テレビドラマの内容に対して「シリアスなストーリー」と言ったり、「シリアスなシーン」と表現したりすることがあります。また、「シリアスな人」「シリアスな本」など「シリアス」は日常的にもよく耳にするカタカナ語のひとつでしょう。本記事では「シリアス」の詳しい意味と英単語「serious」との違いをはじめ、「シリアス」の使い方や「シリアスな人」の例、類語・対義語について解説します。
「シリアス」とは?
「シリアス」の意味は”深刻・真面目”
「シリアス」の意味は、“深刻・真面目”です。たとえば、事故や事件などの状況に対して「シリアス」というと”深刻な状況・重大な事案”といった意味合いになります。
「シリアス」は英語の”serious”に由来
日本で定着している「シリアス」は、英単語の「serious」に由来します。英語「serious」は、”真面目・本格的・(事態が)深刻であること”などの意味を持ちます。たとえば、「serious damage(深刻なダメージ)」「a serious illness(深刻な病気・重病)」といった使用が可能です。「a serious book(真面目な本)」「a serious talk(真面目な話)」と「真面目な」の意味で使うこともよくあります。
また、「Are you serious?」はカジュアルな定型句で、「うそでしょ?」「え?びっくり!」というニュアンスで使われる口頭表現です。「深刻・真面目」などの硬い意味はなく、日常的に広く用いられます。
「シリアス」の使い方と例文とは?
「シリアスな~」と深刻な雰囲気・状況を指して使う
カタカナで使用される「シリアス」は、”深刻な”の意味で使われることが多いのが特徴です。たとえば、「シリアスなドラマ」というと”深刻なシーンが多いドラマ・内容が重々しいドラマ”といったニュアンスになります。「シリアスなムード」も「深刻な状況(雰囲気)」という意味で、「重々しい雰囲気」というニュアンスでもよく用いられます。
- この俳優はシリアスなドラマに良く起用される
- 彼女のシリアスな雰囲気に、どう声をかけるべきか迷っている
「シリアスに考える」は”じっくり考える”の意味
「シリアスに考える」は、「シリアス」を”真面目”の意味で使った表現で、「真面目に考える・真剣に考える」という意味になります。「じっくり考える」というニュアンスにもとるができます。
- もう少しシリアスに考えた方が良い
- シリアスに考えて、この状態でコンペに勝てるとは到底思えない
「シリアスな人」は”真面目な人”以外の意味にもとれる
「シリアスな人」は、”真面目な人”という意味になります。一方で、「真面目な」という意味ではなく「深刻な雰囲気の人」のニュアンスで用いられることもあります。たとえば、表情が硬く重苦しい雰囲気の人に対して「シリアスな人」と使うこともあります。同様に、「シリアスな表情」というと、「真面目な表情」というだけでなく、何か重大な事柄を告げる前のような「深刻な表情」をうかがわせる表現です。
本の内容を指して「堅苦しい」の意味での使用も
「シリアス」を本の内容に対して使うと、”堅い・堅苦しい”という意味になります。「a serious book(真面目な本)」という英語での使用例を先述しましたが、同様にカタカナ語としても「シリアスな本=真面目で堅苦しい本」という意味で使用することができます。
加えて、「シリアスな本」は”深刻な内容の本”という意味にもとれるでしょう。「シリアスなストーリー」などの使用例と同様に、”重々しい内容・深刻な内容”のものを「シリアスな本」と表現することも可能です。
「シリアスゲーム」はゲームジャンルのひとつ
「シリアスなゲーム」というと”重々しい内容のゲーム”というニュアンスになりますが、「シリアスゲーム」はゲームジャンルのひとつです。「シリアスゲーム」とは、純粋な娯楽を目的としたものではなく、ゲームの過程で社会課題の解決方法を学ぶことを目的として作られたものを指します。簡単に言うと、教育や啓発を目的としたゲームで、環境問題や医療問題といった社会的な課題に出会い、ゲームの中で考えながら解決策を模索するようなシミュレーションゲームが挙げられます。
「シリアス」の類語とは?
「シリアス」の類語は”堅苦しい”や”生真面目”
「シリアス」の類語は、“堅苦しい”や“生真面目”が挙げられるでしょう。「堅苦しい」とは、”格式張っている様・形式ばっている様”を表します。また、「生真面目(きまじめ)」とは、”非常にまじめなこと・真面目過ぎて融通がきかない様”を意味します。いずれも「シリアス」の持つ「真面目な」という意味と類似した単語です。
「由々しい」も類語のひとつ
「シリアス」には”深刻な”という意味があることはこれまでにも触れてきましたが、その意味では「由々しい」も類語と言えるでしょう。「由々しい(ゆゆしい)」とは、”そのままにしておくととんでもない事態を引き起こすことになる様”を表す単語で、「由々しい問題・由々しき事」といった使い方をします。「深刻な」や「重大な」と似た意味を持つ単語です。
「シリアス」の対義語とは?
「シリアス」の対義語は”コミカル”
「シリアス」の対義語は“コミカル”です。「コミカル(comical)」は、”滑稽な・おどけた”という意味があり、「深刻な・まじめな」という意味を持つ「シリアス」とは対義的表現と言えるでしょう。たとえば「コミカルなストーリー」というと、「笑える話・喜劇的な物語」という意味になります。
まとめ
「シリアス」は、「深刻な・重大な」という意味を持つ単語で、「シリアスな状況」「シリアスな問題」などの使い方でよく用いられます。また、「シリアス」には「真面目な」の意味もあり、「シリアスな本」「シリアスなストーリー」といった使用例では、「堅苦しい」「重々しい雰囲気の」などのニュアンスにもとれる表現です。文脈に応じて正しい読み分けが求められます。