インターネット掲示板やSNSで時々見かける「orz」という文字列。実は正しい意味や読み方がわからないまま、読み流している方も多いかもしれません。この記事では「orz」の正しい意味や読み方、使い方について解説します。また、海外表現についても紹介しますので参考にしてください。
「orz」の意味と読み方は?
「orz」は「残念な気持ち」を表すアスキーアート(AA)
「orz」とは「残念な気持ち」や「失望、落胆」を表すアスキーアートです。「o」は人間の頭、「r」は床に手をついている上半身、「z」は膝をついて座り込んでいる下半身を表しており、人ががっくりと座り込んでいる様子が読み取れます。人ががっかりしているように見えることから、失望や落胆の意味で用いられます。
アスキーアートとは”American Standard Code for Information Interchange”の略で、文字や記号などのプレーンテキストをコンピューターの画面上に縦横に並べ、絵に見立てたもののことです。テキストアートや絵文字とも呼ばれ、「AA」と略されています。
「orz」の読み方は「オルズ」「オルツ」など
「orz」の読み方は「オルズ」「オルツ」などで、特に名称が決まっていません。読み方が決まっていない理由は、おもに文章を介して広がった言葉であるから。基本的に声に出して読み上げることがないため、人によって様々な読み方で使われています。
多くは「オルツ」や「オルズ」と読まれているようですが、アルファベットの通り「オーアールゼット」と読まれたり「オリザノール」とアレンジして読まれたりもしています。また、がっかりしているイメージであることから「がっかり」「ガックリ」などと読まれることもあります。
「orz」の使い方は?
「orz」は落胆や失望を表すときに使う
「orz」は落胆の気持ちや失望を表すときに使います。文章の途中で使うことはあまりなく、文末に使用するケースがほとんどです。絵文字や顔文字と同様、直前の文章の気持ちを表すときに使います。
もちろん、使う場面は友人との会話ややり取りの時に限られます。ビジネスシーンや改まった場での使用は避けましょう。
「orz」は感謝や謝罪を表すときにも使う
「orz」は人が土下座をしているようにも見えるため、感謝や謝罪を意味することもあります。申し訳ないという気持ちをカジュアルに伝えたいときに使うと、あまり深刻なニュアンスにならずにすみます。ただし、相手に大きな迷惑をかけた場合や、本気で怒らせてしまった場合には使わない方がよいでしょう。
また、感謝の意味で用いられるケースもありますが、こちらは稀で、あまり見かけることは多くありません。
「orz」を使った例文
- がんばって早起きしたのに、電車で寝過ごしたorz
- 全然こっちの気持ちをわかってくれない、もう無理だorz
- 少し遅れそう!申し訳ないですorz
- 探していた時計、カバンに入ってたよ。お騒がせしましたorz
「orz」の由来は?
「orz」の由来は日本のニュースサイトの投稿
「orz」の由来は2002年「TECHSIDE」という日本のコミュニティニュースサイトで使われていたとされています。
このサイト内の投稿掲示板「教えて君BBS」に投稿された「ケーブルカバーに関する質問」に対する回答の中に、ケーブルとケーブルカバーを「_| ̄|○」で表現したものがありました。
これが、まるでひざまづいて頭を垂れている人のように見えると話題になったことからアスキーアートとして使われるようになり、タイピングしやすい簡略な「orz」へと変化していきました。
「orz」はもう古い?
「orz」は前述したように記号や文字を組み合わせて絵に見立てた「アスキーアート」です。実はこのアスキーアート、もう古いという声が一部であがっています。
若者世代はそもそも、絵文字や顔文字が発達した環境のもとでSNS等を使い始めています。そのためアスキーアートやネットスラングを目にする機会もなく、自然と「意味を知らない人」や「使わない人」が増加しました。
「orz」と似た意味のAAや顔文字は?
「orz」と似た意味のAAは「OTL」
「orz」と似た意味のAAは「OTL」です。「orz」と同じように、がっかりとしてうなだれている様子を表しています。
このほかにも「orz」に類似したAAはバリエーションがあり、頭が大きい「Orz」やリーゼントヘアーを表した「prz」など様々です。
「orz」と似た意味の顔文字もある
顔文字とは、文字や記号を組み合わせて人の表情を表したもののことです。フェイスマークとも呼ばれています。一例として、笑っている様子を表す「(^o^)」や、泣いている顔を表す「(ToT)」などが挙げられます。
「落胆」や「失望」を表す顔文字には「(_ _||||)」や「ヽ(´Д`;)ノ」があり、文章で「orz」と同様に使うことができます。
「orz」の海外表現は?
「orz」の海外表現は「:(」
「orz」と同じような意味を海外で顔文字で表現する場合「:(」や「:_(」を用います。
海外(とくに欧米圏)の顔文字は、日本とは違い顔を反時計回りに90度回転させた状態で表しています。「:(」の場合はコロンの「:」が目を、半角カッコの「(」が口を表しており、悲しい様子を表現しています。また、「:_(」の「_」は涙を流している様子です。
この他に「&-(」(&で目に涙が浮かぶ様子を表している)や「:-C」(アルファベットのCで大きく口を開けている様子を表している)を使っても、「orz」と同様に落胆や失望・がっかりした気持ちを表現できます。
海外における日本の「orz」
海外でも「orz」の意味は通じます。ただ、海外では憂鬱な気持ちを表す時に用いられる傾向があり「もうだめだ」という意味で使われています。
ちなみに、アスキーアートの「orz」のほか、日本の顔文字は海外でも通じることがあります。特に台湾や中国などのアジア圏では、日本と同様の縦向きの顔文字を使っている人が多いため、日本の顔文字が自然と通じるケースも。
また前述したように欧米では顔文字の向きが横を向いているものが一般的ですが、若い世代には日本の縦向きの顔文字が知られていることもあり、周知度は高いとみられます。
まとめ
「orz」は「残念な気持ち」や「失望、落胆」を表すアスキーアートです。アスキーアートとは文字や記号などのプレーンテキストをコンピューターの画面上に並べて絵に見立てたもののことで「AA」とも呼ばれています。「orz」の読み方は「オルズ」「オルツ」などで、特に決まっていません。おもに文章を介して広がった言葉で、基本的に声に出して読み上げることがないため、様々な読み方で使われています。