「気を付ける」の言い換えは?ビジネスシーンで使える表現や例文、ことわざも紹介

普段の会話でよく使われる「気を付ける」という言葉ですが、いつでも同じ言い回しでは味気ないと感じるかもしれません。場面や状況に合わせた言い換え表現を知っておくと役立ちますし、とくにビジネスシーンでは失礼のないように適切な言い換え表現を使いたいものです。この記事では「気を付ける」の言い換え表現や類義語をはじめ、ことわざも紹介します。

「気を付ける」の意味とは

「気を付ける」の意味は「物事において注意をはらうこと」

「気を付ける」の代表的な意味は「物事において注意をはらうこと」「物事のゆくえを常に確認し見守ること」です。周囲の環境について安全の意味で用いることや、自分自身への戒めの意味でも用いられます。

また「気」には「気持ち・心の働きや状態や心の動き」のほか「精神の盛り上がり」という意味もあるため、「元気をつけさせる」という意味合いで「気を付ける」と言われることもある言葉です。

このように「気を付ける」の対象となるものは多岐にわたっています。

※「気を付ける」は「気をつける」と表記することもありますが、どちらを使っても問題ありません。

「気を付ける」を使った例文
  • 「物事において注意をはらうこと」の意味で用いる場合

気温の変化が激しいので、体調管理に気を付けてください。

  • 「物事のゆくえを常に確認し見守ること」の意味で用いる場合

あのクライアントとの交渉の状況については、常に気を付けておく必要があるだろう。

  • 自分自身への戒めの意味で用いる場合

明日は約束の時刻に遅れないように、スケジュール管理に気を付けます。

「気を付ける」の英語表現は「Be careful」

「気を付ける」を英語に言い換える場合、代表的な表現としては「be careful」があります。「careful」は「注意深い・慎重な」を意味する形容詞です。Be動詞を前につける命令形にすることで「慎重になって・気を付けて」を表すフレーズになります。

「Be careful!」と単体で使うこともできますが、「with~」や「of~」、「when~」などを用いると「~に気を付けて」と表現できます。「Be careful when crossing the crosswalk(横断歩道を渡るときは気を付けて) 」のように用います。

「気を付ける」の身近な言い換え表現とは

「注意する」「注意を払う」

「気を付ける」の身近な言い換え表現は「注意する」「注意を払う」です。

「詐欺メールやSNSに気を付けてください」を「詐欺メールやSNSに注意してください」、「雨天時の運転にはいつも以上に気を付ける」を「雨天時の運転にはいつも以上に注意を払う」のように言い換えられます。

「気にかける」

「気にかける」も「気を付ける」の言い換え表現として用いられます。「気にかける」は「心配する」の意味合いが強く、物事の進行や結果に対して心配したり関心を持ったりするときによく使われる言葉です。

たとえば「彼女は昨日から少し落ち込んでいるようなので、気を付けてあげて」を「彼女は昨日から少し落ち込んでいるようなので、気にかけてあげて」のように言い換えられます。

ビジネスシーンで役立つ「気を付ける」の言い換え表現は

「気を付ける」は目上の人に使っても問題ない

「気を付ける」の表現はビジネスシーンでも使われており、目上の人に「気を付ける」を使っても問題はありません。より丁寧な表現にするには「~くださいませ」「~いたします」などの言葉を加え、「お気を付けくださいませ」「気を付けるようにいたします」のように使うとよいでしょう。

ただし、状況によっては別の表現を選んだほうが適切なこともあります。特に自分自身への反省の意や戒めを込めて用いる場合「気を付けます」と述べるだけでは、表面的で誠意がないと思われてしまう可能性もあります。いくつかの言い換え表現を覚えておき、状況に応じて使い分けると安心です。

「留意する」

「留意(りゅうい)する」は「特定の事柄に対して注意を払う・心に留める」という意味があり、ビジネスシーンで「気を付ける」を言い換えるのに適した言葉です。相手へ心に留めてほしいことがあり、それを強調したいときに使います。「留意する」をより丁寧に表現したい場合は「ご留意願います」「ご留意ください」「ご留意くださいますようお願いいたします」などと使うとよいでしょう。

たとえば「この案件については口外しないようにくれぐれも気を付けてください」を「この案件については口外しないようにくれぐれもご留意ください」と言い換えることができ、「気を付ける」よりも丁寧な印象を与えられます。

「配慮する」

「配慮(はいりょ)する」の「配慮」とは「よい結果となるよう、あれこれ心をくばること・心づかい」を意味する名詞です。「気を付ける」の言い換えとして使うことができますが、なかでも「物事のゆくえを常に確認し見守ること」の意味で用いられます。特に相手からの行為に感謝を示す場合や依頼をする場合、また相手に自分の状況を察してほしいときに使われます。

「配慮する」を丁寧に表現したい場合は「ご配慮ください」よりも「ご配慮いただきますと幸いです」「ご配慮いただきますようお願い申し上げます」などに言い換えると、より丁寧な印象になります。

たとえば「隣の部屋で打ち合わせを行っていますので、会話の際は気を付けてください」を「隣の部屋で打ち合わせを行っていますので、会話の際はご配慮いただきますと幸いです」と言い換えると、丁寧な印象になります。

「心がける」

「心がける」も「気を付ける」の言い換え表現としてビジネスシーンでよく用いられる言葉です。「心がける」には「ある特定の目標や行動を心に決めて実行しようとする」の意味があり、とくに自分自身への改善や自己管理について気を付けるという思いを伝えたいときに使われます。

「今後は提出前にダブルチェックを行い、漏れがないように気を付けます」を「今後は提出前にダブルチェックを行い、漏れがないように心がけます」と言い換えることができます。

「気を付ける」を意味することわざは

「石橋をたたいて渡る」

「気を付ける」の意味合いを持つ代表的なことわざは「石橋をたたいて渡る」です。頑丈な石橋であっても、渡る前にもう一度たたいて崩れないかどうかを確認することから「用心深く慎重な様子」をあらわしています。

たとえば「今回は社運を賭けたプロジェクトなので、どうか石橋をたたいて渡る気持ちで臨んでほしい」と表現すれば、ただ「気を付けて臨んでほしい」と表現するよりもさらに気を引き締めて注意深く臨んでほしいというニュアンスが伝わりやすくなります。

「転ばぬ先の杖」

「転ばぬ先の杖」も「気を付ける」の意味合いを含むことわざです。前もって準備・用心をしていれば、失敗することがないというたとえで使われています。相手に注意を呼びかけたり準備を促すとき、また自分自身への戒めの際に用いられ、「転ばぬ先の杖とも言うし、明日のプレゼンの資料は揃っているかもう一度確認しておこう」といったように”気を付けておきたいこと”に対して戒めの気持ちをあらわすときに使います。

まとめ

「気を付ける」の意味は「物事において注意をはらうこと」「物事のゆくえを常に確認し見守ること」ですが、周囲の環境について安全の意味で用いることや、自分自身への戒めの意味でも用いられる言葉です。使う場面は様々で多岐にわたっているので、それぞれの状況に合った言い換え表現を知っておくと役に立つでしょう。