「身に染みる」とは?「沁みる」との意味の違いと使い方・短文も

「優しさが身に染みる」と人の厚意に感謝したり「寒さが身に染みる」と厳しい寒さを表したりと「身に染みる」という慣用句はさまざまなシーンで用いられます。本記事では「身に染みる」の詳しい意味と「染みる」と「沁みる」の表記の違いについて解説します。使い方や例文、類語表現もあわせて見ていきましょう。

「身に染みる」の意味と漢字表記とは?

「身に染みる」とは「深く感じる」という意味

「身に染みる(みにしみる)」とは「しみじみと深く感じる、心の底から思うようになる」という意味です。また「寒さが身に染みる」のように「体で強く感じられる」という意味もあります。

漢字では「身に沁みる」と書くことも

「身に染みる」は漢字では「身に沁みる」と書かれることもあります。結論から言うとどちらの表記も間違いではありませんが、「沁みる」が常用外漢字であることから「身に染みる」の表記を目にすることが多いかもしれません。また、「身にしみる」とひらがなで書く例もあります。

厳密な意味の違いを述べると、「染みる」は滲むように入り込んでいく様を表し、「沁みる」は身体への刺激として強く感じる様を表します。「沁みる」は漢字からもわかるように、人の心に関連する要素を持っています。

「身に染みる」の使い方と例文

「優しさが身に染みる」はうれしく思う様、強い感謝

「優しさが身に染みる」とは「優しさに深く感じ入る」という意味です。わかりやすく言うと「相手の優しさがとても嬉しかった、ありがたかった」と相手の厚意を嬉しく思ったり感謝したりする様を表す際に使用します。

例文
  • たかがコーヒー一杯だが、彼の優しさが身に染みた。
  • 慣れない環境で受けた彼女の優しさは文字通り身に染みるようだった。

「大変さが身に染みる」は大変さを実感・体感する様

一方「大変さが身に染みる」と使うと「大変であることを実感した、体感した」という意味になります。「大変であることを深く感じる=心の底から大変だと思った」というニュアンスにとるとわかりやすいでしょう。

例文
  • 先輩の日頃の大変さが身に染みてわかった。
  • 母になってやっと親の苦労というものが身に染みるものだ。

「言葉が身に染みる」とは言葉の通りだと深く感じること

「恩師の言葉が数年たった今になって身に染みる」とは「その言葉の通りだと深く感じる」と意味です。「優しい言葉が身に染みる」と使うと「優しさが身に染みる」と同様に感謝するようなニュアンスになりますが、叱咤激励の言葉のように厳しい言葉や助言に対して「身に染みる」と使うと「その言葉が的を射たものであると痛感する」というニュアンスにもなります。

例文
  • 顧客ファーストという先代からの社訓が身に染みてわかるようになった。
  • 趣味を持った方がいいという先輩の言葉が身に染みる。こんな時世だからこそ息抜きは大切だ。

「寒さが身に染みる」は冷気を強く感じる様

「寒さが身に染みる」とは「冷気を強く感じる様、寒さがこたえること」を意味します。急に冷え込み、街中をすり抜ける北風は「身に染みる寒さだ」と表現することができるでしょう。

その一方で、失恋した・上司に叱られたなどといったネガティブな心理状況も相まってより寒さを強く感じたというニュアンスで「寒さが身に染みる」と使う例もあります。

「身に染みる」の類語・言い換え

「身に染みる」は「ひしひしと感じる」に言い換え可

「身に染みる」の類語は「ひしひしと感じる」です。「ひしひしと」とは何かを強く、切実に感じる様を表します。たとえば「ありがたさが身に染みる」は「ありがたさをひしひしと感じている」としても同じニュアンスになります。

「骨身に染みる」という慣用句も

「骨身に染みる(ほねみにしみる)」とは「喜びや苦しみなどを体の芯まで、深く感ずる」という意味です。「身に染みる」と同じ慣用句のひとつです。

「実感する」「心底思う」なども類語表現

慣用表現以外では「実感する」「痛感する」「心底思う」などといった表現が類語として挙げられます。「実感する」は「心の底からそうだと感じること」を、「痛感する」は「強く心に感じること」を意味します。「心底思う」は文字通り、心の底から思う=強くそう思うという意味です。いずれも「身に染みる」よりもストレートなニュアンスになるでしょう。

「身に染みる」の英語訳・短文

英語では「touch my heart」と意訳する

「身に染みる」の英語訳では「touch my heart」という表現が使用できます。直訳すると「心に触れる」という意味で「深く感じる」様を表します。

例文
  • Her words touched my heart.(彼女の言葉が身に染みた)
  • His kindness touched my heart.(彼の優しさが身に染みた)

「身に染みて分かる」の英訳例

「大変さが身に染みる(身に染みてわかる)」の英訳例では「I understand how hard it is.」という言い回しが挙げられます。直訳すると「どんなに大変かがわかった」となり、日本語で言うところの「大変さが身に染みる」と似たニュアンスになります。

「寒さが身に染みる」は「ひどく寒い」と英訳

「寒さが身に染みる」と使う場合の「身に染みる」は「とても寒い、ひどく寒い」と意訳するのが通例です。たとえば「bitterly cold(身を切るように寒い)」という表現が日本語のニュアンスともよくあうでしょう。ただし、日本語よりも直接的な表現になります。

まとめ

「身に染みる」とは「しみじみと深く感じる、心の底からそう思う」様を表します。たとえば「優しさが身に染みる」と使うと相手の厚意を嬉しく思い感謝するような意味に、「大変さが身に染みる」と使うと大変さを実感する・痛感するという意味になります。他にも「言葉が身に染みる」「寒さが身に染みる」など心理的・身体的ニュアンスで使える表現です。