活困窮者」とは経済的に困っている人のこと

「生活困窮者」とは”生活に困っている人”つまり「貧困に苦しむ人」という意味です。経済的に困り苦しむ人々を指します。

具体的にどういう人が該当するのかは定義が幅広く難しいですが、働きたくても働けず十分な収入が得られない人や働いていても満足な収入が期待できずに困っている人などが代表的な例として挙げられます。

「困窮」の類語とは?

「困窮」の類語は”貧困”

「困窮」と似た意味の語は”貧困”です。「貧困(ひんこん)」とは”貧しく生活に困っていること”という意味です。「貧困な家庭」や「貧困の中にある」などといった表現で用いられます。

また、「貧困」には”内容に乏しい様、大切なものが欠けていること”という意味もあり、たとえば「貧困な知識」などといった表現も可能です。

「困窮する」は”窮乏する”に言い換えも可

「困窮する」の類語では”窮乏する”が挙げられます。「窮乏(きゅうぼう)」とは”金銭や物が著しく不足し苦しむこと”という意味です。「生活が窮乏する」などの表現で用いられます。

「困窮」の対義語とは?

「困窮」の対義語は”裕福”

「困窮」の対義語は”裕福”です。「困窮」が日々の生活に困る様を表すのに対し、「裕福(ゆうふく)」は収入・財産が多く経済的に恵まれていることを意味します。「裕福な人」「彼は裕福だ」などといった表現が可能です。

「富裕層」なども反対の意味の表現

「生活困窮者」の反対の意味では「富裕層」という語がしばしば用いられます。「富裕(ふゆう)」とは”財産が多くあり、生活が豊かなこと”という意味で、「富裕層」の形で一般に「収入が一定以上ある裕福な人・世帯」を指します。

「困窮」の英語訳とは?

「困窮」は英語で”poverty”

「困窮」を意味する英単語には“poverty”があります。「poverty」とは”貧乏”という意味です。また形容詞「poor(貧しい)」を使い、「be poor=困窮している」という表現も可能です。

「be in great difficulty」という英訳も可

「困窮している」という意味では“be in great difficulty”という英語表現もあります。直訳すると「大きな困難の中にいる」という意味になり、困り果てる様や困り苦しむ様を表します。特に経済的に生活が困窮するという意味では「have financial difficulties」といった表現も可能です。

「need」を使った英訳例も

他にも「be in need」も”困窮している”という意味の英語表現です。「need」は”必要、必要なもの、義務”などの意味で知られますが、「不足、窮状、貧困」といった意味も持ちます。「be in need」は”窮状の中にある=困窮している”という和訳になるわけです。また「困窮している人」という意味で”needy”という表現も用いられます。

例文
  • I was in great need.(わたしは非常に困窮していた)
  • He supplied the needy with some foods.(彼は生活困窮者に食料を提供した)

まとめ

「困窮(こんきゅう)」とは「困り果てること、困り苦しむ様」という意味で、特に貧しく生活に困る様を指して使うことが多い表現です。「生活困窮者」の定義は支援制度によっても微妙に異なりますが、一般には働きたいけど働けないために収入が不十分な人、あるいは働いていても十分な収入が期待できない人などを指すことが多いでしょう。