「壮年男性」というと、いくつくらいの人をイメージしますか?ここでは、「壮年」の意味、使い方を例文で解説するとともに「壮年期」の定義や特徴について詳しく紹介します。また、「壮年」の類語や言い換え、英語訳などの関連用語についても触れています。
「壮年」の意味と使い方・例文とは?
「壮年」の意味は”働き盛りの年頃”
「壮年」の意味は、“働き盛りの年齢、働き盛りの年頃の人”です。もう少し詳しく言うと、「心身ともに成熟して、最もエネルギッシュで仕事で成果を上げるような年齢の人」を指して「壮年」と言います。また、「人の一生で最も体力と活力がみなぎる時期・社会的な責任を担う働き盛りの時期」という意味で「壮年期」のワードで用いることも多いでしょう。
「壮年男性」だけでなく”女性”を指しても使える表現
「壮年」は”壮年男性”の表現でもしばしば耳にしますが、男性・女性の区別を問わず使用できる表現です。「壮年」はあくまでも”働き盛りの年頃の人”という意味に過ぎず、単語として「男性」という意味は持っていません。「壮年期」という表現も男女問わず使うことができます。
「壮年」を使った例文
「壮年」は”壮年に達する”や”壮年期に差し掛かる”などの表現で使う他、「壮年の人」といった使い方も可能です。
- あっという間に壮年に達した。
- 壮年のスタッフが多いこの会社は、いつも活気に満ちている。
- 壮年期に差し掛かると、体力の衰えを感じることも増えると聞く。
- そろそろ壮年期と呼べる年になるので、健康にも気を使いたい。
「壮年」の類語とは?
「壮年」と似た意味の単語は”壮齢”
「壮年」と似た意味を持つ単語は“壮齢”です。「壮齢(そうれい)」とは”働き盛りの頃”を意味する表現で、「壮年」よりもやや堅い表現とも言うことができるでしょう。
- 壮齢の人にぜひとも呼んでほしい書籍
- 壮齢を過ぎ、様々な経験を蓄えた魅力的な人
「壮年期」は”円熟期”との言い換えも可能
「円熟」とは”知識や人格などが円満に発達し、豊かである様”を意味します。特に、作家や芸術家が力量も実績も十分に確立された後に、その感性や技術が最大限発揮される時期を指して「円熟期」と用いられるのも特徴です。
「壮年期」もまた、体力や活力あふれる働き盛りを意味することから「円熟期」に通じるものがあると言えるでしょう。
「壮年期」とは何歳から?
「壮年期」30代~50代を指すことが多いが、定義はあいまい
「働き盛り」を意味する「壮年期」は30代から50代を指す場合が多いですが、「壮年」や「壮年期」の年齢設定に明確な定義はありません。
「壮年期」のとらえ方は組織によっても異なるもので、25~39歳としているものもあれば、25~44歳とやや幅広く設定するケース、あるいは健康づくりを呼び掛ける自治体HPでは40~64歳を「壮年期」としている例もありました。一般には、生産年齢人口と呼ばれる15~64歳の中間層を指すことが多いとも言われています。
「壮年期」は”青年”と”中年”の間
「壮年期」は”青年”と”中年”の間と表現することもできます。「青年」とは大体10代後半から20代中ごろの若者を指します。一般に、「青年」は男性を指して用いられる表現ですが、「発達心理学」など分野によっては男女を指す表現としても用いられます。
この「青年」と「中年」の中間に位置するのが「壮年」ですが、先述のように明確な定義があるわけではないため、「青年」や「中年」と重なる部分も多いのが実情です。
「壮年期」と「中年」の意味の違い
「壮年期」と「中年」は年齢的には重なる部分が多いものの、ネガティブな印象を伴って使用される「中年」に対し、「壮年」は好意的なワードとして用いられることが多いです。
一方、「中年」とは老年に差し掛かるくらいの年代を指す表現で、40代後半から50代の人を指すことが多いでしょう。「中年太り」のようにややネガティブな意味を伴って使用されることもありますが、身近な表現とも言うことができます。
「壮年」は”働き盛り・エネルギッシュ・心身共に成熟した”などのポジティブな言い換えができるように、両者のイメージは大きく異なります。
「壮年期発達課題」とは?
心理学者エリクソンによる「壮年期発達課題」
「壮年期」というワードは、心理学者エリクソンの「発達段階説」とともに語られることがあります。エリクソンの「発達段階説」とは、人の一生を8つの段階に分け、それぞれの段階における「発達課題」や「心理社会的危機」をクリアすることで精神的に成長するというものです。そのひとつに「壮年期発達課題」が含まれます。
この「壮年期発達課題」では、「次世代育成能力」として前の世代に受けたものを引き継ぎながらも、自分の代でさらに創造を加え次の世代に譲ることが挙げられています。なお、エリクソンによる「壮年期発達課題」における年齢設定は「40歳~65歳」とされているようです。
ハヴィガーストによる「壮年期発達課題」とは
発達課題を提唱したとして有名な人物には、ハヴィガーストも挙げられます。ハヴィガーストはアメリカの教育学者で、彼は人間の発達段階を6つに分け、そのそれぞれで直面する課題を提唱しています。
そのうちのひとつ、「壮年期発達課題」では「新たな集団を作ること」つまり「家庭を持つこと」に焦点を当てているのが特徴です。たとえば、配偶者を持つこと、子どもを持つこと、仕事に就くこと、一市民としての責任を負うことなどが挙げられます。
なお、ハヴィガーストの分類における「壮年期」は「成人初期」とも呼ばれ、「18歳~30歳」頃を指します。エリクソンとは年齢の幅が異なるのも特徴です。
「壮年・壮年期」の英語訳とは?
「壮年期」は英語では”the prime of life”
「壮年期」は英語では“the prime of life”の表現が用いられます。この場合の「prime」は”最盛期・全盛”の意味になり、直訳すると「人生の最盛期」という意味になります。「壮年期」が働き盛りであり、人生でも体力や活力あふれるエネルギッシュな年ごろを意味することから「prime」を使った英訳が一般的です。このほか”最高点・絶頂”を意味する「noon」や「meridian」、”青春・盛り”の意味をも持つ「summer」などを使って表現することもできます。
「壮年期」の英語を使った例文
「壮年期」の英語表現を使った例文をご紹介しましょう。
- the noon of life 壮年
- the summer of one’s life 壮年期
- a person in one’s prime 壮年の人
- the meridian of life 働き盛り
まとめ
「壮年」とは”心身共に成熟した働き盛りの年頃”や”人生で最も体力・活力がみなぎるエネルギッシュな年の”を意味します。その年齢層は幅広く、一般には30歳~50歳代と言われますが、これといった定義はありません。そのため、25歳~44歳としたり、40歳~64歳としたり使用シーンによって「壮年期」の幅は異なります。「中年」のようにネガティブなイメージのある言葉ではないため、シーンを問わずに使用できる表現ともいえるでしょう。