明るく前向きな気持ちにさせてくれる「希望」という言葉。身近で親しみやすい言葉であるからこそ、正しい意味や言い換え表現なども知っておきたいものです。そこで「希望」とはそもそもどのような意味を持っている言葉なのか、解説します。また、適切な言い換え表現や英語表現についても紹介します。
「希望」の基本的な意味とは
「希望」とは「望み願うこと」を意味する明るい見通し
「希望」には「ある事象の実現をのぞみ願うこと・そうあってほしいと強く思うこと」「将来に対する期待」という意味があります。人が何かを望んだり欲したりする気持ちを表したいときに使われる言葉で、特に将来に対する明るい見通しを示す際に用いられます。
「希望」は自分や他人が望み願う”未来の状態”を表すので、その願い自体が実現可能なものかどうかについては気にすることなく使える言葉です。
「希望」を使った例文
- 将来は海外の大学への進学を希望しています。
- 本日ご購入の場合は、ご希望のオプションを選ぶことができます。
- 来月の懇談に関して、希望する日程をご記入の上提出してください。
「希望」と「志望」の違い
「希望」と同じような意味で使われている言葉に「志望」がありますが、この2つの言葉は少し意味合いが異なります。
「希望」と「志望」に共通しているのは、どちらも”思い望むこと”を意味するという点です。「希望」は自分自身のことだけでなく、相手や他者への望みについても使えます。しかし「志望」は、自分自身がこうしたい、こうでありたいと望むことに対して使う言葉で、自分以外の人やことに対しては使うことができません。
「希望」も「志望」も、どちらも同じように何気なく使いがちですが、少しニュアンスが異なることを理解しておき、状況に適した使い方を心がけるようにしましょう。
「希望」の類義語や言い換え表現とは
「望み」
「望み(のぞみ)」には「そうしたい、そうなればよいと思うこと」という意味を持つ言葉です。「希望」とほぼ同じ意味で用いられ、「長年の望みがかなう」のように使用します。
「望み」は自分の達成したいことや手に入れたいもの・ことなどを表したいときに使われ、特に話し言葉の中で使われる機会が多い言葉です。また、前向きな結果や方向を期待するときに使われます。
「願い」
「願い」は文字の通り「物事を願うこと」であり、事柄そのものを指すときにも使われる言葉です。「願い」の場合「心の中や自分の頭の中に留めておくもの」の意味合いが強いという特徴があります。
「要望」
「要望」は特定の要求を伝えるときに使う言葉ですが、特に行政などに対して「工事の建設中止を要望する」「市長に要望書を提出する」のように、具体的な物事の実現を強く求めるときに使われます。
「希望」よりも欲求が強い印象を与える言葉になり、日常生活だけでなくビジネスシーンでもよく使われています。
「希望する」の言い換え表現は
「期待を寄せる」
「期待を寄せる」は「何かの実現を望む気持ちになる」という意味の言葉です。「期待」は「何らかのことが実現するだろうと望みをかけて待つこと」という意味が、「寄せる」には「気持ちを向ける」という意味があります。また、前向きな意欲や信頼を示したいときにも使われる表現で、「彼の活躍に期待を寄せています」「今年デビューしたばかりの新人に期待を寄せる」のように用います。
「熱望する」
「熱望する」は「切実に希望する」「強く望む」という意味を持ち、「希望する」よりも希望する感情が強い印象を与える言葉です。
心から切実に望むという思いを伝えたい時は、「希望する」よりも「熱望する」を使うことで相手への熱意が伝わりやすくなるでしょう。
「希望」の英語表現は
「希望」は英語で「hope」
「希望」を英語で表現する場合は「hope」を使うのが適切です。「hope」の名詞形は「希望」「望み」を意味し、動詞では「願う、~したいと思う、希望する、期待する、望む」といった意味で用います。
「hope」は、今後のことや状況がまだ分からない・見えないことについて願う時に使われます。とくに「将来はこのようになってほしい」と期待をこめて願うニュアンスを持つため、未来を表す「will」や「can」といった助動詞と一緒に用いられることが多い言葉です。もちろん、将来のことだけでなく現在のことについての願望を言い表すこともできます。
「希望」の英語表現を使った例文
- I hope you will be happy.(あなたが幸せになることを願っています。)
- I hope you enjoy your vacation.(休暇を楽しんできてくださいね。)
まとめ
明るいイメージを持つ「希望」という言葉は、人が何かを望んだり欲したりする気持ちを表したいときに使われます。特に将来に対する明るい見通しを示す際に用いられ、その願い自体が実現可能なものかどうかについては気にすることなく使える言葉です。望む対象や欲求や感情の強さによっては「熱望」や「要望」といった他の言い換え表現を用いるとよい場合もあるので、シーンに応じた使い分けをすると相手へ気持ちが伝わりやすくなります。