「芳しくない」は、業績や進捗状況など、ビジネスシーンで使うことも多い表現です。
今回は「芳しくない」の正しい意味とビジネスでの使用例について解説します。言い換えにも便利な類語・英語表現についても解説するので、参考にしてみてください。
「芳しくない」の意味や読み方とは?
「芳しくない」とはどういう意味なのでしょう。まずは詳しい意味から解説します。
「良くない状態」を意味する
「芳しくない」の意味は、「状態・状況が良くない」です。「芳しい」の持つすばらしいという意味を否定し、良くない状態を表現する言葉です。
「本当は良いはずだったのに良くない」「想定していたのとは違って良くない」というように、期待外れ・想定外というようなニュアンスを含むのが特徴です。
読み方は「かんばしくない」
「芳しくない」は、「かんばしくない」と読みます。「芳しい(かんばしい)」に打消しの「ない」を付けた言葉です。
「芳しくない」の使い方
どちらかと言えば悪いという遠回しに告げる際に使う
「芳しくない」は、「悪い」と断言するような強い表現ではなく、「どちらかと言えば悪い」と、遠回しに告げる際に使う表現です。「芳しい(すばらしい)」の意味を否定しているため、婉曲の表現となるのは使用する上でも大きなポイントになります。
敬語とともに目上の人にも使える
遠回しに「良くない」と伝える「芳しくない」には、目上の人にも問題なく使える表現です。単に「思ったよりも良くない」と伝えるよりも柔らかい雰囲気があるため、目上の人にも好まれます。
また、「芳しくない」に敬語としての意味はありませんが、敬語表現とともに使っても問題ありません。
「芳しくない」のビジネス例文
「芳しくない」はビジネスではどういう風に使えるのでしょう。具体的な例文とともに紹介します。
「進捗が芳しくない」は遅れていること
プロジェクトなどの「進捗が芳しくない」というと、うまく進んでいない・遅れているという意味になります。
また、具体的に「進捗」という言葉を出さずに「プロジェクトが芳しくない」というだけでも、進捗が良くなく、うまく進んでいないという意味で使用可能です。他にも、調子が良くない・出来が悪いというニュアンスで使うこともできます。
ビジネスでは業績など深刻な話題にも使う
「芳しくない」は企業全体の業績のような深刻な会話でも使用されます。たとえば、「かつては業界トップを走っていた企業だが、近年の業績は芳しくない」や「営業成績が芳しくないので、今期の昇進は難しいだろう」というと、いずれも業績が思わしくないというような意味合いです。
また、業績改善を図ったが回復できていない意味でも、「芳しくない」という表現は使用できます。
体調や天気にも使うことができる
「芳しくない」は、健康状態や天候に関しても使用する表現です。たとえば、「病状が芳しくない」というと、思わしくない・回復の見込みが少ないといった意味になります。検査結果がよくなかったという意味で、「結果が芳しくなかった」ということもあります。病状に関してはセンシティブな話題になることも多く、「芳しくない」という婉曲な表現はおすすめです。
また、これから天気が崩れそうだったり、悪くなりそうな空模様だったりする時に「天候が芳しくない」という言い方をします。これから外出するのに残念だ、というようなニュアンスを含む表現です。
「芳しくない」の類語・英語表現
「芳しくない」という表現は目上の人にも使える表現で、ビジネスシーンでも問題なく使用できますが、言い換えの際に便利な類語表現にも触れておきましょう。英語表現もあわせてチェックしてみてください。
類語は「よろしくない」「望ましくない」など
「芳しくない」は、あまり良くない状態を意味する言葉です。その類語としては、以下ような単語が挙げられます。
- よろしくない
- 望ましくない
- 好ましくない
- 良いとは言えない
また、体調・病状に関してはより広いニュアンスで使われることが多いため、類語の意味も幅広くなります。たとえば、
- 予後不良の
- 回復の見込みが薄い
- 回復が見込めない
- 完治不能の
といった言葉が言い換え表現です。
類語「思わしくない」は想定より良くないこと
「芳しくない」と似た表現に「思わしくない」があります。「思わしくない」とは、期待通りではない・望んでいた状態ではない、という意味の言葉です。
「芳しくない」と「思わしくない」の意味に、大きな違いはありませんので、言い換え表現としても使用することができます。
「芳しくない」は英語で「unsavory」
「芳しくない」を英語にすると「unsavory」となり、「an unsavory reputation(芳しくない評判)」というような使い方ができます。ただし、「unsavory」を使わずに表現することも多く、「Progress is not very good(進捗が芳しくない)」というように、not good という表現を使用することもしばしばです。
他にも、好ましくないという意味の「unfavorable」を使うこともあります。たとえば、業績が芳しくないという場合には、「unfavorable business performance」表現することができます。
まとめ
「芳しくない」という表現は、状況が良くないという意味で、想定していたのよりも悪いというニュアンスを含みます。また、「悪い」ことを遠回しに述べる婉曲表現ということもあり、ビジネスシーンで好まれる表現でもあります。敬語としてはもちろん、目上の人にも使える表現なので、覚えておくと便利です。