「一生懸命」の言い換えとは?ビジネスシーンや就活で役立つ表現と例文も紹介

日常会話やスポーツの場面など、様々なシーンで見聞きする「一生懸命」という言葉。よく使われる言葉だからこそ、シチュエーションに合った言い換え表現を身につけておくと言葉の表現力がアップします。この記事では「一生懸命」の基本的な意味から一般的な言い換え表現、ビジネスシーンで役立つ表現などを紹介します。

「一生懸命」の意味とは

「一生懸命」の意味は「命をかけて物事に取り組むようす」

「一生懸命(いっしょうけんめい)」には「命をかけて物事に取り組むようす」の意味があります。物事に集中して取り組む様子から真剣さが伝わるので、前向きな意味合いで使われることが多い言葉です。

「一生懸命」と似た言葉に「一所懸命(いっしょけんめい)」があります。「一所懸命」とは「命をかけて領地を守り通す」という意味。「一所」とは昔、武士が賜った”一か所”の領地を指します。この「一所」が「一生」となり、「一生懸命」が使われるようになったとも言われています。

どちらの言葉もほぼ同じ意味を持つものの、「一所」が「一か所」を指すことから「一所懸命」には「ひとつのことにのみ力を尽くす」といったニュアンスに取られるケースがあります。そのため、一般的には「一生懸命」がよく使われています。

「一生懸命」はビジネスシーンでも使える言葉ですが、あまり頻繁に使いすぎてしまうと説得力がなくなってしまうおそれもあります。状況に応じて別の言い換え表現を用いるとよいでしょう。

「一生懸命」を英語で言い換える場合は「diligently」

「一生懸命」を英語で表現する場合、「diligently」がよく使われます。「diligently」は「熱心に」「勤勉に」を意味する副詞。この他には「industrious」や「hardworking」を使う場合があります。

「He diligently studied for the exam  and received a high score.(彼は一生懸命試験勉強をして、高得点を取った)」「They are working hard.(彼らは一生懸命働いている)」のように用います。

「一生懸命」の一般的な言い換え表現とは

「熱心」

「熱心(ねっしん)」は「物事に対して深く心を打ち込むこと・全力であること」「気合や情熱が感じられること」「熱中して行うこと」を意味する言葉です。「彼女は先生の講義を熱心に聞いていた」「課題のレポートから彼の研究熱心さが伝わってきた」「帰宅してからすぐ、おやつも食べないで本を熱心に読んでいる」のように使います。

「一心不乱」

「一心不乱(いっしんふらん)」とは「一つのことに打ち込むこと」「他のことを考えず、心を集中して物事に取り組むようす」という意味を持つ言葉です。必死で物事に取り組んでいる様子が伝わるため、「一生懸命」よりもさらに集中して物事に取り組むことを伝えたいときの言い換え表現として適しています。

たとえば「彼は営業ノルマを達成させるため、一生懸命に電話をかけていた」という文章を「彼は営業ノルマを達成させるため、一心不乱に電話をかけていた」と言い換えることで、必死で電話をかけている様子がイメージしやすくなります。

「真剣」

「真剣(しんけん)」も「一生懸命」の言い換えとして使えます。「真剣」とは「本気で事にあたること、勝ち負けを争うこと」を意味する言葉です。とくに「一生懸命」の中にも「真面目に、まっすぐに」といった意味合いを含めたい場合に言い換えるとよいでしょう。

たとえば「私の長所は、どんな仕事であっても一生懸命取り組めることです」を「私の長所は、どんな仕事であっても真剣に取り組めることです」のように言い換えられます。

ビジネスシーンや就活で使いたい「一生懸命」の言い換えとは

「精一杯」

「精一杯(せいいっぱい)」は「最大限の、できる限りの」「持っている力のすべてを出すこと」の意味を持つ言葉です。「精」には「気力、心、精神」などの意味があり、自分の気力や精神のすべてを出すという意味で使われています。

ビジネスシーンでは「ご期待に添えるよう、一生懸命努力します」といった表現を「ご期待に添えるよう、精一杯努力します」に言い換えることで”自分の持てる力すべてを出す”という精神の強さを言いあらわせます。

「誠心誠意」

「真心を尽くす」、「心をこめて真面目に取り組むこと」を意味する「誠心誠意(せいしんせいい)」という四字熟語。「誠心」は「心に偽りがないこと、まごころ」を、「誠意」は「正直に真面目に取り組む態度」を意味します。「一生懸命」が持つ意味の「全力を尽くして行動すること」に加え、自分自身の熱意を相手により強く伝えたいときに言い換えるとよい言葉です。

たとえば、取引先へのフォロー体制について述べる場合「当社では商品購入後も、アフターフォローに一生懸命努めております」を「当社では商品購入後も、アフターフォローに誠心誠意努めております」と言い換えることで、熱意と”心をこめる”ニュアンスが伝わります。

「全力で」

「全力で」も「一生懸命」を言い換えたいときに使える表現です。「全力で」には「持っている限りの力、ありったけの力」の意味があり、文章や会話の例では「全力を尽くす」「全力を傾ける」のように用いられます。「一生懸命」が物事に集中して取り組む「様子」や状況、心構えをあらわすのに対して「全力で」の場合は「自分の持つ力の量のすべて」といった”量”的な意味合いが強い言葉です。

たとえば、重要なプレゼンの前日に「当日は、一生懸命臨みます」と意気込みを述べるより「当日は、全力で臨みます」と言い換えることで「持つ力のすべてを出し切る」といった意味合いが伝わりやすくなります。

「一生懸命頑張る」の言い換え表現とは

「最善を尽くす」

「一生懸命頑張る」は「一生懸命」を用いる事例としてよく見られるフレーズです。「一生懸命頑張る」は「最善を尽くす」に言い換えることができます。

「最善」の意味は「いちばんよいこと、いちばん適切なこと」、「尽くす」は「今ある限りを出し切ること」。すなわち「最善を尽くす」とは「今ある手順や状況の中でも最もよいと思われることを行う」という意味です。

何かの期待に応えたいときや頑張りを見せたいときに用いることで、「一生懸命に頑張る」という気持ちを伝えることができます。

「力を注ぐ」

「力を注ぐ」は「努力やエネルギーを尽くす」という意味の言葉です。努力や熱意を示す意味合いが含まれた表現であり、「一生懸命頑張る」の言い換え表現として使うことができます。

たとえば「売上が回復するよう、一生懸命頑張りたいと思います」を「売上が回復するよう、力を注ぎたいと思います」と言い換えが可能です。

まとめ

「一生懸命」は「命をかけて物事に取り組むようす」の意味があり、前向きな意味合いで使われることの多い言葉です。様々なシーンで使える言葉ですが、あまり頻繁に使いすぎてしまうと説得力がなくなってしまうおそれも。「熱心」や「最善を尽くす」といった言い換え表現を、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。