「意を決して」の意味とは?例文や言い換え・類語表現を解説

「意を決して告白する」というと、まさに一大イベントといった雰囲気ですが、この「意を決して」にはどのような意味があるのでしょう。本記事では、「意を決して」の意味と使い方を例文とともに紹介しました。また、「意を決して」の言い換え表現や類語表現、英語訳についても触れています。

「意を決して」の意味とは

「意を決して」とは「決心して」という意味

「意を決して」とは、「思い切った決心をして」「決意して」などといった意味を持つ表現です。「覚悟を決めて~する」あるいは「勇気をもって決断する様」を表す際に用いられます。単に「決める」という意味よりも、やや強いニュアンスを持つ表現と言えるでしょう。

また、「意を決して」と似た表現では「意を決する」も挙げられます。「意を決する」とは、「決心する・覚悟を決める」という意味です。この「意を決する」を副詞的に使用したのが「意を決して」です。

「意を決して」の使い方と例文

「意を決して~する」の形で用いられる

「意を決して」は副詞的な表現として、覚悟や勇気をもって何かをする際に「意を決して~する」の形で用いられます。この「意を決して」の後に続く動詞は、それなりの覚悟を伴う動作が入ります。たとえば、「意を決して告白する」「意を決して飛び降りる」などが挙げられるでしょう。

例文
  • 実はかねてより転職したいと思っていたことを、意を決して妻に告白した。
  • かねてより問題になっていた部内の人間関係について、意を決して部長に直訴した。
  • 店主は齢50にして、意を決して脱サラしたらしい。

日常動作に「意を決して」と使うと大げさなニュアンスに

「意を決して」は覚悟を持って何かをする様を表現しているので、日常的な動作に用いることはあまりありません。たとえば、「意を決して食べる」と使うことも可能ですが、この場合は日常の食事ではなく、見たこともないような変わった食材や長年食わず嫌いで手を付けてこなかったものなど、「普段は口にしないようなものを心して食べる」といったニュアンスの表現となります。そのため、大げさに表現したい場合に用いることが多いでしょう。

例文
  • 意を決して通勤電車に乗り込む。今日は社会人一年目の初出社の日だ。
  • 私は今、意を決して妻に話しかけようとしている。結婚後初の大ゲンカを乗り切るためだ。

「意を決して」の類語

「意を決して」を言い換えると「腹をくくって」

「意を決して」を言い換える場合には、「腹をくくって」という表現を使うことができるでしょう。「腹をくくって」とは、「覚悟を決めて・心を固めて」という意味です。「腹をくくって」には「何事にも動じないように心を固めて」というニュアンスがあり、勇気や覚悟を持って何かをする際に「意を決して」と同じように使うことができます。

例文
  • こうなった以上は腹をくくって、全力で取り組むしかない。
  • いい加減腹をくくって、堂々としなさい。
  • やるしかないと腹をくくっていたのに、出鼻をくじかれてしまった。

また「腹をくくって」は、「腹をくくる(括る)」の表現でも用いられます。この場合、「覚悟をする・決心を固める」の意味になります。「こうなった以上は腹をくくるしかない」などといった使い方ができます。

「果敢に」なども類似の意味を持つ表現

「意を決して」の「覚悟を決めて」というニュアンスは、「果敢に」や「勇んで」などと似た意味を持ちます。「果敢に(かかんに)」とは、「勇気をもって取り組む様・思い切って行動を起こす様」という意味です。「果敢に挑む」などの表現でよく用いられます。

「勇んで」には、「積極的に張り切る様・進んで物事にあたろうと勇み立つ様」といった意味があります。「勇んで家を出る」というと、「張り切って家を出る」様を表しています。

「意を決して」の英語訳

「意を決して」は英語では「勇気を出して~」と表現できる

「意を決して」は英語では、「勇気を出して」という意味の「push oneself to~」や「bring oneself to~」などを使用することができるでしょう。例えば、「I brought myself to talk to her. 」は「私は意を決して彼女に話しかけた」と和訳することができます。

また、「大胆に・勇敢に」という意味を持つ「boldly」を使用しても「意を決して」のニュアンスを出すことも可能です。例えば、「He boldly jumped into the pond.」は「彼は意を決して池に飛び込んだ」と和訳することができるでしょう。

まとめ

「意を決して」とは、「思い切った決心をして」「勇気をもって決断して」という風に、覚悟を決めて動作を起こす様を表す際に用いられる言い回しです。そのため、「意を決して」の後に続く動作は、その人にとって容易な事柄ではなく勇気のいる動作である、というニュアンスになります。そのため、日常的な動作に使う場合には大げさになりすぎないよう、使用シーンへの配慮が求められます。