USBやSDカードを使う際に「フォーマット」という言葉を耳にすることがあります。この「フォーマット」はどのような意味なのでしょう。USBなどに限らず、Wordや仕事で使う書類に関しても「フォーマット」という言葉は使用可能です。詳しい意味と使い方を解説します。
「フォーマット」の意味や由来とは?
「フォーマット」にはどのような意味があるのでしょう。語源である英単語の意味とあわせて、解説します。
日本語では「初期化」「書式」の意味で使われる
「フォーマット」の意味は、「初期化」「書式」です。コンピュータ用語として使われる場合は「初期化」という意味で、文書のときに使われる場合は「書式」の意味です。
「書式」とは、文書の体裁・定められた書き方という意味で、「画像フォーマット」などという表現で使われることもあります。
英語の「format」に由来
日本で使われている「フォーマット」というカタカナ語は、英語の「format」が定着したものです。英語「format」は、書物の型や判・(番組などの)構成・コンピュータのフォーマット、などという意味があります。
「フォーマット」の使い方とは?
「フォーマット」は実際にはどういった使い方がなされるのでしょう。よく耳にするコンピュータ用語としての使用例をはじめ、いくつかの使い方を紹介します。
HDDやUSBなど記録媒体は「フォーマットする」と使う
「フォーマット」という言葉をよく使う例のひとつが、HDDやUSBに関する使用です。たとえば、「USBをフォーマットする」などという風に使います。
HDDやUSBに限らず、SDなどの記録媒体に使う場合には、「初期化」の意味になります。「初期化」とは文字通り「初期の状態にする」という意味ですが、「記録媒体をフォーマットする」という場合、厳密には、「作業を可能な状態にする」という意味で使われる言葉です。その内容についは、後ほどもう少し詳しく紹介します。
「フォーマットに記載する」と言うと「雛形」の意味
「フォーマット」を「記載」という言葉とともに使った場合、「雛形」という意味です。「フォーマット」には、書式・型など「繰り返し使用できる基盤」「基準となるもの」という意味があります。そこから派生し、雛形やテンプレートの意味で「フォーマット」ということができるのです。
たとえば、「申請には所定のフォーマットを使用してください」という場合も、「定められた書式(雛形)を使用してください」という意味になります。
「フォーマット化」は「書式化」「定型化」の意味
「フォーマット化」という表現は、「書式化する」「定型化する」というニュアンスの表現です。たとえば、「業務効率アップのためにフォーマット化する」というと、業務がスムーズに進むように何らかの書式や雛形を用意したり、やり方を一定に定めたりする、という意味になります。
一方、コンピュータ用語としての「フォーマット」は、「フォーマット化」という言い方はしません。先述したようにこちらは「初期化」という意味で使われているため、「化」が重複してしまうためです。
「フォーマット」はなぜ必要?使いこなすための基礎知識
USBやSDカード、ディスクなどの記録媒体に関して「フォーマットする」という言い方をよく使いますが、そもそもなぜ「フォーマット」の必要があるのでしょう。
フォーマットが必要な理由は「データを記録できるようにするため」
「フォーマット」がなぜ必要かと言うと、それは媒体にデータを記録できるようにするためです。
先にも少し触れましたが、コンピュータ用語としての「フォーマット」は「初期化」、つまり初期の状態・まっさらな状態にして使えるようにする、という意味です。たとえば、パソコンが重い場合にHDDを初期化(フォーマット)して動作を改善することもあります。
一方で、「フォーマット」は、これから保存するデータのありかが分かるように区画分けする、という役割も担います。データを保存する以上、そのデータが読み込めないと意味を成しません。保存するデータがどこにあるのかを判別するために、あらかじめ区画分けする作業が「フォーマット」です。コンピュータ用語としては、「イニシャライズ」と呼ばれることもあります。
「フォーマット」によって中のデータは消える
「フォーマット」では、中身を空っぽにする必要があります。そのため、既存のデータはすべて削除されることになります。何らかの理由で、すでにデータを保存していた記録媒体をフォーマットする場合には、あらかじめデータのバックアップが必須です。
空の記録媒体でも「フォーマットする必要があります」と出る理由
「初期化」という日本語訳で考えると、「はじめて使うUSBでもフォーマットが必要なのはなぜ?」という疑問がわくかもしれません。先にも触れましたが、「フォーマット」は単に「最初の状態に戻す」という意味ではなく、「まっさらな状態にして使えるようにする」ことを言います。
もう少しいうと、記録したデータを判別しやすくするために、「フォーマット」では区画分けが行われています。空のUSBでも、その「区画分け」がなされていない場合は、情報が書き込める状態にないため、「フォーマットする必要があります」というアナウンスが出てくるというわけです。
手動で「フォーマット」するやり方は右クリックで選択
「フォーマット」が必要な媒体をパソコンにつなぐと、先述のように「フォーマットする必要があります」というメッセージが表示されるのが一般的です。もし、手動で「フォーマット」する場合は、以下のような手順で行うことができます。
たとえば、Windowsの場合は「コンピュータ」に表示された記録媒体にカーソルを合わせて右クリックをし、表示される項目の中から「フォーマット」を選択します。
「フォーマット」を復元するためにはソフトウェアが必要
HDDやUSBなどを誤って「フォーマット」してしまうと、既存のデータがすべて消えてしまい大慌て、ということもあります。実はこの場合でも、復元用のソフトウェアを使用することで、データを元に戻すことは可能です。
記録媒体によって専用ソフトウェアは異なることがありますが、無料で利用できるソフトをダウンロードすることもできます。ただし、データを復元する前にほかのデータを書き込んでしまったりすると、復元できない可能性が高まるので注意が必要です。
まとめ
「フォーマット」には、コンピュータ用語として「初期化」という意味と、幅広く使われる「書式」「雛形」という意味の2通りの意味があります。最近の記録媒体は、あらかじめ「フォーマット」された状態で販売されることも増えていて、ユーザが行う例は減っているようです。とはいえ、今なおコンピュータ関連用語して使われますので、「初期化」「書式(雛形)」のいずれの意味も押さえておきましょう。