「有志」の意味とは?「有志一同」など使い方と関連用語を解説

社内でお祝い事があった際、プレゼント購入の名目で「有志」を募ることがあります。また不幸があった場合に「有志」の名で香典を出すこともあるでしょう。本記事ではこの「有志」という単語の意味と使い方について詳しく解説します。「有志者」を募る際のメール例や「有志」と「ボランティア」の違いについても触れています。

「有志」の意味とは?

「有志」の意味は”一緒に物事を行おうとする気持ち・人々”

「有志」の意味は、“一緒に物事を行おうとする気持ち、またその気持ちを持つ人々”のことです。ある物事に対し、同じ意見を持つ人や明確な意志を持った人々を指して「有志」といいます。「志を有する」という漢字の組み合わせからもその意味が伺えるのではないでしょうか。

なお、「一緒に物事を行うという気持ち」を指すよりも、”同じ意志を持つ人々・集団”の意味で「有志」と使うことが多いです。

「有志」の使い方と例文とは?

仲間やボランティアを集める際に「有志を募る」と使う

「有志」という単語は、”志を同じくする人を集める”という意味で「有志を募る」という表現でよく用いられます。たとえば、社内イベントの実行委員を募集するなどボランティアを求める場合にも使用される表現です。

「有志募集」案内をメールで送る場合には簡潔に

社内で「有志を募る」という場合には一斉メールで案内するというケースも多いものです。こうした案内メールは、用件のみを記載するのがポイントで、簡潔な短いメールを心がけます。

例文

田中部長が3月末で定年退職されます。そこで有志によるプレゼントを考えております。つきましては、賛同いただける方は、今週金曜日までに本メールにご返信ください。なお、ひとり800円を予定しております。

「有志」として参加する場合には「賛同します」と返信し、参加しない場合には「申し訳ありませんが、今回は遠慮いたします」といった文言が良いでしょう。また、返信しないという方法もありますが、送り忘れなどと区別するためには一言返信したほうが丁寧です。なお、企業によっては、「有志」とは名ばかりで暗黙のうちに参加が決まっている「半強制」というケースもあります。この場合、「有志」という単語の厳密な意味とは異なりますが、企業の慣習に従うのがよいでしょう。

「有志」は不特定多数の集まりを指す場合にもよく使う

「有志」は”~したい人・~をする人”という意味で不特定多数の人々・希望者を指して使う場合もあります。たとえば、「有志より花束を贈呈します」というと、「希望者」というニュアンスになります。

例文
  • 作者の没後、彼の意志を継ぐ有志によって作品化された
  • 地元の有志によってこのイベントは実現された

香典で「有志」とは”同じ気持ちの人々”を指す

「有志」という単語は、葬儀の際に持参する香典にも用いられます。たとえば、取引先で不幸があった場合に「株司式会社○○ 有志」としたり、同僚に不幸があった場合に「株式会社○○営業部 有志」として香典を出すことがあります。この場合は、「お悔やみの気持ちを持つ人々」というニュアンスと解釈できるでしょう。なお、「有志」とした場合、”全員ではない”ことを意味します。その会社あるいは部署の一部の人、というニュアンスとなる点が特徴です。

また、「同じ気持ちの人々」というニュアンスでは、祝儀袋でも「有志」とすることがあります。同様に、義援金でも送付者を「○○ 有志」とする例も挙げられます。

「有志一同」は重言との指摘も

「有志」という単語は、しばしば「有志一同」の表現でも用いられます。「一同」とは、”居合わせた人々全員・みんな”という意味です。つまり、「有志一同」は”同じ思いの人全員”というニュアンスと言えるでしょう。

しかし、そもそも「有志」には”人々”という意味が含まれます。そのため、「有志一同」は”人々”という意味が重複した「重言」という意見もあるようです。このことから、所属者全員の場合には「○○部 一同」とし、一部の賛同する人のみの場合に「○○部 有志」と書き分けた方が無難とも言えます。

「有志」の類語とは?

「有志」の類語は”ボランティア”

「有志」と似た意味の単語(類語)には“ボランティア”が挙げられます。「ボランティア」とは、”志願者・奉仕者”という意味です。「このイベントはボランティアによって運営されている」などといった使い方が可能です。

「有志」と「ボランティア」の一番の違いは、無償か有償かにあります。「ボランティア」は一般に、無償で参加する社会事業などに対して用いられます。これに対し「有志」は、”無償で何かをやる人々”に限らず、”同じ意志を持つ人々”を指して使用される点で異なります。「有志=ボランティア」というケースもありますが、「有志=必ずしも無償で何かをするとは限らない」点が大きな相違点です。

「有志」の英語訳とは?

「有志」は英語では”volunteer”で表現

「有志」は英語では“volunteer”と表現されます。日本語としてカタカナで「ボランティア」という場合には、先述したように”無償で社会事業などに参加する”というニュアンスが濃いですが、英語では「志願者」の意味で広く使用されています。たとえば、「Volunteers are welcome」とは”有志募集”と和訳することができます。

また、”興味・関心のある人”という意味では「an interested person」や「people who are interested」といった英訳もできるでしょう。たとえば、「this team was organized by a group of interested people.(このチームは有志によって結成された)」といった使い方が可能です。

まとめ

「有志」とは、”同じ意志を持つ人々・一緒に物事を行うとする人々”を指します。「有志募集中です」というと、”一緒にやりたい人を募集しています”という意味になります。また、ビジネスシーンではお祝いや香典を贈る際に、”(全員ではなく)希望者・賛同者より”という意味で「○○部 有志」とすることもがあります。有償で何かをする場合も無償の場合にも使える点が「有志」の特徴です。