「危機一髪」は、昔遊んだおもちゃの商品名として記憶している人も多いのではないでしょうか。この「危機一髪」の意味と使い方について解説します。「間一髪」など「危機一髪」の類語や、英語など言い換えに使える表現もぜひ活用してみてください。
「危機一髪」とは?
「危機一髪」の意味は”わずかな差でも危険に陥る状況”
「危機一髪」の意味は、“わずかな差でも危険に陥る状況”です。一つ間違えば非常に危険であるという状況を表した四字熟語です。「危険と隣り合わせの状況」や「非常に危ない瀬戸際」を指して、「危機一髪」といいます。
読み方は「ききいっぱつ」が正解、漢字にも注意
「危機一髪」は“ききいっぱつ”と読みます。読み方はよく知られていますが、間違えやすいのが漢字です。「危機一発」ではなく、「危機一髪」が正しい表記です。
この「一髪」には、「髪の毛一本」という意味があり、「危機一髪」は「髪の毛一本ほどのわずかな差で危険が差し迫っている」という意味になります。「一髪」という言葉が、緊迫感を表現しているというわけです。「髪の毛一本の差」という意味を覚えておくと、誤字の可能性も低くなります。
「危機一髪」の使い方と例文とは?
「危機一髪」はどのように使うのが正しいのでしょう。具体的な例文とともに、その使い方を紹介します。
「危機一発のところで助かった」などと使う
危険な状況を表す「危機一髪」は、「危機一髪のところで助かった」という使い方をよくします。たとえば、次のような使い方が可能です。
「危機一髪のところで助かった」と使った場合、「すんでのところで助かった」「危うく被害を受けそうだったがそうはならずに済んだ」というニュアンスになります。
「危機一髪」は過ぎたことに使うのもポイント
「危機一髪」は、「今まさに危険な状況にある」という場合ではなく、先述した例文のように、過去の事柄に対して使用するのが一般的です。「あの時はまさに危機一髪だったが、何事もなくてよかった」という文脈で使うことが多いと覚えておきましょう。
「危機一髪」の類語とは?
「危機一髪」の類語にはどういった表現があるのでしょう。似た意味の四字熟語をはじめ、言い換えにも使える類語表現をいくつか紹介します。
「一髪千鈞」「一触即発」が類似の四字熟語
「危機一髪」の類語には、「一髪千鈞」や「一触即発」が該当します。
「一髪千鈞(いっぱつせんきん)」とは、直訳すると「一本の髪の毛で千鈞(非常に重いもの)を引く」という意味で、非常に危険なことの例えとして用いられる表現です。ここで用いられている「鈞(きん)」は中国で昔用いれていた重さの単位のことです。「一髪千鈞を引く」という言い方をすることもあります。
一方、「一触即発(いっしょくそくはつ)」とは、「ひとたび触るとすぐにでも爆発しそうな危険な状況」という意味の言葉です。危険が差し迫っているような意味を持ちます。
ほかにも、「絶体絶命(逃れがたい非常に困難な状況)」「万死一生(助かる見込みのない命が助かること)」なども、「危機一髪」と似た意味の四字熟語です。
ほかにも「間一髪」などが類語
四字熟語以外では、「瀬戸際」「ピンチ」などが類語として挙げられます。危険が差し迫る状況に対する緊張感を表す「ひやりとした」なども類語といえるでしょう。
また、「一髪」を用いた表現では、「間一髪」もあります。「間一髪」とは、「髪の毛一本の隙間で」「ほんのわずかなところで」という意味の言葉です。「間一髪で助かった」というように、「危機一髪」同様、危険がすぐそこまで差し迫っていた状況に対して使うことができます。
「危機一髪」の英語表現とは?
「危機一髪」を英語で表現したい場合にはどのような表現を使うのでしょう。英文例を紹介します。
英語では「narrow escape」や「close call」を使う
英語で「危機一髪」に相当する表現は、「narrow escape」や「close call」が挙げられます。たとえば、「That was narrow escape」で「危機一髪だった(危ない目にあった)」という意味です。「They had a close call」も「危機一髪だった(大惨事を免れた)」という意味で使うことができます。
まとめ
「危機一髪」は、「一つ間違えば非常に危険である」「わずかな差でも危険に陥る」という状況を意味する四字熟語です。「危機一髪のところで助かった」という風に使うことができます。誤字も多い四字熟語ですので、「一髪=髪の毛一本ほどのわずかな差」という意味を覚えておくと安心です。