「盤石」の意味や語源は?使用例文と類語・対義語のほか英語も解説

「盤石な組織」というと、どのような組織を想像しますか?「盤石」の詳しい意味とともに、使い方を例文を用いてわかりやすく解説します。また、類語・対義語・英語訳などの関連用語も紹介していますので、併せて活用してみてください。

「盤石」とは?

「盤石」の意味は”堅固で安定していること”

「盤石」の意味は、“堅固で安定していること”です。「大きくて重い岩」という意味もありますが、そこから転じて「堅固であること」「安定していて動かないこと」という意味で使われるのが一般的です。

「盤石」の読み方は”ばんじゃく”

「盤石」の読み方は、“ばんじゃく”です。「ばんせき」とも読むことができますが、非常に稀な読み方であるため、「ばんじゃく」と覚えておきましょう。

漢字「磐石」も誤りではない

「盤石」は、漢字で「磐石」と書かれることもあります。「磐石」と「盤石」のいずれも誤りではなく、どちらを使用しても意味に違いはありません。ただし、「磐」は常用外漢字のため、「盤石」を用いるのが一般的です。

「盤石」の語源は不動明王にあり

「盤石」とは、本来、不動明王が座っている土台を意味します。この土台は、「金剛石」つまり「ダイヤモンドの原石」からなるものです。

仏教における守護の明王であり、五大明王の中心とされる「不動明王」が座る固い土台、ということから、「安定していて少しのことでは動かない」「堅固である」という意味となったとされています。

「盤石」の使い方と例文とは?

「盤石」という言葉はどのように使われているのでしょう。例文とともに紹介します。

「盤石の体制で挑む」「盤石な布陣」などと使う

「盤石」という言葉は、「盤石の体制」や「盤石の布陣」などとよく使われます。たとえば、

  • 大口案件取得のために、盤石の体制を整える
  • 優勝目指して盤石の布陣で臨む

などといった使い方が挙げられます。

「盤石な体制」とは「安定した体制」を指し、「盤石の布陣」とは「きわめて堅固な布陣」といったニュアンスです。このように、「盤石」は、試合などの勝負事を前に「負けないような安定した体制を組む」という文脈で使用されることの多い表現です。

「盤石な組織」は「安定した組織」のこと

組織に対して「盤石」と使うと、「安定した」という意味となります。たとえば、

  • 業界上位を目指すには、わが社も盤石な組織づくりが不可欠だ
  • コンプライアンスのためにも、盤石な組織は必要だ

などといった表現が可能です。「安定した組織」意外にも「リスクに強い堅固な組織」といったニュアンスで使用されることもあります。

ほかにも「盤石の自信」などといった使い方が可能

「盤石」を使った言い回しにはほかにもいろいろな表現が可能です。

たとえば、「盤石の構え(安定した構え)」や「盤石の地位(安定した地位)」「盤石の自信(ゆるぎない自信)」といった使い方はよく目にします。

また、「盤石を期す」という風に使うこともできます。「期す」は、期待する・約束するという意味の言葉なので、「盤石を期す」で「安定を期待する」「安定を約束する」といったニュアンスです。

「盤石」の類語とは?

「盤石」の類語には次のような言葉が挙げられます。

「磐石」の類語は”堅固・鉄壁・万全”

「盤石」の類語は、「堅固・鉄壁・万全」です。

「堅固(けんご)」とは、「固くしっかりしていること」「心(気持ち)が定まっていて動かないこと」という意味の言葉です。「鉄壁(てっぺき)」には、「非常に固い壁・守り」という意味があります。

「万全(ばんぜん)」には「固い」という意味はありませんが、「完全で落ち度のないこと」という意味があり、「盤石の体制」や「盤石の布陣」などはこの「万全」に言い換えられる場合があります。

「磐石」は”不動”や”難攻不落”への言い換えも可

「盤石」の類語には、ほかにも「不動」や「難攻不落」といった表現が挙げられます。

「不動(ふどう)」とは文字通り、「動かないこと」「心が動かされないこと」という意味です。たとえば、「不動の姿勢」などと使うことが可できます。

「難攻不落(なんこうふらく)」には、「攻めにくく陥落しないこと」「こちらの思い通りにならないこと」という意味があります。「盤石」は勝負事で使われることも多いため、文脈によってはこうした表現への言い換えも可能です。

「盤石」の対義語とは?

「盤石」と反対の意味の言葉にはどういったものがあるのでしょう。「対義語」は次の通りです。

「磐石」の対義語は”不安定”や”脆い”など

「盤石」の対義語は「不安定」や「脆い」が挙げられます。

「不安定」とは、文字通り「安定しないこと」という意味で、「脆い(もろい)」は「壊れやすい」「砕けやすい」といった意味です。いずれも、堅固で安定しているという意味の「盤石」とは反対の意味の言葉です。

「磐石」の対義語には「脆弱」も

「盤石」の対義語としては「脆弱」も挙げられます。「脆弱(ぜいじゃく)」には、「もろく弱い」という意味があり、物・身体・組織など幅広く使うことができます。

なお、「脆弱性」というと、コンピュータネットワークにおける安全上の欠陥を指しても使われる言葉です。

「盤石」の英語表現とは?

「盤石」の英語表現を紹介しましょう。

「磐石」は英語で”staunch”

「盤石」を文字通り、「大きな岩」という意味で使う場合には「a huge rock」という英語訳になりますが、日本語同様に「堅固」という意味で使う場合には、「staunch(盤石な・断固たる)」が挙げられます。たとえば、「staunch organization(盤石な組織)」などと使います。

他にも、「安定した」という意味では「stable(安定した)」が、「堅固」という意味では「firmness(堅固・断固とした態度)」が、「盤石」の英語訳として使用できる表現です。

まとめ

「盤石」は、「堅固で安定している」様を表す言葉で、組織や体制に対してなど、幅広く使われています。特に、「盤石の体制で挑む」のように、試合や勝負事でよく用いられる表現です。他にも、「盤石の自信」などといった表現も可能ですので、これを機にぜひ活用してみてください。