「付随」の意味とは?使用例や類語「付帯」との違い・英語訳も紹介

「付随する書類」あるいは「付随業務」などビジネスシーンでは「付随」という単語をしばしば使用します。本記事では、「付随」の詳しい意味をはじめ、その使い方について解説しました。また、「付帯工事」などに使われる「付帯」と「付随」との違いについてや、類語・英語訳についても触れています。

「付随」とは?

「付随」の意味は”付き従う・付いて起こる”

「付随」の意味は、“ある物事が、ほかの物事に付き従う・付いて起こる”ことです。「付随」の「付」には、”ぴったりとくつく、添えつける”という意味があり、「付随」の「随」には”ついていく”という意味があります。そこから、「主となる物事について起こる」あるいは「主たる物事に関係して成り立つ様」を表す際に使用されます。

読み方は「ふずい」、漢字では「附随」と書くことも

「付随」の読み方は“ふずい”です。この「ふずい」は、漢字では「附随」という文字があてられることもあります。いずれも意味に違いはありませんが、「附随」はマイナーな表記です。「附」の字は、公用文での使用が限定されている漢字のひとつで、「寄附」や「附属」などの数語を除いては一般に「付」の字が使用されます。「ふずい」に関しても例にもれず、「付随」の表記を用いるのが一般的です。

「付随」の使い方と例文とは?

「付随する書類」「付随する業務」などと使う

「付随」は、「付随する○○」の形で用いられることが多いでしょう。「付随する○○」とは、”関連して発生する”と表現したい場合に用いられます。たとえば、「申請辞退に付随する書類」というと、”申請辞退によって生じる書類(申請辞退に必要な関連書類)”という意味です。

また、雇用契約書では「付随する業務」の文字を良く見かけます。この場合は「主たる業務に関連して発生するような業務・その仕事をするにあたって生じる業務」といったニュアンスとらえることができるでしょう。なお、「付随業務」のように「付随○○」の形でもよく用いられます。

例文
  • 付随する書類は期日までにご郵送願います
  • 「既存顧客への対応業務や新規顧客獲得、その他これに付随する業務全般」

他にも、次のような使い方も可能です。

例文
  • この件に付随して、様々な問題が発生している
  • 異動に付随する雑務に追われている
  • 契約更改に付随して労働環境が大きく改善された

「付随効果」とは”本来の目的とは異なる影響”のこと

「付随効果」とは、”本来の目的とは異なる影響・期待されていたものとは異なる効果”という意味です。たとえば、「運動不足解消」を目的としたジョギングで、”新しい友人に出会い、交友関係が広がった”というのは「付随効果」と呼べるでしょう。本来の目的ではない二次的な効果を指して「付随効果」と使用します。

「付随」の類語とその違いとは?

類語①「付帯」とは”伴うこと”

「付随」と似た意味を持つ単語に“付帯”が挙げられます。「付帯(ふたい)」とは、”主たる物事に伴うこと”という意味で、「付いてくる事柄」や「セットとして行われる事柄」を指して使う表現です。

「付帯」は、「付随」と同じ意味合いで用いられることもありますが、「付随」が”主たる事柄に関連して生じること”を指すのに対し、「付帯」は”自然的・必然的についてくる(発生する)こと”を指すなどニュアンスには細かい違いがあります。

「付随工事」よりも「付帯工事」という表現が一般的

「付帯」の使用例には、「付帯事項・付帯条件・付帯工事」などが挙げられます。たとえば、家の建設に対する電気・ガス・水道などのライフライン工事を「付帯工事」と呼びます。この場合、「付随工事」という表現でも意味は通じるかもしれませんが、「付帯工事」の方がより的確と言えるでしょう。

類語②「付属」とは”付き従う”こと、「付随」とは異なる意味

「付属」とは、”付き従う”という意味です。たとえば「付属部品・付属品」のように、”あるものが主たるものの一部となり付いている”という意味で「付属」と使います。そのため、”関連して発生する”という意味の「付随」とは異なる表現です。なお、「付属」は”もの”に対して用いられる単語で、「付属する問題」などとは使用しません。

「付随」は”伴う”や”随伴”と言い換えができる

「付随」を言い換える場合には“伴う”“随伴”などの単語が使用できます。「伴う」とは、”一緒に行動する・ある事柄に応じて生ずる”という意味です。「申請に伴う書類」などの表現で使用することができます。

「随伴(ずいはん)」とは、”伴って起こる・(お供として)付き従う”という意味です。ただしこの「随伴」は、どちらかというと”お供として付く”という意味で使用されることが多いでしょう。

「付随」の英語訳とは?

「付随」の英訳では”accompany”が使用される

「付随」を英語で表現する場合は“accompany”という単語を使用します。「accompany」とは、”同行する・付きそう・同時に起こる”などの意味を持つ単語です。また、「attend(随行する・伴う)」や「incidental(付随的な・付帯的な)」といった表現も「付随」の意味で使用される表現です。

例文

当ライセンスに付随する権利

  • the rights attending this licence
  • the rights accompanying this licence

他にも、「attach(付ける)」を使い「the rights attached to this licence」などと表現されることもあります。

まとめ

「付随」とは、「ある物事が他の物事について起こる」という意味の単語で、一般には「関連して発生する事柄」を示す場合に「付随する~」や「付随して」といった表現で用いられることが多いでしょう。単に「付随○○」の形でもよく用いられます。似た意味を持つ「付帯」などとうまく使い分けられるようになると表現の幅が広がるでしょう。