「キャリアプラン」は採用面接の他、社内面談でも用いられるワードのひとつです。「キャリアプラン」という言葉の意味をはじめ、「キャリアプラン」を考える上でのポイントや面接での回答例などについて紹介します。
「キャリアプラン」とは?
「キャリアプラン」とは”どのような職に就きたいのかという目標と計画”
「キャリアプラン」とは、“自分がどのような仕事に就きたいのかという目標や計画”のことです。「自分が目指す職業」だけでなく、今の会社でのややりたい仕事・目指したいポジションや働き方、または仕事とプライベートとの比率なども含めて「キャリアプラン」といいます。
企業の社員育成から就活面接まで幅広く用いられる
「キャリアプラン」は、企業側が行う社員育成の場や人事研修でも用いられる他、採用面接でも用いられることの多いワードです。
社員育成では、社員の目標や希望を考慮するために「キャリアプラン」を聞き、人材配置や研修に役立てます。採用面接では、「将来を見据えた働き方」が自社とマッチするかどうかという意味で問われることが多いようです。
「キャリアプランニング」とは”キャリアプランを立てること”
「キャリアプラン」と似た言葉に、「キャリアプランニング」という言葉があります。「キャリアプランニング」とは、簡単に言うと、「キャリアプランを立てること」です。
また、自らの働き方について考えること・仕事と私生活を含めた「理想の自分」を思い描くこと、というニュアンスでも使用されます。「人生設計」と言い換えられることもあります。
「キャリアビジョン」は”理想像”、「キャリアパス」は”昇進モデル”のこと
「キャリアプラン」と同じ、「キャリア」を使った言葉には「キャリアビジョン」や「キャリアパス」も挙げられます。
「キャリアビジョン」とは、「将来どんな姿になっていたいか」という「理想像」「目標」のニュアンスで用いられる言葉です。一方、「キャリアパス」とは、「昇進モデル」という意味で使われます。たとえば、「営業からマーケティング部門へ」「5年でリーダー、10年でマネージャー」というような社内での昇進ルートを指す言葉です。
「キャリアビジョン」は、企業の内外を問わずに用いられますが、「キャリアパス」は社内で用いる言葉というのが特徴です。
「キャリアプラン」の書き方とは?
実際に「キャリアプラン」を考える際には何に注目すればよいのでしょう。考え方・書き方のポイントをいくつか紹介します。
「キャリアプラン」では自分の価値観を明確に
「キャリアプラン」は「自分がどういった仕事に就きたいのか」という目標や計画のことなので、まずは「自分の価値観」を整理する必要があります。たとえば、
- どんな業務で達成感を覚えるのか?
- リーダーシップを発揮したいのかどうか
- 挑戦を好むか、安定を好むのか
などもその一例です。給与や責任の大小、ワークライフバランス(残業・休日・福利厚生など)も価値観によって左右される項目です。
「キャリアプラン」では理想も大切
今はできないことでも、将来の目標・理想として掲げることは大切です。「キャリアプラン」では、自分の価値観とともに、理想を明確にすることがポイントです。
たとえば、
- どんな職位を目指したいのか
- どんな業務を担いたいのか(業種・職種など)
といった視点が考えられます。
「いつまでに」という時間軸もポイントに
「キャリアプラン」は目標であると同時に計画です。ただ思い描くだけでなく、「いつまでに」「どこまでクリアするのか」を明確にすることがポイントです。3年後、1年後、という風に段階を設定しておくことで、活用しやすくなります。
「キャリアプラン」を考える際は”キャリアプランシート”が便利
「キャリアプランシート」とは、キャリアプランを考える際に用いるフォーマットのことで、いろいろな種類があります。たとえば、厚生労働省のHPでは、「キャリア・プランシート作成のための質問」と題して、現在の年齢やキャリアに応じた複数のフォーマットが掲載されています。こうしたツールを活用するのも一つの方法です。(参考:厚生労働省「キャリア・プランを作成する」)
「キャリアプラン」を面接で聞かれたら?【例文つき】
「キャリアプラン」は、将来の働き方に対する理想や姿勢から、企業との相性を確かめるために、採用面接で問われることもあります。面接での答え方のポイントを紹介します。
「キャリアプラン」の面接での質問例
面接では、「キャリアプラン」という言葉を使わずに、次のような聞き方をされます。
- 将来の目標は何ですか?
- 10年後はどうなっていたいですか?
- キャリアパスについてどのように考えますか?
- 入社してどういったキャリアビジョンを描いていますか?
面接では事業内容や業務と絡めて答えるのがポイント
「キャリアプラン」は、「自らの仕事における目標や計画」を意味する言葉ですが、面接での「キャリアプラン」は、できるだけ、その会社の事業内容や入社後の業務と関連性を持たせるのがポイントです。具体的には、まず、目標を述べ、それに対する詳細な計画・行動内容の順で述べます。
たとえば、営業職では次ような回答例が考えられます。
私は、将来的には御社の海外事業部に携わりたいと考えています。そのためには、まず営業部で顧客ニーズを的確に反映した提案をし、様々なニーズを満たせる営業マンを目指します。
事務系の場合は企業貢献度をアピール
事務系職種の採用における「キャリアビジョン」では、的確な作業力と柔軟な対応力がアピールできるとよいでしょう。たとえば、
私は、事務スタッフとして迅速かつ的確な対応力で、社内業務の円滑化を目指します。そのためには、まず入社後にチーム内での信頼関係構築に取り組みます。具体的には、コミュニケーションを密にとり、仕事内容をいち早く習得します。また、ゆくゆくは事務体制の効率化・簡略化などよりよい業務体制の構築に尽力したいと考えます。
技術系の場合は、技術力とマネジメント力がキーワードに
「技術系」と一口に言っても、ウェブ・ネットワーク・インフラなど様々な業種がありますが、まずはしっかりとした技術力が前提です。その上で提案力・リーダーシップ・マネジメント力などが面接では問われます。たとえば、
入社後はまず、これまでの経験で培った知識とスキルを活かして、積極的に業務に取り組みます。その上で〇年後にはプロジェクトリーダーやマネージャーを目指すべく、技術力だけでなく、提案スキルも身に着けていきたいと考えています。
女性の場合はライフイベントも織り交ぜるのが通例
女性が就職・転職活動を行う場合には、「キャリアプラン」にライフイベントも織り交ぜて回答するのが一般的です。色々な働き方や人生観がありますが、最近では産休・育休を経て働く女性も少なくはありません。
「結婚・出産などを経ても勤務し続けたい」という思いが強い人は、育休・産休・時短勤務制度などの福利厚生制度も引き合いに出しながら、回答を構成するのもよいでしょう。
まとめ
「キャリアプラン」とは、「自分が今度どのような仕事に就き、どういった働き方をしていきたいのか」という目標・計画を意味する言葉です。「自分がなりたい姿」をイメージしながら「キャリアプラン」を考えるのが一般的ですが、採用面接ではとりわけ、「その企業に入社した際の働き方・目標」といったニュアンスで用いられています。面接の回答用として考える場合は、自己アピールのひとつとして文章を組み立てておくとよいでしょう。