「とりま」とは?正しい意味や例文・使うときに気をつけたい点を解説

最近ではネット上で見かける程度の「とりま」という言葉ですが、実は2000年代後半に流行した若者言葉です。この記事では「とりま」の意味や由来について紹介し、例文を交えた使い方も解説します。また「とりま」の派生語や似たような言葉、使うときに気をつけたい点についても紹介します。

「とりま」の意味と由来は?

「とりま」の意味は「とりあえず、まあ」

「とりま」は「とりあえず、まあ」を略した言葉で、意味も同様です。日本語の副詞にあたる「とりあえず」には”ほかのことはさしおいて”、”まず第一に”といった意味があり、「とりま」もその意味で用いられています。

会話の中では「とりあえず」よりも軽い感覚で用いられることが多いのが特徴的。「とりあえず」に「まあ」が加わることで、ニュアンスとしては「えっと」といった前置きの表現に加えて強調や話題を切り替える役割も果たす言葉です。

「とりま」の由来は「ギャル語」

「とりま」の由来は若者層の間で造られた言葉で、いわゆる「ギャル語」と呼ばれるものです。「ギャル語」とは、日本語の若者言葉の中でも、”ギャル”と呼ばれる若い女性たちやそれに相当する若い男性たちに使われている言葉を指します。

「とりま」は2000年代の半ばに生まれ、インターネットを通じて広がったといわれています。「ギャル語」は流行したあとも若者言葉として定着するものが多く、「とりま」もそうした言葉のうちの一つです。

「とりま」の使い方は?

「とりま」は話をまとめる時に使う

「とりま」は話をまとめる時に「とりあえず」の意味合いで使われる言葉です。また、「まとめる」という意味ほど強いニュアンスではなくても、言葉の間を埋める「まあ」といった意味合いで使われることも多くあります。

例文
・みんな揃ったし、とりまビールで乾杯しよう。
・じゃあ来週の予定は、とりまメールしておくね!

話題を変える時に「とりま」を使うことも

会話の中で話題を変えるときに「とりま」を使うこともあります。「全然話は違うんだけど」「話は変わるけど」といった改まった前置きをしなくても、話題が変わることを伝えられます。その場の会話の雰囲気を変えず、さり気なく使えるのがメリットです。

「とりま」は話題を変えるときだけでなく、会話をまとめたい・終わらせたいときにも使えます。たとえば自身が急いでいるときに話が長引きそうな場合、角を立てることなくやり取りを終わらせたいときに使うと便利です。

例文
・とりま、明日の飲み会って行く?
・ごめん、これから出かけないといけなくて。とりま、また連絡するわ。

「とりま」を加えることで次の言葉を強調できる

「とりま」は、会話の中に強調したい言葉がある場合、その直前に加えることで相手にインパクトを与えることができます。「とりま」を加えることでその後の言葉が引き立ち、相手に気持ちを伝えやすくなるでしょう。

例文
・今日の髪型いつもと違う?とりま、最高に似合ってる!
・すてきなプレゼント、ありがとう!とりま感動したよ。

「とりま」の派生語・似たような言葉は?

「とりあ」

「とりあ」は副詞の「とりあえず」を略した言葉です。「とりま」と同じく”ギャル語”に位置づけられ、しだいに若者言葉として定着しました。意味は「とりあえず」と同様で、会話の冒頭や間で用いられ、「とりま」と置き換えることも可能です。

「とりあ」よりは「とりま」の方がどちらかといえば耳にする機会も多く、よく使われている言葉といえるでしょう。

例文
・疲れすぎたから、とりあ寝るね。おやすみー。
・とりあ今日の宿題も終わったし、ゲームでもしよう。

「それな」

「それな」は「その通り」「そうだね」という相づちの意味の言葉で、「とりま」と同じように”ギャル語”のひとつです。主に相手の会話に対して肯定するときや賛同するときに用いますが、返答に困ったときや返事が面倒な場合にも「それな」が使われることもあります。

そのため「それな」と返されたときに、どのように返事をすればいいか受け止め方に悩んでしまうという人も。シンプルな表現ですが、状況によっては様々な意味が含まれる言葉だともいえます。

ちなみに「それな」の由来ははっきりしていませんが、関西弁で相づちの意味である「せやな」「そやな」が語源という説が有力です。

例文
・A「月曜の朝って起きるの超しんどい」B「それな」
・A「隣のクラスの〇〇くん、かなりイケメンじゃない?」B「それな!」

「あーね」

「あーね」とは共感の気持ちを示す「あー、そうだね」や「あー、なるほどね」を省略した言葉です。相手の意見に理解したときや納得したときに、相づちの意味として使われます。由来は九州地方、とくに福岡・博多の若者の間で使われていた方言という説がありますが、はっきりとは分かっていません。

例文
・A「明日は今日より暑くなるらしいよ」B「あーね。もう半袖にしようかな」
・A「この問題の解き方わかる?」B「昨日習った公式を使えば解けるよ!」A「あーね。ありがとう」

「とりま」を使うときに気をつけるべきこととは?

ビジネスシーンやオフィシャルな場面では使わない

「とりま」は前述したように若者言葉であり、短くテンポがよいことからカジュアルな印象を持たれる言葉です。仲の良い友人との日常会話や飲み会といった、くだけた場面で使う分には問題ありませんが、ビジネスシーンやオフィシャルな場面では使うべき言葉ではありません。

また、目上の人に対して使うのも避けたいものです。相手を不快にさせるほか、失礼だと感じられる恐れもあります。

相手を不快にさせないよう注意する

カジュアルな場面であっても「とりま」をむやみやたらと使うことは好ましくありません。「とりま」は若者言葉なので意味を知らない人もいますし、その場合意味が通じないことも考えられます。

また年齢や性別に関係なく、若者言葉を使うことに対して不快感や嫌悪感を抱く人も少なくありません。「とりま」を使うのは気心の知れた友人とのやり取りの時にとどめておく方が賢明でしょう。

まとめ

「とりま」は若者層の間で造られたいわゆる「ギャル語」と呼ばれるもので、2000年代の半ばに生まれた言葉です。「とりあえず、まあ」を略した言葉で、同様の意味で用いられます。短くテンポがよいことからカジュアルな印象を与えるため、仲の良い友人との日常会話で使う分には構わないものの、ビジネスシーンやオフィシャルな場面では使うべき言葉ではありません。