「足がかり」の意味とは?類語「手がかり」との違いや例文も解説

「これを足がかりとして一旗あげたい」や「足がかりにする」「足がかりを得る」など、ビジネスシーンでも「足がかり」という単語はしばしば見聞きします。本記事では「足がかり」の詳しい意味とその使い方を例文で解説しました。また、似た意味を持つ「手がかり」をはじめとした類語とその違い、英語訳についても紹介しています。

「足がかり」の意味とは

「足がかり」は「開始の糸口となるもの」という意味

「足がかり」とは、文字通り「足をかける部分」のことで、登山やクライミングなどで高い場所へ上るための「足場」を指します。転じて、「何かを開始するための糸口となるもの・きっかけとなるもの」を意味して「足がかり」と使われています。

何かを始めるための「土台」や「踏み台」、行動を起こす際の「よりどころとなるもの」などを指して「足がかり」と使うことが多いでしょう。

「足がかり」は漢字で「足掛かり」とも

「足がかり」は、漢字では「足掛かり」あるいは「足掛り」と書きます。また、「足懸かり(足懸り)」という表記をされることもあります。いずれも誤りではありません。

「足がかり」の使い方と例文

「足がかりにする/なる」「足がかりを築く」などと使う

「足がかり」は、「足がかりにする・なる」や「足がかりを作る・築く」などの表現でよく用いられます。いずれも、「何か物事をはじめるきっかけを見つける」「それを土台にして何かを始める」などといった意味合いになります。

例文
  • これを足がかりとして、新規契約が取れないだろうか。
  • 若いころから幅広い人脈を作り、出世の足がかりを築いてきた。
  • 足がかりになる出来事を待っていては、何も始まらない。
  • まずは、突破口を開くために、その足がかりを作ろう。

「足がかりをつかむ」「足がかりを得る」は「きっかけ」をつかむこと

「足がかり」を「つかむ」や「得る」という表現と共に使った場合、「(何らかの理由・根拠となることを見出し)そのきっかけをつかむ」という意味にとることができるでしょう。また、「糸口を手に入れる」などとも似たニュアンスと言うことができます。

例文
  • 何とかして、出世の足がかりをつかみたい。
  • 新規開拓の足がかりを得ることができた。

「~を足がかりとして」「~を足がかりに」もよく使う表現

「~を足がかりとして」や「~を足がかりに」と使った場合は、「~を踏み台(よりどころ)にして次のプロセスに進む」というニュアンスにとることができます。

例文
  • A社はこれを足がかりに、アジア進出を決めた。
  • 出世の足がかりとして、まずは新人コンペで賞をとることは必須だ。
  • 部長の評価を足がかりに、企画部への異動を実現したい。

「足がかり」の類語とは

似た意味の表現は「契機とする」「きっかけとする」

「足がかり」は、「何かを開始する糸口となるもの・きっかけとなるもの」を意味します。そこから、「足がかりとする」という表現は、「契機とする」や「きっかけとする」と言い換えることができるでしょう。

「契機」とは、「変化や発展を起こす要素・原因、きっかけ」という意味の単語で、「契機とする」で「きっかけとする」と同義になります。

例文
  • 今回の受賞を契機として、彼は次なる戦略をしかけた。
  • 新規開拓のきっかけをつかむには好都合だった。

「足がかりに」は「助けに」と言い換えることも可能

「~を足がかりに」という表現は、「~を助けに・助けとして」という風に言い換えることができます。たとえば、「Aさんのサポートを助けとして、ここまで成長することができた」などといった使い方が挙げられます。また、「踏み台として」や「土台として」なども似た意味の表現と言えるでしょう。

例文

経験や失敗を土台として、人は成長するものだ。

「手がかり」は問題解決のニュアンスが濃い

「足がかり」と似た意味の単語に「手がかり」があります。「足」と「手」が違うだけで、似た意味を持つ単語として使うこともできますが、厳密には少々意味合いが異なります。

「足がかり」が「物事を開始するための糸口・きっかけ」を意味するのに対し、「手がかり」には「何らかの事態・問題を解決するための助け」という意味があります。

たとえば、「目標への到達」を表現する場合には「足がかり」を使用することが多く、物事のよりどころとするというニュアンスを含むことができます。一方、「説得の手がかりとなるだろう」という風に、何らかの問題を解決するための助け・きっかけというニュアンスで用いられるのが「手がかり」です。

「足がかり」の英語訳

「足がかり」は英語で「foothold」

「足がかり」は英語では「foothold」と表現されます。「foothold」には「足場」という意味もありますが、日本語同様に「目標達成などの足がかり・よりどころ」といった意味でも使用される単語です。

例文
  • new foothold for growth 成長への足がかり
  • gain a foothold for  ~への足がかりを得る
  • establish a foothold in ~での足がかりを築く

まとめ

「足がかり」とは「何かを始めるための糸口・きっかけ」という意味の単語で、文字通り「足を掛ける場所」という意味に基づく比喩的表現です。「目標達成のよりどころとする」といった意味合いで用いることもあります。なお、似た意味を持つ「手がかり」は、問題解決というニュアンスが強い点で異なります。違いに気を付けて使いたい単語です。