「親和性」の意味とは?「親和性が高い」やビジネスでの使い方も

「親和性が高い」「親和性がある」などの表現で用いられる「親和性」という単語は、理化学分野のほか、ビジネスシーンではシステムやマーケティングの話題でもしばしば用いられます。

本記事では「親和性」の意味をはじめ、その使い方や例文もわかりやすく解説します。また、類語・英語訳も併せて紹介しましょう。

「親和性」の意味とは?

「親和性」の意味は”物と物の結合のしやすさ”

「親和性」の意味は、“物質と物質が容易に結合する性質・物質と物質の結合のしやすさ”です。互いが容易に結合する性質を持っていることが「親和性」です。

転じて、「物事と物事の相性の良さ・組み合わせの良さ」という意味でも使用されます。読み方は「しんわせい」です。

「親和性が高い」とは相性の良さのこと

「親和性」という言葉は”親和性が高い”という言い回しでよく使います。「親和性」は日常シーンでは”相性の良さ”を表す言葉です。たとえば「スマホとSNSは親和性が高い」というと、「組み合わせたときによくなじむ・相性の良さがはっきりとわかる」というニュアンスになるでしょう。

ビジネス上での「親和性」の使い方・例文とは?

ビジネスやマーケティングでは「相性が良い」のニュアンスで

「親和性」という単語は、ビジネスシーンではもっぱら物事の相性の良さを表現する際に用いられます。「このデータから、ターゲット層へのアプローチは、A案が親和性が高いようだ。A案で進めよう」というと「A案の方が相性が良い=良い結果に結びつきそう」と推測できます。

例文

どんなに素晴らしいノウハウを持っていても、プロジェクトとの親和性が認められないとうまくいかないものだ

システムの「相性の良さ」を示す単語でもある

ビジネスシーンでは、システムの「相性の良さ」を話題にする場合にも用いられます。たとえば、「このソフトは、OSとの親和性が高い」というと、「OSとの相性がよく、めったにフリーズしたりしないソフト」というニュアンスです。「親和性」という単語を用いることで、その相性の良さを際立たせる表現となります。

「親和性」は本来、人間関係に使う表現ではない

「親和性」という単語は、「親しい」という漢字から人間関係に関するワードのような印象を持たれがちですが、本来は人間関係で用いられる単語ではありません。しかし、言葉の使い方は時代とともに変わることも多く、近年では「相性が良い」というニュアンスで「親和性がある」としたり、「適性がある」というニュアンスで「親和性が高い」としたりする例も見受けられます。

本来はなかった使い方ですが、今後はこうした使い方も増えていくかもしれません。

化学分野での「親和性」とは?

理化学分野で「物質同士の結合しやすさ」を表す

「物質と物質の結合のしやすさ」を意味する”親和性”という単語は、「親和性が高い・親和性がある」という表現で、主に理化学分野でもともと使用されていました。

「親和性が高い」というと、物質同士が非常に結びつきやすい・相性が非常に良い、という意味になります。「親和性がある」もまた、程度の差はあるものの「結びつきやすい」というニュアンスで使用されます。

例文
  • AとBには親和性が認められた。
  • AとCに関しては親和性がさらに高いと言えるだろう。

細菌の増殖のしやすさを指して「親和性が高い」とも

「親和性」は物質の結びつきやすさだけでなく、細菌やウイルスの増殖に対して使われることもあります。たとえば、ある細菌が特定の臓器・細胞において増殖しやすい場合に、「親和性がある・親和性が高い」と表現します。理化学の分野では、細菌やウイルスの増殖度の程度・目安を表す際にも用いられるのです。

「親和性が低い」という表現はあまり使わない

「親和性がある」の対義的表現は、「親和性がない」となりますが、実際に「親和性がない」という表現はあまり用いられません。理化学の分野では、「親和性」が高い物質が研究材料となったこともあり、「親和性がない・低い」状態については着目されなかったのが理由です。

「親和性」の類語・言い換えとは?

「親和性」と似た意味の単語は”融和”

「親和性」と似た意味の単語には、“融和”が挙げられます。「融和(ゆうわ)」とは、”なじんで融合すること”という意味の単語です。たとえば、物事と物事が性質を超えてひとつのものになる、という意味で「融和する」と使われます。また、「打ち解けて親しくなる」という意味もあります。

「なじみやすい」も似た意味の表現

「親和性」と似た意味の単語には、“なじみやすい”という表現も挙げられます。「なじみやすい」もまた、「結合の良さ」を表す単語で、物と物あるいは人と人、また人と物など幅広く用いられます。「肌になじみやすい化粧品だ」のような使い方も可能です。

「親和性」の英語訳とは?

「親和性」は英語では”affinity”

「親和性」の英訳では“affinity”という単語を使用します。理化学系の論文でも、「affinity」が”親和性”の意味で用いられています。一方、「システムの相性の良さ」という意味での”親和性”は、「compatible」と表現されることもあります。「compatible」は”互換性のある”という意味で、「矛盾なく・両立できて」という意味も持つ単語です。

まとめ

「親和性」とは「結合のしやすさ」を意味する単語で、「物質と物質の結合のしやすさ」あるいは「相性の良さ」を意味します。ビジネスシーンでは、システムの相性の良さを表す際をはじめ、マーケティングやプロジェクトなど様々な場面で「相性の良さ」に言及する場合に用いられています。また、本来の使い方ではありませんが、近年では人と人の相性の良さを表す際にも使われていて、今後はさらに様々なシーンで用いられると考えられます。