「改善」の言い換えは?ビジネスシーンやカジュアルなシーンで使える言葉を紹介

ビジネスシーンだけでなく、日常生活でも耳にすることのある「改善」という言葉。使う場面や状況によっては、他の言葉への言い換えが必要になるケースもあるでしょう。そこでこの記事では「改善」の意味を改めて説明し、言い換え表現を紹介します。

「改善」の意味とは

「改善」とは「今の状態よりも良くすること」

「改善(かいぜん)」には「今よりも良くする」「悪いところを改める」という意味があります。

「改善」の「改」は”改める”という意味が、また「善」は”よい、立派な”という意味を持つ漢字です。これらの字を組み合わせることにより、「今の状態よりもより良くする、改める」という意味となります。特に「業務改善」や「品質改善」のように、今よりもより望ましいもの・好ましいものへ改めることを言い表す言葉として用いられています。

「改善」を使った例文

  • 当日に向けて、プランをいくつか改善する必要があります。
  • この状況を改善するために、今は前を向いて取り組まなければなりません。
  • 改善点があればぜひお知らせください。今後の製品作りに活かしたいと思います。

「カイゼン」は海外でも通じる”業務改善”の活動を指す

「改善」をカタカナで表記した「カイゼン」とは、工場など製造業の現場において、作業効率や業務の見直しを行うことで今よりも良くしていく「業務改善の活動」のことです。日本発祥の取り組みで、海外でも”Kaizen”として知られています。

「カイゼン」の発祥は、トヨタ自動車が1951年に導入した工場の無駄な作業を省く工夫や方法「創意くふう提案制度」だとされています。主に製造業の現場で取り入れられてきましたが、今では建設業や小売業、サービス業といった幅広い業界でも活用されています。

ビジネスシーンで使える「改善」の言い換え表現とは

「改良」

「改善」の言い換え表現には「改良(かいりょう)」があります。「改良」は「改善」と同様に”今よりもより良い状態にする”という意味を持つ言葉です。

ただ「改善」は広い範囲で抽象的なものについて使われますが、「改良」の場合は具体的なものについて使うことが多い言葉であるといえます。たとえば「品質改善」や「業務改善」など、抽象的で全体的なものを改めるときには「改善」を使いますが、「機械改良」や「品種改良」「土地改良」のように、実際に目に見える対象について具体的に改めるときには「改良」を使うケースが多いでしょう。

「進化」

「進化」とは「生物が周囲の環境や条件・自身の発達によって長い間にしだいに変化し、新しい生物を生じる」ことを意味する生物学の言葉です。

日常会話やビジネスシーンでは、事柄や物事が今よりすぐれたものや複雑になることを意味する言葉としてなじみ深いでしょう。ほとんどの場合が”よい方向に発展する・進む”という意味で使われます。特に「テクノロジーの進化」「AIの進化」のように、ある特定の物事がすぐれたものに変化する様・進んでいく様を強調したいときには「改善」ではなく「進化」と言い換えるとよいでしょう。

「ブラッシュアップ」

「ブラッシュアップ」は「磨き上げる」という英語の「Brush up」から派生したカタカナ語です。ビジネスシーンでは「能力をさらに向上させてよいものにする」「完成度を上げる」といった意味で用いられています。

たとえば「今年の目標は、英語力をブラッシュアップすることです」「今ある資料に、図や表を入れてブラッシュアップしてみて」のようにスキルをあげたいときや内容の質を高めたいときなど、「より上を目指す、よりよいものにする」ことを強調したい場面で使います。

カジュアルなシーンで使える「改善」の言い換え表現とは

「バージョンアップ」

ソフトウェア開発やプログラムの世界でよく使われている「バージョンアップ」という言葉。既存のソフトウェアやプログラムを新しく高機能なものへ更新することを指しています。「改善」の言葉が持つ「今の状態よりもより良くする」という意味に近いため、言い換え表現として使うことができます。

「向上」

「向上(こうじょう)」とは「よりすぐれた状態やよい方向に向かうこと」を意味する言葉で、今よりも能力や程度などがよい方向に向かうことをいいます。「学力向上」「生産性の向上」といった具合で用いることができます。

「上り調子」

「上り調子」は「のぼりちょうし・のぼりぢょうし」と読みます。勢いがあり、調子がよいといったときに使われている言葉です。特に、身体面や技術などの状態が今よりもしだいに良い方向へ向かうときに用いる表現で、「彼は体調が優れなかったが、少しずつ上り調子になってきたそうだ」「ここにきて投手陣が上り調子なのは大変期待できる」といったように使われます。

「改善」の英語表現とは

「改善」は英語で「improvement」

「改善」は英語で「improvement」と表現します。「improvement」は名詞なので、「改善する」の場合は動詞の「improve」を持ちいます。何かが今よりもよりよくなることや、その状態を指すときに使う単語であり、ビジネスシーンはもちろん、フォーマルなシーンで使っても構いません。

「improve in~」で「~が改善する、向上する」と表現でき、「improve in skil(技術が改善する)」のように使います。

「改善」の英語表現を使った例文

  • Thanks to a teacher, his learning manner was improved.(先生のおかげで、彼の学習態度が改善された。)
  • The most necessary thing is to try for a quality improvement.(最も必要なのは、品質改善に努めることだ。)

まとめ

「改善」は「今よりも良くする」「悪いところを改める」という意味の言葉で、今よりもより望ましいもの・好ましいものへ改めることを言い表す言葉として用いられます。ビジネスシーンでは「改良」「進化」「ブラッシュアップ」などに言い換えることができますので、シーンに応じて言い換え表現を使い分けるとよいでしょう。