企業の活動のひとつに「セールスプロモーション」があります。この「セールスプロモーション」とはどのような意味で、どのような種類・活動を指すのでしょう。本記事では「セールスプロモーション」の意味をはじめ、消費者や販売店、あるいは企業内など様々な使用例を解説します。
「セールスプロモーション」の意味とは?
「セールスプロモーション」の意味は”販売促進活動”
「セールスプロモーション」の意味は、“販売促進活動”のことです。たとえば、消費者の購買欲を高めるのための活動や小売店の販売意欲を向上させるための活動などを指して用いられる表現です。一般に、「セールスプロモーション」は消費者向け・流通業者向け・社内向けの3種類があるとされています。
英語「sales promotion」を日本語にした表現
「セールスプロモショーン」は英語では”sales promotion”となり、日本語と同じく「販売促進活動」の意味で用いられる表現です。「sales」には”販売の”という意味があり、「promotion」には”販売促進”という意味の他、”昇給・進級・助長”などの意味があります。
なお、「販売促進活動」のことを「プロモーション”活動”」と表現することもありますが、「セールスプロモーション」はそれだけで”販売促進活動”の意味で用いられるのが一般的です。
「セールスプロモーション」はマーケティングとも密接にかかわる
「セールスプロモーション」はとりわけ、商品やサービスの魅力を伝えることで見込み客を刺激し購買活動につなげること、あるいはそのための活動を指します。そのため、マーケティングとも密接なかかわりがあり、マーケティングによっていかに効果的な「セールスプロモーション」を行うかが成功のカギとなるとも言われます。
「セールスプロモーション」の使用例とは?
消費者に向けた広告は「セールスプロモーション」の代表例
「セールスプロモーション」にはいくつかの種類がありますが、中でも消費者に向けた「セールスプロモーション」はその代表例ともいえるでしょう。消費者向けの「セールスプロモーション」とは、見込み客の購買意欲を高め、また購買の意思決定に至らせるための活動を指します。
具体的には、店頭のポップやパンフレット、ノベルティ、サンプル、キャンペーン、イベントなどその内容は多岐にわたります。特に近年ではデジタル化も著しく、EC(electronic commerce、電子商取引)との連携やオンラインプロモーションなども盛んです。消費者に知ってもらい、さらに「買う」という行動に結びつけるために行われる商品アピール(広告)はどれも消費者向けの「セールスプロモーション」ということができるでしょう。
メーカーから販売店に向けた「セールスプロモーション」
「セールスプロモーション」には、卸業者・販売店に向けたものもあります。たとえば、メーカー側が自社商品の販売に力を入れてもらうために取扱店に対して行う活動です。具体的には、商品情報・販売情報の提供をはじめ割引や報奨金などが良い例です。仕入れに応じたキックバックも「セールスプロモ―ション」と呼べるでしょう。
小売店では「インストアプロモーション」とも
小売店で行われる「セールスプロモーション」は、「店頭プロモーション」あるいは「インストアプロモーション」と称されることもあります。店内広告や売り場の演出、商品の配列などによって、消費者を購買行動まで誘導します。レジのデータを活用することで、比較的低コストでも購買行動まで誘導できるのが「インストアプロモーション」のメリットと言われています。
会社では営業担当者向けの「セールスプロモーション」も
「セールスプロモーション」は消費者や卸業者・販売店に向けたもの以外に、社内で行われるものも含まれます。それが営業担当者向けの「セールスプロモーション」です。たとえば、マニュアルの作成や売り上げに応じた業績表彰、ボーナスなどもその一例です。営業担当者のスキル向上やモチベーション向上のための活動も「セールスプロモーション」の一環として挙げられるでしょう。
「セールスプロモーション」の仕事をするには?
「セールスプロモーション会社」に就職する
「セールスプロモーション会社(SP会社)」とは、広告主や代理店から依頼を受けて、企画・実行する会社です。メーカーの抱える課題解決のために様々なプロモーション企画を提案、実行します。
「セールスプロモーション」は、その業務を人の手(労働力)に頼るところが大きい側面があり、「セールスプロモーション会社」に依頼されることも少なくありません。一方で、大々的なイベントやキャンペーンなどは大手の広告代理店が中心となることも多いです。
募集職種は主に2種、企業によって異なる
「セールスプロモーション会社」の求人では、企画立案を行いその運用を行うプロデューサやディレクターと、クライアント窓口となる営業の大きく2職種に分けられます。企業によっては職種の呼び名や担当業務の範囲は異なり、営業担当者が企画立案まで行うケースもあるようです。
企業の「セールスプロモーション部門」に就職する
一方、専門企業に就職するのではなく、企業内で「セールスプロモーション」を担う部署の求人を見つけ、就職活動を行うという方法もあります。この場合、業績管理や実際の店舗での販促活動、新規出店等の企画を行うこともあり、企業によって立ち位置も業務内容も大きく異なります。「セールスプロモーション会社」の窓口となることもあるようです。
まとめ
「セールスプロモーション」とは端的に言うと”販売促進活動”のことで、消費者向けの広告やキャンペーンの他、卸業者・販売店に向けたもの、自社の営業スタッフに向けたもの(社内向け)と大きく3つに分けられます。いずれも目的は同じで、消費者を購買行動に至らせることです。「セールスプロモーション」は、専門の会社(SP会社)や広告代理店に依頼されることが多いのも特徴ですが、社内で専門部署を設け取り組む企業もあります。