「貢献」という言葉はビジネスシーンで耳にすることが多いだけでなく、「社会貢献」や「地域貢献」といった単語として日常会話でも身近に使われています。この記事では「貢献」の意味や具体的な使い方を解説するとともに、様々なシーンに合わせた「貢献」の言い換え表現を紹介します。
「貢献」の意味とは
「貢献」の意味は「何かのために役立つよう力を尽くすこと」
「貢献」は「こうけん」と読み、「何かのために役立つよう力を尽くすこと」を意味します。「貢献」だけで使われるほか「社会貢献」や「地域貢献」といった形で名詞と組み合わせて用いられることも多く、とくに「公(おおやけ)」のために力を尽くすという意味合いが強い言葉です。
もともと「貢献」は「貢ぎ物を奉ること」や「物を捧げること」など、物を献上するといった意味で使われていた言葉。そこから「公のために力を尽くす」ことを意味する言葉として浸透しました。
「物を献上する」という意味を持つことからも、下から上へといったニュアンスが込められている点も気に留めておく必要があるでしょう。
「貢献」を使った例文
- 彼のヒットはチームの勝利に大きく貢献した。
- この発明は、二酸化炭素の排出の削減に大きく貢献するものとなるだろう。
「貢献」を使うときの注意点は?
「貢献」は社会などに対して力を尽くすときに使う
「貢献」は、ある物事や社会・地域・会社に対して力を尽くすときに使う言葉です。すなわち、力を尽くす対象が自分自身や自分の目標にまつわるものである場合には基本的に使いません。
また、身近な人のために行動するときに「貢献」を使うと少し重苦しいニュアンスになってしまう恐れも。別の表現に言い換えることで、気持ちも伝わりやすくなるでしょう。
「貢献」はプラスの意味で使う
「貢献」には力を尽くして「良い結果をもたらすこと」の意味合いが込められています。そのため、ある物事や社会にとって「役に立った」「有益であった」というプラスの意味で使われ、マイナスの意味では用いられません。力を尽くしても良い結果をもたらさないであろう場合は、「貢献」を用いると違和感を抱かれるので注意が必要です。
ビジネスシーンで使える「貢献」の言い換え表現とは
「寄与」
「寄与(きよ)」の意味は「役に立つことを行う」で、「貢献」とほぼ同じ意味で使うことができます。「貢献」との違いは「貢献」が目下から目上の人に向けて使うのに対し「寄与」は目上から目下の人に対して用いられる言葉であるという点です。また、ほとんどの場合「貢献」と同様にプラスの意味で使いますが、経済用語などではマイナスの影響を与えるときに使うこともあります。
- 彼のアイデアは地域の経済発展に寄与するだろう。
- わずかな額ですが、自分の義援金が被災地の復興に寄与できればと思います。
「尽力」
「尽力(じんりょく)」はその字の通り「力を尽くすこと」で「力のすべてを出しきる」という意味があります。「尽」は「すべてを出し切る」を意味し、物事を動かす意味を持つ単語の「力」と組み合わさることで「自分の持つ力を出し切る」という意味になります。
「貢献」と同じようにビジネスシーンで使うことができ、特に支え合いながら物事やプロジェクトを進めていく際に用いるとよい表現です。「尽力いたします」「尽力してまいります」といったように活用して使います。
- このプロジェクトの成功のために、尽力してまいります。
- 改善点を探るべく、尽力いたしますのでよろしくお願いします。
カジュアルなシーンで使える「貢献」の言い換え表現は
「尽くす」
「尽力」の意味でもある「尽くす」は、友人同士でも使える「貢献」に似た言い換え表現です。「力を尽くす」や「全力を尽くす」といったフレーズで用いられます。カジュアルなシーンで、誰かの役に立ちたい時や協力したい気持ちを伝えるために「貢献」を使うと少々重苦しいかもしれません。そのような時に「尽くす」を言い換え表現として用いるとよいでしょう。
- 皆で力を尽くして、課題をやり遂げよう。
- コンテストに向けて力を尽くすと言ったものの、進まない。
「力になる」
「力になる」は「貢献」よりもかなりフランクに使うことができる言葉で「助けとなる・人のために力を尽くす」といった意味で用いられます。誰かや何か(他者)に対して力を貸す、相手のために手助けをするときに使います。
- 何か心配なことがあれば教えてね。私でよければ力になるよ。
- 彼らが力になってくれたおかげで、なんとかピンチを切り抜けられた。
「貢献」の英語表現は
「貢献」の英語表現は「Contribute」
「貢献」を英語で表現する場合は「Contribute」を用いることが多いでしょう。「contribute」は”貢献する、寄与する”の意味で使う動詞で、「contribute to ~」「make a contribute」のように用います。名詞形は「contribution」で、複数形の場合はsが必要です。
「Contribution」を使った例文
- I want to do something that contribute to society.(私は社会に貢献する活動がしたいです)
- They contribute to the development of the community.(彼らは地域社会の発展に貢献している)
まとめ
「貢献」は「何かのために役立つよう力を尽くすこと」を意味する言葉です。特に「公(おおやけ)」のために力を尽くすという意味合いが強く、対象が自分自身や自分の目標にまつわるものである場合には基本的に使いません。また、物事や社会にとって「役に立った」というプラスの意味で使われ、マイナスの意味では使えないので気をつける必要があります。