「副次的」の意味とは?「副次的効果」など使い方と類語・対義語

「副次的効果」「副次的被害」などに使われる「副次的」とは、具体的には何を意味するのでしょう。本記事では、「副次的」の詳しい意味とともに、その使い方を例文を交えて解説しました。また、「副次的」の類語・対義語や英語訳などの関連用語についても触れています。

「副次的」とは?

「副次的」の意味は”従属した関係である様”

「副次的」の意味は、“ある事柄が、ほかのものに付随した存在である様や従属した関係にある様”です。本来のもの、あるいは主要な物に対して、従属的な様を表す際に用いられます。

「副次的」を簡単に言うと”おまけ”

「副次的」を「従属した関係」と表現するとやや難しい関係性にも聞こえますが、端的に言うと「副次的」は「おまけのように付いてくるもの」ということができるでしょう。主要な物事ではなく、「おまけ」あるいは「ついで」として生じるもの・状況を指して「副次的」と表現します。

「おまけ」のように、「期待されていなかったもの」というニュアンスを含むのも「副次的」の特徴のひとつです。

「副次的」の使い方と例文とは?

「副次的効果」は”本来の目的ではない効果”のこと

「副次的」の使用で多いのが「副次的効果」という表現です。「副次的効果」とは、”主な効果に付随して発生する効果”あるいは”本来の目的として期待したものではない、二次的な影響”を指します。同様の意味では、「副次的結果」と表現することもあります。

例文
  • 今回のキャンペーンでは、注目すべきいくつかの副次的効果が得られました
  • 本来の目的とは異なりますが、副次的な結果が功を奏したと言えるでしょう

たとえば、「働き方改革の一環としてテレワークを推奨した」場合に期待される効果は「テレワークに切り替えたスタッフの満足度・充実度」でしょう。これに対し、「結果的に交通費やオフィスの光熱費が下がった」というのは「副次的効果」ということができます。

「副次的被害」「副次的損害」といった表現も

「副次的」という単語は、「副次的被害」や「副次的損害」という表現でも使用可能です。この場合、「主たる被害(損害)に付随して起こる被害(損害)」という意味にとることができます。

例文
  • 感染症は健康を脅かすだけでなく、場合によっては失業などの副次的被害をもたらす可能性もある
  • 副次的被害はつい見落とされがちだが、それをも受け止めうる社会的仕組みが必要だ

「副次的な問題」は”付随して発生する問題”のこと

「副次的な問題」とは、”付随して発生する問題”を意味します。たとえば、「システムの導入に関するメリットはあるが、副次的な問題にも目を向けるべきだ」というと、「システム導入に付随して発生する問題」「システムの導入に伴って発生する問題」などの意味です。

「副次的」の類語とは?

「副次的」の類語は”二次的”や”付随的”など

「副次的」と似た意味の単語には、“二次的”“付随的”が挙げられます。「二次的」は「主な物事に対して、それに付随する関係である様」を表す単語で、「副次的」とほぼ同義と言えるでしょう。また、「それほど重要ではない様」という意味で「二次的」と表現する場合もあります。

一方、「付随的」とは「何かに伴い、結果的に発生する様」「主たる物事に付き従っている様」を表します。「副次的」の言い換えとしても使うことのできる表現です。

「副産物」も似た意味で使われる表現

「副産物」とは、「生産過程で付随して得られる他の産物」を表します。また、比喩的な表現として「付随して起こる物事」という意味でも用いられます。「付随して得られるもの・生じる物」という意味では「副次的○○」と似た意味でも使われる表現です。

例文

主要商品の副産物を利用して、新たなビジネスチャンスを創造する

「副次的に発生する」は”伴う”と表現できる

「主たる事柄に付随して発生する」という意味で「副次的に発生する」と表現することがあります。この「副次的に発生する」は、「伴う」や「連動する」「~に応じて発生する」などの表現に言い換えることができるでしょう。

例文
  • システム導入に関しては、様々な問題が副次的に発生することが懸念されている
  • システム導入に関しては、様々な問題を伴うことが懸念されている
  • システム導入に連動し、様々な問題が懸念されている

「副次的」と「二義的」は厳密には異なる意味

「副次的」と似た意味の表現として「二義的」という単語が挙げられることもありますが、厳密には両者は異なる意味を持ちます。「二義的」とは、「根本的ではない様・あまり重要ではない様」という意味の単語です。

たとえば、「副次的効果」とは、「最初から期待されていたわけではないが、付随して得られる効果」という意味になります。これに対し「二義的効果」は、単に「複数あるうちの2番目の効果」という意味合いなり、「最初から期待されていたもののうちの2番目」という意味にもとることができるのです。細かい違いですが、使用に関しては区別できると良いでしょう。

「副次的」の対義語とは?

「副次的」と反対の意味を持つのは”主要”

「副次的」と反対の意味を持つ単語には“主要”が挙げられます。何かに付随する関係性を表す「副次的」に対し、「物事の中心で特に大切なこと」という意味を持つ「主要」は対義的ということができるでしょう。

「副次的」の英語表現とは?

「副次的」は英語で”secondary”や”auxiliary”で表現

「副次的」は、英語では“secondary”という単語を使います。「secondary」とは、「(順序や重要性などが)第二位の・~に次いで・副次的な」などの意味を持つ単語です。また、「補助的な・予備の・付属の」という意味を持つ“auxiliary”という単語を使用することもあります。

例文
  • secondary effect 副次的効果
  • an auxiliary activity 副次的な活動

また、「側面の・脇にある」を意味する単語「side」も「副次的な」の意味で使える単語です。「サイドストーリー」のようにカタカナ語としても定着していますが、この「side」には「副次的な・付随する」という意味があります。たとえば、「a side effect(副次的な効果)」「side issue(副次的な問題)」などの表現が可能です。

まとめ

「副次的」とは、「ほかの物事に付随する関係・従属する関係」を言い表す際に用いられる表現です。「副次的効果」や「副次的被害」の形で、ビジネスシーンでもよく用いられます。これらは、「本来期待されていたものとは異なる、二次的な効果」「ほかの物事に付いて起こった被害」の意味になり、ほかの物事との関係性を表したい場合に活用してみてください。